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東北大学病院

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放射線診断科

診療内容

CT(computed tomography, コンピュータ断層撮影)

CTはX線を被検者の周りから回転するように照射して人体の横断面(輪切り)を撮影する装置です。当院では高速なマルチスライスCTを導入していますので、全身を15秒程度で撮影できます。造影剤を静脈投与して血管を撮影するCTアンギオや3次元画像による手術計画なども行っています。高速撮影が可能なため、常に動いている心臓の冠動脈の描出などもできます。もちろん、放射線被ばくを最小限にしながら良好な画像が得られる様に工夫しています。

[画像の説明]

冠動脈CT。右冠動脈の狭窄が明瞭に描出されている(黄矢印)。

[画像の説明]
肺血栓塞栓症の診断のために2管球CTで撮像した症例。肺動脈の3D画像と灌流画像の融合画像。
肺動脈の形態と、肺の灌流の関連を正確に判断することができる。上肺野に灌流低下が疑われる (赤矢印)。

MRI(magnetic resonance imaging, 磁気共鳴画像診断法)

MRIは強力な磁石と電波を用いて、人体のあらゆる部位の断層画像(輪切り、縦切りなどの断面像)を撮影する装置です。全身どこでも撮影できますが、特に、脳、脊髄・脊椎、関節、子宮や前立腺などの病気の診断に有用です。CTなどと異なり、X線被曝はありません。
MRIでは、単純な断層画像だけでなく、以下の様な特殊な撮影法や表示方法もあります。

a) MRA(Magnetic resonance angiography, MR血管撮影)

MRIで血管の画像を撮影する方法です。造影剤を使用せずに血管の画像を得ることができます(血管の部位によっては、造影剤を使用しないと十分に描出できないこともあります)。この方法で、血管の狭窄・閉塞(細くなったり、詰まったりしている所)、動脈瘤(血管のコブ)、血管奇形などを検索できます。

[画像の説明]
脳のMRA(下から見たところ)。
右中大脳動脈に動脈瘤を認める(白矢印)。脳底動脈先端部にも小さな動脈瘤を認める(黄色矢印)。

b) 拡散強調像

拡散強調像は体内の水分子の拡散を強調した画像で、脳梗塞の診断で特に威力を発揮します。通常のMRIでは検出困難な超急性期の脳梗塞病変もはっきりと描出されるため、早期に診断して治療を開始することができます。また、腫瘍の診断にも利用されています。

[画像の説明]
超急性期の脳梗塞症例。
通常のMRIのT2強調像(A)ではほとんど異常を指摘できないが、拡散強調像(B)では左大脳半球に高信号(白い)病変(黄色矢印)が認められる。同時期のMRA(C)では左中大脳動脈の描出が途絶し(黄色矢印)、閉塞していると考えられる。

c) 3D画像

撮影した画像から、病変や血管などの色をかえて表示したり、立体的に表示したりすることにより、病変と正常構造の位置関係が分かりやすくなります。こういった表示方法を用いて画像を解析したり、手術支援に役立てています。

[図の説明]
3D画像では、腫瘍(緑)と脳実質(グレー)・骨(白)・血管(その他の色)との関係が明瞭に分かります。様々な方向(A. 下, B. 前. C. 横)から観察することができ、手術計画にも役立ちます。

d) MRCP(Magnetic resonance cholangiopancreatography, MR胆管膵管撮影)

水の信号を強調することで胆嚢、胆管、膵管を描出する方法です。胆石症、胆管結石症や胆管がん、膵臓がんなどで、胆管が細くなったり詰まったりした場合、その部位や病変の進展範囲などを見るために用いられます。同じ原理を用いてMR urography(MR尿路撮影)やMR myelography(MR脊髄撮影)も撮影されます。

[画像の説明]
胆嚢や胆管、膵管が描出されている。

血管撮影とインターベンショナル・ラディオロジー(IVR, 画像下治療)

血管撮影は、カテーテルという細い管を血管内に挿入し、造影剤を投与して、血管を映し出す方法です。通常は、脚の付け根や肘、手首などの動脈からカテーテルを挿入し、目的とする血管に進め、造影剤を注入して血管を撮影します。

