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東北大学病院

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精神科

対象疾患と診療内容

統合失調症、気分障害(うつ病、躁うつ病)、神経症、認知症、てんかん、睡眠障害、児童思春期の精神障害など精神科領域全般にわたり広い範囲の精神疾患を取り扱っています。精神疾患は身体的要因から心理社会的な要因まで、また、胎生期から現在に至るまでの時間経過が織りなす多様な要因が複雑に影響して生じるものと考えられています。一方、身体的側面を評価するために検査を適宜行う必要がありますが、現在のところ、客観的に病状の評価を行うことが困難なことが多く、ご本人や周囲の方のお話を丁寧に伺い、様子を診させて頂くことで、診療を進める側面が多くなります。また、治療も、薬物療法、精神療法、社会環境の調整など多角的に行う必要があります。慢性の経過をとることも多く、時間とともに病態や治療方針も変わります。従って、地域の精神科医療機関で診療を進める中で、専門的な検査、評価、治療を行う必要が生じることや、慢性の経過の中で診療方針を見直すことが有効なことがしばしば生じます。大学病院は、様々な専門的バックグラウンドを有する多くの医師が、最先端の施設・設備、世界から最新の精神医療情報が集約される中、地域精神医療と緊密に連携しながら診療に当たっているという環境を活かして、専門的な検査、評価や治療を行う必要がある際や、診療方針を見直す際に、医療機関から紹介を頂くことで、医療圏の患者さんが余すことなく、最新・最善の医療を選択できる体制を支えて参ります。一般外来の新患日は月・水・金で完全予約制となっていますので、必ず医療機関によるご予約の手続きを行っていただきますようお願いいたします。尚、専門外来については電話でお問い合わせください。以下は、当科で主に診療を行っている精神疾患と専門外来についての説明です。

統合失調症

全世界で共通してみられる、心の病気の中でも重要な病気です。この病気にかかる人の数は、約100人に1人と言われ、決して稀な病気ではありません。「正体不明の声(幻聴)」や、「周囲の出来事が自分に関係しているという悩み(関係念慮)」などが出現し、不安になり夜も眠れなくなり、精神のバランスを崩してしまいます。しっかりと治療することで、回復が促進されることが知られています。近年は、早期段階での治療が注目されており、当科では全国に先駆けて下記SAFEクリニックによる専門診療に取り組んできている他、一般的な治療で改善が得られない難治性の統合失調症に対する治療にも取り組んでいます。

SAFEクリニック(完全予約制:水)

SAFEクリニックは、思春期や青年期にあたる若者(中学生~30歳代)、特に統合失調症をはじめとする精神症(Psychosis)を発症するリスクが高まった状態(こころのリスク状態、At-Risk Mental State : ARMS)にある方を主な対象として専門診療と研究活動を行っています。
こころのリスク状態の方には、専門的な詳しい評価や検査を行い、適切な診断や治療を行います。
不安やうつのある思春期・青年期の方の診察も受け付けており、こころのリスク状態にあるかどうかを含めた詳しい評価を行います。
診察は完全予約制となっております。
研究では、現在、16歳~39歳のARMSもしくは初回エピソード精神症(First Episode Psychosis : FEP)の方を募集しています。
SAFEクリニックについての詳細は、専用のホームページをご参照ください。

精神科デイケア

当科では統合失調症などを患っている方が利用できるデイケア(定員14)があります。
デイケアではプログラムや集団での活動を通して、生活リズムを整えたり、人との付き合いを振り返ったりしながら、メンバーの一人一人が次の目標に向かうためのサポートをしています。

気分障害(うつ病、躁うつ病)

気分の落ち込み、意欲の減退、食欲不振、不眠など、ひどい時には自殺願望を伴ううつ状態を繰り返すうつ病と、うつ状態に加えて気分が高揚し行動にまとまりがなくなったり、少しのことで腹を立ててしまったりするような躁状態とを繰り返す躁うつ病などがあります。症状が軽い時には病気に気づかないことが多いので、早めに気づくことが重要です。こちらも、副作用の少ない薬が次々に開発されています。

神経症(不安障害)

普通の人には何でもないようなことが耐え難い恐怖を呼び起こすような恐怖症、意識から振り払おうとしてもどうしても消すことができないという強迫観念を持ってしまうような強迫性障害、社会的な場面で極度に不安に陥る社交不安障害、突然に強い不安感が襲ってくるパニック障害などがあり、日常生活が著しく制限されてしまうような病気です。

