病棟 | 東病棟 10F | 外来 | 外来診療棟C 4F |
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外来受付 | Tel : 022-717-8330 | 独自webサイト | - |
対象疾患 | 周術期等口腔支援/周術期等治療後に特に医学的配慮が必要な方に対する口腔管理/口臭 |
当科で実施している保険診療
- 医科の手術や化学療法等を受ける際に必要となる歯科治療と口腔の管理(周術期等口腔機能管理)
(むし歯や歯周病の応急処置、義歯修理、全身麻酔時に使用するマウスピース製作、口腔粘膜のケア、口腔衛生指導など) - 周術期の治療後も継続して医学的配慮が必要な方に対する口腔の管理、およびその支援に必要な歯科治療
*詳細はお問い合わせ下さい。
特色
大学病院で医科の治療を遂行する際、お口の状態を良好に保つことはとても大切です。特に頭頸部の手術や放射線治療、抗がん剤などを用いた化学療法、造血幹細胞移植などでは治療が長期に及び口腔への影響も大きくなります。当科では治療に伴う口腔粘膜炎などを未然に防ぐため、治療開始前からお口のクリーニングを行い治療スケジュールに合わせたご自身での歯磨き方法や保湿方法などをお伝えし、治療中もお口の管理を継続します。医科の治療終了後はできるだけ早く地域のかかりつけ歯科医院のもとへ経過報告と共にご紹介することを心がけています。
保険外診療とはなりますが、口臭でお悩みの方への診療も行なっています。機器検査と人の嗅覚を利用した検査を行い、結果に基づいた専門的な助言と指導を行います(コロナ禍のため人の嗅覚を用いた検査は休止しております)。
対象疾患と診療内容
1.周術期等口腔支援
抗がん剤治療の方・頭頸部放射線治療の方・造血幹細胞移植を行う方へ
抗がん剤による治療、頭頚部領域のがんに対する放射線治療、造血幹細胞移植を行う場合は、お口に様々なトラブルを生じることがあります。口内炎などで痛みがでた場合、重症になると食事をすることが難しくなり、さらには治療を中断しなければならないこともあります。このようなトラブルは日頃からのお口のお手入れによって、ある程度改善できる可能性があります。必要に応じて専門的な治療や口腔粘膜保護材の使用も検討します。お口のトラブルで医科の治療を中断することのないように、集中的に口腔管理とケアを行い、回復まで支援していきます。
頭頚部腫瘍手術を受けられる方へ
唾液が触れる部分は、口腔や耳鼻科領域、食道から胃への縦隔領域、さらに気管から肺への呼吸器領域です。この部分の手術を行う場合は、手術直前から手術後の回復期までの間にお口を清潔を保ち、唾液中の細菌が少ない状態を維持することが大切です。それによって術後の創部感染の防止につながり、術後経過の安定につながります。これは、誤嚥性肺炎(細菌を多く含む唾液が肺に流れ込んで起きる肺炎)を予防するために口腔ケアを行ってお口をきれいにすることと同じ理由です。手術によってお口の形態と機能が変化するため、お口をきれいにすることが難しくなる場合もありますが、その状態に合った清掃器具や保湿剤などの口腔ケア用品を選択し、使用法をお伝えします。術後のお口を清潔に保ち、術後感染を防ぐように支援いたします。
2.周術期等治療後に特に医学的配慮が必要な方に対する口腔管理
手術あるいは化学放射線治療などの後で特に医学的配慮が必要な方に対しは、体調に合わせたお口の管理、およびその支援に必要な歯科治療(むし歯、歯周病、義歯修理等に対する歯科診療等)の実施やマネジメントを行なっています。日常のケアを看護・介助する方も交えて、患者さんに合わせた清掃器具や歯磨剤、保湿剤などの口腔ケア用品を選択し使用法をお伝えします。
3.口臭
当科では口臭が気になる方のために、1980年に口臭外来を開設し、口臭でお悩みの方の診療と支援を行っております。この口臭に関する診療は、保険外診療(自費診療)となります。
口臭の診断には、当科で開発した、簡便に口臭検査を行える半導体ガスセンサ式口臭測定装置「ブレストロン」や、ガスクロマトグラフィなどを使用し、臭い成分を分析します。
口臭測定検査などの自費料金
①ガスセンサー検査:1,470円
口内気体中の揮発性硫黄化合物の全体量を数値で示します。
②ガスクロマトグラフィー検査:5,160円
口内気体中の揮発性硫黄化合物などの気体を分離・測定します。
③口臭官能検査:1,990円
複数の検査者が嗅覚を使って口臭の強さと内容を評価します。
口臭相談:3,930円
検査結果をもとに専門的な助言と指導を行います。
*上記に伴い期待される効果と限界
検査を行うことで、口臭を客観的に測定することができます。
本当に口臭があればその臭いの強さがわかります。実際の口臭は少ない場合、口臭があると思い込んでいることが判明する場合もあります。
検査時点での測定結果は、生活リズムや体調により変動します。
*予測される合併症と危険性
侵襲のない検査です。
4.地域歯科医療連携
当科は、お口の健康を守る要として、歯科部門の他の診療科や医科部門との協力のみならず、地域の歯科医療・健康福祉施設とも連携を行い、生涯を通したお口の健康を支援します。
年間症例数、外来患者新患数
外来患者新患数(2023年度)
新患数 |
721人 |
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コラム
歯垢の正体は何?
お口の汚れは、毎日歯みがきしてきれいにしていると思います。それでは、お口の汚れは何でできているでしょうか。歯に付いた白いネバネバの歯垢は、皆さまは食べカスと思っている方が大多数です。食べカスでしたら、食事をした後に沢山付いていて、時間が経つとだんだん無くなってくるでしょう。しかしながらそうではなく、歯垢は歯みがきをしないでいると時間と共に増えてきて、とても気持ち悪くなってきます。実は歯垢は、歯の表面に育ってきたもの、歯の表面に付着した微生物の塊なのです。歯みがきをしっかりしないと付着する歯垢は、100%微生物の塊であり、微生物の濃度に関しては便の微生物の濃度と同じくらいです。このお口の汚れである歯垢が沢山付いていると、剥がれて唾液中に微生物が沢山浮いています。便と同じくらいきたない微生物が浮いた唾液が病気のある部分や手術した部分に触れた場合、病気や手術後の治りが良くないことが多くの研究が明らかにしています。
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