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東北大学病院

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各検査室紹介

尿一般検査

尿検査室は検査技師3名(うち認定一般検査技師1名)で対応しており、尿検査1日約500件と精液検査週に約4名ほど検査を実施しています。

《使用分析器》

左から尿化学分析装置(ARKRAY AX-4030)、尿中有形成分分析装置(Sysmex UF-100i)、精液検査(SQA-V gold)

Ⅰ.尿定性・沈渣検査

尿は腎臓で作られ膀胱にたまり、体外へと排出されます。
尿検査は患者さんに非侵襲的であり、腎・尿路系疾患の病態把握として広く行われています。

尿定性検査

蛋白、ブドウ糖、潜血、ケトン体、ウロビリノゲン、ビリルビン、亜硝酸塩、白血球、pHおよび比重の10項目を測定します。

尿沈渣検査

自動分析装置を用いて測定し、さらに詳しい検査が必要と判断した場合は、検査技師が顕微鏡で観察を行って報告を行います。
→赤血球、白血球、上皮細胞、各種円柱、結晶成分、細菌、真菌、原虫、寄生虫、異型細胞など多数の成分を標準法「尿沈渣検査法2010」に準じて分類します。

尿路感染症

尿中に出現 腫瘍細胞 (尿路上皮癌由来)

糸球体腎炎で出現した円柱類

Fabry病で出現 Mulberry細胞

《異常値を呈する主な疾患》

脱水、発熱、膀胱炎、各種糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病、腎不全、尿路感染症、尿路結石症、尿路腫瘍、溶血性疾患(PNHなど)、閉塞性黄疸、尿細管障害、薬剤性腎障害、先天性代謝異常症、先天的脂質異常症 など

尿検査を受ける患者さんへ

1. 中央採血室で受付を行い、採尿カップを受け取ってください。
2. 採尿は外来A棟2階採尿トイレで行い,トイレ内の窓口へ提出してください。(採尿トイレまでは採血室から足元青色矢印を辿ってください。)
3. 尿カップへは内側の線1~2本目を目安に採尿してください
4. 尿の出始めと最後を外して途中の尿を採取してください。
※生理中の方は,採尿トイレ窓口でお伝えください。
※採取尿量が不安な場合は、採尿トイレ窓口でお伝えください。

Ⅱ. 精液検査

避妊をせずに妊娠しない状態が2年間続く場合を不妊症といいます。不妊は、女性だけでなく男性側の原因も45%ほど存在することが明らかになっています。不妊症の原因を調べるためには、男女ともに検査を行う必要があります。精液検査は、男性不妊症の有無を調べる検査であり、外観、pH、量、精子濃度、精子運動率、正常形態率を調べます。患者さんの体調・ストレスにより採取するごとに精液の状態が異なることがあるので、検査は2回以上行うことが望ましいとされています。

当検査室では予約検査になっており,当日中の結果報告に対応しています。
検査は精液採取から1時間以内に開始する必要があるので,できるだけ速やかに提出してください。

採血室

外来B棟とC棟の2階境界付近にある中央採血室では外来患者さんの検査のための採血、採尿コップの供給と翌日の入院患者の採血管払い出しを行っています。採血業務は専任者8名(再雇用臨床検査技師1名、再雇用看護師7名)と臨床検査技師34名の交替制で行っています。受付には医事課から派遣されたクラークが7:30~13:00まで在室し患者さんへの対応を行っています

<中央採血室の特色>

採血時間は8:00~16:00で、採血受付も8:00から行っています。10台の採血ブースは全て車椅子対応で、1日600人~800人の外来患者さんの採血を行っています。またベッドでの採血が必要な患者さんにはベッド採血も行っています。外来患者さんが特に多い火曜日と木曜日は7:30から9~10人体制で対応し、可能な限り混雑緩和に努めています。