血管撮影などの診断技術を治療に応用した方法がインターベンショナル・ラディオロジー(IVR)です。近年進歩が目覚しく、低侵襲であることを特徴としています。当科では、以下のようなIVRを行っています。

 a)肝癌にたいする塞栓術、焼灼療法、頭頚部癌、膀胱癌などに対する抗ガン剤動注療法、転移性肝癌などへの動注システムの造設
 b)血管閉塞・狭窄病変の治療として血管形成・拡張術、ステント留置術
 c) 子宮筋腫に対する子宮動脈の塞栓術
 d) 喀血、動脈瘤(脳動脈、大動脈以外)や外傷などによる動脈性出血での血管塞栓術
 e) CTや超音波ガイド下に生検やドレナージ
 f) 骨粗しょう症や骨転移に伴う椎体の圧迫骨折に対する椎体形成術
 g) 腫瘍に対するラジオ波焼灼術(RFA)
 h) 腎癌に対するCTガイド下凍結凝固手術

[図の説明]
左総腸骨動脈の閉塞症例に対する血管形成術。左:CTアンギオの3次元画像(正面像)。左総腸骨動脈が完全に閉塞している(黄色矢頭)。右:IVR血管形成術後の血管造影(DSA)正面像。左総腸骨動脈の閉塞部が開通している。 右腎癌に対するCTガイド下凍結凝固手術(模式図)。CTガイド下に凍結用の針を右腎癌(黄色)に刺入し、針の先端部を 超低温にして、がん細胞を凍結・解凍することで破壊する治療法。

[図の説明]
右腎癌に対するCTガイド下凍結凝固手術(模式図)。
CTガイド下に凍結用の針を右腎癌(黄色)に刺入し、針の先端部を 超低温にして、がん細胞を凍結・解凍することで破壊する治療法。

一般核医学検査(radio isotope, RI,シンチグラフィー検査)

この検査ではガンマ線を放射する放射性医薬品を用います。シンチグラフィーとは、体内に分布した薬品が放出するガンマ線を画像にする検査の総称で、CTやMRIよりも歴史があります。投与されるれる放射性医薬品は非常に少量であり、副作用は極めて稀です。用途に応じて異なる薬品を用いて、脳や肺、心臓、腎臓、骨など様々な臓器の代謝・機能を反映した画像が得られます。薬品によって撮影のタイミング、回数が異なり、撮影が数日後になる検査もあります。いくつかのシンチグラフィーの結果を合わせて得られる情報もあります。

PET検査(positron emission tomography, ポジトロンCT)

PETはpositron emission tomographyの略で、PETでは従来のシンチグラフィーとは異なる放射性医薬品を用います。当院ではPETとCTを組み合わせたPET/CT装置を導入しています。

通常の診療ではPET検査の大部分はブドウ糖に類似した製剤である、18F-fluorodeoxyglucose (FDG)を使用して検査を行い、副作用は極めて稀です。FDGは悪性腫瘍、心疾患、てんかん、血管炎の評価に保険適応となっており、それらの評価に用いられています。

当院では最新の半導体検出器を用いた高解像のPET/CT装置も稼働しています。この半導体PET/CTでは、通常のPET/CTよりも精細な画像で全身を評価することができます(比較画像その1・その2)。図の右側の画像が半導体PETの画像ですが、左側の従来のPETと比較して集積の評価を詳細に行うことができます。

[画像の説明]
PET比較画像その1

[画像の説明]
PET比較画像その2

特色

脳・脊髄疾患のMRI診断において先進的な診療、研究を行っています。また、MDCTを用いた診療・研究でも優れた実績をあげています。IVRでは非常に高度なレベルの治療を行っています。具体的にはTIPS、椎体形成術、子宮動脈塞栓術、異物除去、大動脈ステント留置などほとんどのIVR手技を実施しています。市中病院では通常困難なものも数多く施行しています。