こどもの精神障害

こどもにおいても、不安、気分のおちこみ(うつ)、チック障害、遺糞症や遺尿症などの排せつ障害、吃音(どもり)、緘黙(家では話すのに、学校で話せない)、学校での不適応、トラウマによる情緒や行動の障害などのこころの問題がおこることがあります。
こども外来(完全予約制:月)

こころの悩み、行動の問題、発達の問題やその疑いのあるお子さんの診察や治療を行っています。乳幼児期から児童期(小学生まで)の方が対象です。完全紹介予約制となり、再来も予約制となります。対象疾患や症状については、<こども外来>をご覧ください。

診療の特色

精神科病床を有する総合病院は宮城県では少ないため、当科は大半の精神疾患の治療が可能です。学会専門医の資格を持っているものがおり、また精神保健福祉法を遵守した治療および研修医への指導を行っています。
近年は、精神疾患の早期介入に取り組んでおり、特に統合失調症などの早期段階や、そのリスクが高いこころのリスク状態(at-risk mental state)についての専門診療を行っています。医師、看護師、心理士、精神保健福祉士などのチームによる専門診療によって、早期段階の診療に適した心理プログラムや心理カウンセリング、専門的な検査や評価などを行っています。2005年からは専従の臨床心理士と看護師を配備し外来デイケアを立ち上げました。特に入院された方がより早期に退院し早期に社会復帰できるように、様々なプログラムを用意して支援しています。これによって外来・入院での急性期治療から社会復帰までを一貫して大学病院で扱えるようになりました。
うつ病や不安障害については、適切な薬物療法を行うとともに、研究を目的とした認知行動療法や対人関係療法などの心理療法についても診療の一部に導入しています。
また、内科や外科などに入院中の方で精神的安定を保つためあるいは精神的に調子を崩された方に対しての「コンサルテーション・リエゾン精神医療」の需要も急増しており、コンサルテーション・リエゾンチームを編成し入院中の身体疾患をもつ方の精神障害の予防、早期発見・早期治療も積極的に行っています。
最近は児童の心の問題がクローズアップされていますが、当科でも児童思春期の精神疾患の診療グループがあり、臨床心理士も加わり心理療法などを行っています。宮城県立精神医療センター、東北福祉大学せんだんホスピタル、宮城県立こども病院、宮城県子ども総合センター、児童相談所、発達相談支援センター等と連携をとりながら、この地域での治療ネットワークを作りつつ、児童精神科医の育成に力を注いでいます。

特殊検査、高度先進医療、研究

当科が直接手がける高度先進医療はありませんが、移植医療においては臓器のドナーおよびレシピエントに対する術前後の心理評価の依頼が急増しており、他科の高度先進医療をバックアップする立場にあります。また、大学の倫理委員会の許可を得て「SAFEクリニック」を立ち上げ、精神病などのこころの病が軽いうちに早期発見・早期治療を行う試みを日本で先駆けて開始しするとともに、様々な研究・調査を行っています。
精神科の検査には、心理検査(性格検査、知能検査など)、神経心理検査(記憶検査など)、脳波検査、脳画像検査(CT、MRI、SPECT)があり、必要に応じて行われます。

年間症例数

症例数:外来

当科の外来は、外来棟3階にあります。通常は、担当する主治医の外来担当日に定期的に通院することができる患者さんが対象で、予約制を原則としています。一般の新患日は月、水、金の3日間に限定しています。専門外来の新患日は、別に設定されておりますのでご確認ください。
令和元年度は年間1138名の新来患者、一日平均約110名の再来患者を診察いたしました。新来患者においては、若い世代の受診が多いですが、その他の年代も幅広く受診しています。初診時診断では神経症圏が最も多く、次いで気分障害圏、統合失調症圏と続き、その他に小児思春期精神障害、摂食障害、周産期の精神障害などの診察をしております。

症例数:病棟

当科の病棟は、西病棟13階にあり、40床を有しています。病棟は閉鎖病棟で、病気の急性期の治療や身体合併症の治療などが行われています。なお、病棟の入り口には鍵がかかっていますが、患者さんを保護するためのものです(例えば、自殺などの不慮の事故を防ぐ)。症状が良くなればできるだけ自由に出入りできるように配慮していますし、精神保健福祉法という法律のもとで患者さんの人権は守られますので、ご安心ください。平均的な入院期間は1~2ヶ月です。
令和元年度の入院患者数は年間170名で、疾患別では統合失調症圏、気分障害圏が多いです。年齢構成は40代が多く、最近は若い世代の患者が多く入院しています。平均在院日数は71日です。

新患、新入院患者数(2022年度)

新患数 403人
新入院患者数 174人

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