<採血の流れ>

採血・採尿受付は2台ある自動受付機に患者さんご自身で診察カードを入れることにより行われます。採血がある場合には番号が記された採血整理券が、採尿がある場合には採尿コップが出ます。採血はご自分の整理券番号がアナウンスされるまで待合室でお待ちください(他の予約検査等がある場合は、そちらを優先していただき、戻られた際は受付クラーク、または採血室スタッフへお申し出ください)。
採尿は専用の採尿トイレで行い、トイレ奥にある尿提出窓口へご提出ください。患者確認は整理券に記されたバーコードを採血台設置のディスプレイで照合し、さらに氏名、生年月日を患者さんご自身でお伝えいただきます(氏名、生年月日をお伝えいただけない場合は、採血を実施することができません)。その他、予め外来等から渡された追加採血管の有無、アルコール消毒の可否等もお尋ねしますので、ご協力をお願いいたします。

外注検査

外注・治験検査室では以下の業務を行っています。
・外注検体の受付、前処理、委託業者への検体引き渡し、検査結果取込
・外注検査に対する問い合わせ、要望への対応
・新規外注検査項目導入に関する手続き処理
・外注検査の検査方法、基準範囲変更時の対応
・治験検体受付、処理、保管
・時間外に提出される治験検体処理の宿日直者への対応

<外注検査>

約900項目の検査項目を扱っており、1日の検体数は500~700件です。
委託項目は臨床検査外部委託委員会で承認されます。
委託先は検査精度及び検査結果の信頼性に関して東北大学病院臨床検査外部委託委員会の審査基準を満たした業者に入札で決定しています。
臨床からの種々の問い合わせも多く、検査に関する幅広い知識が不可欠です。
年度途中の新規依頼項目は、入札で委託業者を決めており、年間10~20項目の新規申請依頼があります。

<治験検体処理>

1日あたり10~30件の治験検体処理を行っています。
前処理時間を要し、1検体あたりの処理本数が増え、治験処理がより煩雑となってきています。
治験処理後の検体は24時間温度管理された治験専用の冷蔵庫、冷凍庫で保管しています。

生化学・免疫検査室

血漿(左)、血清(右)

生化学・免疫検査室では、生化学検査(肝機能、腎機能、脂質、血糖など)、感染症検査、ホルモン検査など100項目以上の検査を行っています。これらの検査結果から患者さんの治療方針が決定されます。
生化学・免疫検査室では、検査に自動分析装置を使用し1日で1000本以上の検体を迅速に測定することができます。生化学・免疫検査室ではコントロール試料を測定することにより日々の精度管理を行い、検査結果の正確性を保っています。
検査は、患者さんの血液を遠心機に投入し遠心分離をします。遠心分離をすることにより上清に血清や血漿に分離され、生化学検査ではこの血清や血漿を用いて検査を行います。

検査項目紹介

・肝機能検査・・・AST、ALTなどがあります。これらは肝臓にある酵素で肝臓に障害のとき高値となることがあります。
・腎機能検査・・・尿素窒素、クレアチニンなどがあります。これらは腎機能が低下したとき高値となることがあります。
・脂質検査 ・・・総コレステロール、LDLコレステロールなどがあります。LDLコレステロールは高値になると動脈硬化を引き起こしやすいと言われています。
・血糖検査 ・・・血糖やHbA1cの検査があり、糖尿病では高値となります。
・感染症検査・・・肝炎ウイルス、その他ウイルスなどの存在を調べる検査です。肝炎ウイルスにはB型肝炎、C型肝炎などがあります
・ホルモン検査・・体内に微量に存在するホルモンを調べる検査です。甲状腺ホルモンがよく知られています。甲状腺ホルモンは喉もとにある甲状腺から分泌されるホルモンで、新陳代謝に深く関わっています。

血液検査室

<血球算定・血液像>

血液細胞は、主に骨髄から産生され分化・成熟を経て末梢血液中に動員されます。血液細胞は大きく分けて赤血球、白血球、血小板に分類されます。

赤血球
細胞の中にヘモグロビンというタンパク質を有し、肺から各組織へ酸素を運ぶはたらきをする細胞です。赤血球が減少すると貧血、増加すると多血になります。
白血球

 

