東北大学病院

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咬合回復科

科長あいさつ

教授 佐々木 啓一

咬合回復科は、昭和44(1969)年に設立された旧第二補綴科を母体とし、40年近くの歴史を有する診療科です。初代の科長は根本一男教授(昭和44月4月~53年11月)、2代科長が鹿沼晶夫教授(昭和54年5月~平成11年3月)でした。私、佐々木は、平成12年2月から第3代の科長を務めております。平成14年度の診療科再編により、高齢期の患者さんの口の健康の回復、保全を図る診療科である口腔回復系診療科の一部門、咬合回復科として改組され、現在に至っております。

 本診療科は、補綴歯科治療により「咬み合わせ」を回復することを専門とする診療科です。「咬み合わせ」の回復のため、金属製あるいはセラミックス製の被せ物(クラウン)によりウ蝕や外傷によって欠けてしまった歯の部分的な欠損を再建したり、固定性あるいは取り外し式の義歯によりウ蝕、歯周病、外傷あるいは腫瘍などにより失われた歯、歯ぐきを再建します。チタン性の人工歯根を顎の骨に植え込み、それを支えにして歯の形を回復する歯科インプラント補綴治療も担当しております。

 補綴(ほてつ)とは、「補綴とは、詩文を作る際に古句などを綴り合わす」ことを示す漢語であり、広くは「破れたところを補い綴り合わせる」ことをいいます。歌舞伎や浄瑠璃などの台本は、世の中の変化に対応して、上演のたびに「補綴」され、鶴屋南北などの作者の名前、演出者の名前とともに、補綴者の名前も脚本には記されております。医療面では、体の一部を失った際に、人工的な装置、すなわち補綴装置によりその欠損を回復する治療を「補綴治療」と称します。したがって義肢、義手、義眼なども補綴装置です。補綴歯科治療は、歯や口の補綴治療の総称です。

 私どもの診療科では、このような補綴歯科治療により、失われてしまった歯や口の一部を歯科補綴装置により再建することによって、歯列、顔貌などの形態の回復とともに、「食べる」、「しゃべる」、「味わう」という人間にとって大切な口の機能の回復、保全を図り、患者さんも生活の質(クオリティオブライフ)の向上、豊かな生活の保障に貢献することを目的とします。治療の理念としては、私ども東北大学歯学部の建学以来の理念でもあります、個々の歯を対象として治療を行うのではなく、患者さんの口全体を一つの器官として考え治療する「一口腔一単位」、さらに口のみではなく患者さんを対象とする患者中心の全人的な歯科医療の理念に基づき、患者さんの全身的な健康、生活面、さらには心理面をも包含した視点からの補綴歯科医療を提供することを掲げております。

 義歯は、非常に長い歴史を有する人工臓器であり、我が国では室町時代の後半に作られた黄楊製の義歯が現存しておりますし、アメリカ合衆国の初代大統領ジョージワシントンも総義歯を装着していたこともよく知られています。構造的には人口の歯、歯ぐき、そして維持を取るための金属部等から成る簡単なものですが、咬む機能や話す機能、そして感覚などを満足させるうえで義歯に求められる精度は非常に高く、その治療に際しては口の感覚や機能に対する深い理解と高度な技術を必要とします。私どもの診療科では、一般の歯科診療所等では対応することが難しい患者さんに対し、診療所の歯科医師の先生方、他科の医師、歯科医師の先生方との連携を取りながら、より高い専門性に基づいた補綴歯科治療を提供することを心がけております。

 また科学技術の進歩が著しい現在、新治療技術、新素材を積極的に導入し、患者さんの要望にさらに対応しうる補綴歯科治療の開発、最新の治療の提供にも力を注いでおります。さらに明日の歯科医療を担う若手歯科医師の育成にも積極的に取り組んでおります。

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