白血球は好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球に分類され、体内に侵入した細菌やウイルス、アレルギー物質により体で免疫反応が起こると、消化・分化、抗体産生などそれぞれの機能を発揮し体を守るようにはたらく細胞です。

 
血小板

血管が損傷した場合、その損傷部位に集まって粘着・凝集し出血を防ぐためにはたらく細胞です。
血小板が減少すると止血しにくくなります。血管の損傷とは無関係に血管内で固まり、血栓の原因になることもある細胞です。

血球算定は自動血球計数装置で測定され、白血球数、赤血球数、血小板数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値を調べる検査です。貧血や炎症などをはじめ、あらゆる疾患のスクリーニング検査として行われます。炎症性疾患や感染症などの病態把握、化学療法などの治療によるモニタリング、また手術前検査としても行われます。

自動血球計数装置 XN-9000(sysmex社)

血液像は白血球分画(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)、血液細胞形態を調べる検査で多くは自動血球計数装置により測定されますが、装置では検出できない細胞形態の変化や異常細胞の検出、詳細な細胞分類は血液塗抹標本を作製し、顕微鏡下で細胞を観察します。当検査部には認定骨髄検査技師1名と認定血液検査技師4名が在籍しており、専門的な知識と目で検査することで重篤な疾患を一早く検出し治療へつなげるよう努めています。

               血液塗抹標本         血液像

<凝固・線溶系検査>

自動凝固分析装置 

CS-5100(sysmex社) 

 

出血を止めるために血液が固まる(止血栓をつくる)働きを「凝固」、固まった止血栓を溶かし分解する働きを「線溶」といい、生体内では両者がバランスよく機能しています。これらの働きを測定する凝固・線溶系検査は、出血および血栓症の原因や病態把握、治療効果の判断やモニタリング、手術前検査などで行われます。

<骨髄像>

血液検査により血液疾患が疑われる場合に骨髄検査が行われます。骨髄は骨の中にあり、血液細胞のもとである造血幹細胞から種々の段階に分化・成熟した細胞がいる場所で、成熟した血液細胞は末梢血中に動員されます。骨髄を工場、末梢血を店と例えると、図のような生産と消費のバランスが保たれています。末梢血で細胞が必要になると骨髄での産生がアップします。骨髄で産生がダウンすると、末梢血の細胞は寿命とともに減少していき、血液細胞が少なくなります。また白血病など異常な細胞が骨髄で増加すると、正常な細胞が作られず血液中の細胞が減少し、異常な細胞が末梢血中に出現します。

骨髄と末梢血の関係

骨髄より採取した骨髄液から有核細胞数と骨髄巨核球数を算定し、また骨髄塗抹標本を作製します。作製した標本を顕微鏡下で観察し、造血の状態、末梢血中に供給される各細胞の成熟・分化、異常細胞の出現・増加の有無を検査します。白血病や各種貧血をはじめとする血液疾患や癌の骨髄転移などの診断,病期の決定,治療の効果判定においてとても重要な検査です。

骨髄塗抹標本       骨髄像        

<細胞表面マーカー検査>

細胞表面マーカー検査はフローサイトメーターを用いて検査します。血液細胞は、その細胞を特徴づける抗原(表面マーカー)を細胞膜表面に有しています。細胞にレーザーを照射することで生じる散乱光の情報と細胞抗原にモノクローナル抗体を反応させレーザーにより発光させて得られる情報をもとに解析します。顕微鏡では判定の難しい詳細な細胞分類や異常細胞の特定に利用され、リンパ球サブセット検査や造血器腫瘍の診断に必要な検査です。

フローサイトメーター                                  

染色体検査室

ヒトの染色体は父親由来と母親由来の23組(常染色体が1-22番2本ずつと性染色体XおよびY)から成り立ちます。
染色体検査は生殖細胞系列検査と体細胞系列検査があります。生殖細胞系列検査は先天性疾患が疑われた場合や、習慣性流産や不妊症の原因検索を目的として行われます。体細胞系列検査は白血病や腫瘍の診断、治療方針の決定、予後の推測を目的として行われます。

G分染法

材料は末梢血や骨髄液
染色体専用培地で体細胞系列検査1日培養・生殖細胞系検査3日培養します。分裂阻止剤(コルセミド)を添加し分裂中期の細胞をカルノア固定し、スライドガラスに展開ギムザ染色を行い20細胞分析します。

FISH法(Fluorescence in situ hybridization)

材料は末梢血や骨髄液
培養は行わず間期核の細胞をカルノア固定し、スライドガラスに展開目的のプローブを使用して、遺伝子の融合や欠失を蛍光シグナルで検出します。

生殖細胞系列検査

ダウン症候群             47,XX(orXY),+21
クラインフェルター症候群       47,XXY
ターナー症候群            45,X

体細胞系列検査(造血器腫瘍)

慢性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病   46,XX(orXY),t(9;22)(q34;q11.2)
急性骨髄性白血病(M2)        46,XX(orXY),t(8;21)(q22;q22)
骨髄増殖性疾患(MDS)         47,XX(orXY),+8

 正常女性             正常男性

  クラインフェルター症候群         ターナー症候群            ダウン症    

左:クラインフェルター症候群
中央:ターナー症候群
右:ダウン症

分析モニター

微生物検査室

・肺炎、下痢、敗血症など微生物によって起こる感染症はさまざまです。
・微生物検査室では感染症が疑われる部位から採取された検体を用いて原因となる微生物を検出し、
有効な薬剤を検索します。
・薬剤耐性菌の検出状況や院内環境を監視することで、院内感染対策を強化する役割も担っています。

<一般細菌塗抹顕微鏡検査>

・患者さんから採取した検体より標本を作製し、Gram染色を行って顕微鏡下で観察します。
・細菌の染色性(青色・赤色)、形態(丸い・四角い・ブドウ状・連鎖状など)により菌種の推定が
可能です。
・白血球などによる炎症反応の有無も確認できます。
・迅速性に優れた検査です。

 

<一般培養・同定検査>

・感染症の原因となる細菌を見つけるために必要に応じた寒天培地に検体を塗り、通常24~48時間
培養を行います。無菌検体や真菌など目的とする病原菌の種類により培養期間を延長します。

 

・発育したコロニーの色調や性状などから細菌を同定(菌の名前を決める)します。

・当院では質量分析装置を用いて細菌のタンパク成分を分析することで迅速な菌種同定を
行っています。

<薬剤感受性検査>

・培養・同定検査で感染症の原因菌が検出された場合、薬剤感受性検査(どの薬が効果があるか)
を行います。
・抗菌薬の存在下で細菌を培養し、発育状況をみて有効な薬剤を判定します。 

<迅速抗原検査>

・専用の迅速診断検査試薬を用いて感染症の原因細菌、ウイルスを簡易的かつ迅速に検出します。
・培養に時間を要する細菌感染の診断、また培養では検出できないウイルス感染の診断の補助的な検査として用いられます。

遺伝子検査室

遺伝子は、からだに必要なたんぱく質を作るための『設計図』です。
遺伝子検査技術は、ヒトの細胞や微生物(ウィルス・細菌)の遺伝子を増幅することで、高感度・特異的に目的の遺伝子を検出することができます。
遺伝子検査室では、造血器腫瘍と微生物の遺伝子検査を行っています。

<造血器腫瘍>

ヒトの1つの細胞には、約60億塩基対のDNA(遺伝子の種類)が存在しており、特定のがんでは遺伝子異常と深く関連することが分かっています。原因遺伝子を調べることで、病気の診断、治療選択、治療効果の判定に役立てることができます。

<微生物>

微生物関連では、血液中のウィルス遺伝子を検査しています。また、微生物検査室で患者さんの検体から薬剤耐性菌が検出された場合、細菌の遺伝子から耐性タイプを調べることができます。さらに、一般的な方法で細菌同定が難しい場合は、遺伝子配列を調べることで菌名を推測するなど、通常の検査とは異なる補助的な仕事もしています。

クリーンベンチ

ウィルス遺伝子定量

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