主な医療機器、設備

血管撮影装置
  • Infinix Celeve-i INFX-8000V 全身用血管撮影装置
  • Artis zee BC 心臓用血管撮影装置
  • Azurion 7 B12 心臓用血管撮影装置
  • Artis Q 全身用血管撮影装置(手術室)
MRI装置
  • Vantage Centurian 3T
  • MAGNETOM Vida 3T
  • Intera Achieva 3T dStream
  • Ingenia 3.0T CX
  • Intera Achieva 1.5T nova dual
  • Optima MR 430S 1.5T *四肢専用
CT装置
  • Aquilion ONE ViSION Edition 320列
  • Aquilion Precision 160列 高精細
  • SOMATOM Deninition FLASH128列 2管球
  • SOMATOM Definition Edge 128列
PET/CT装置
  • Biograph40 truepoint
  • Discovery MI
SPECT/CT装置
  • Infinia Hawkeya4
  • Symbia-T
SPECT装置
  • Symbia-S
  • Symbia-E
ハイブリッド装置(血管撮影・CT)
  • Infinix Celeve-i INFX-8000C ・AquilionLB (血管撮影室)
  • ARTIS Pheno・SOMATOM Definition AS+ 128列(高度救急救命センター)
マンモグラフィ装置
  • Selenia Dimensions トモシンセシスおよび乳房組織吸引生検対応
  • 3Dmensions トモシンセシス対応

年間症例数

CT MRI 核医学 血管造影

単純X線
写真

平成30年度

40,844

18,881

7,473

2,757

68,217

138,172

令和1年度

41,679

18,172

7,120

2,782

71,096

140,849
令和2年度

40,092

17,256

7,149

2,649

66,226

133,372

診療科より皆さまへ

CT検査を受けられる患者さんへ

CT検査ではレントゲン(X線)を使用しますので、妊娠している(あるいは可能性のある)方は、検査前に担当技師に申し出てください。疾患によっては妊娠していても検査がすぐに必要な場合がありますし、多くの場合、胎児への影響はほとんどありません。
CT検査では、一部の心臓ペースメーカで、ペースメーカの設定が変化する可能性があります。心臓ペースメーカの入っている患者さんは、事前に申し出て、ペースメーカ手帳を呈示してください。

MRI検査を受けられる患者さんへ

MRIでは放射線被ばくの心配はありませんが、磁石や電波を用いているので、心臓ペースメーカのある方は検査を受けることができない場合や、事前にペースメーカーの調整が必要な場合があります。人工内耳などのあるかたも検査を受けることができません。
画像は狭いトンネル状の装置の中に入りますので、閉所恐怖症の方は検査が難しいことがあります。また、撮影中は工事現場にいるような大きな音がするという欠点があります。

造影剤について

CTやMRIでは検査目的によって、血管などを描出するために造影剤という薬剤を注射して撮影することがあります。血管撮影やJVRでは造影剤の使用が不可欠です。
造影剤の投与によって、時に副作用が生じることがあります。吐き気、嘔吐、発疹が多く、通常は軽く自然に治まります。しかし、まれに血圧が低下してショック状態になったり、呼吸困難が生じたりすることがあります。こうした副作用は予測不可能ですが、喘息などのアレルギーの既往のある方に多い傾向が知られています。造影剤を使った検査を行うときには、詳しく説明して、ご同意を戴きますが、アレルギーのある方や以前に造影剤で具合の悪くなったことのある方は申し出てください。

核医学検査を受けられる患者さんへ

核医学検査は放射性薬品を注射して撮影する検査です。放射性物質と聞いて不安に思われるかもしれませんが、放射能の量は少なく、被ばく量もCTや胃の透視よりも少ない程度です。ただし、妊娠している(あるいは可能性のある)患者さんや授乳中の患者さんは、検査前に担当医師や技師、受付に申し出てください。

PET検査を受けられる患者さんへ

FDGを使うPETでは検査前の絶食が必要です。当院では検査の6時間前からの絶食をお願いしています(なお、「心サルコイドーシス」を対象とした検査の場合は16時間以上前からの絶食をお願いしています)。食事 (主に炭水化物) にはブドウ糖が多量に含まれており、検査前に普通どおりに食事を摂取してしまうと、FDGが筋肉に多く集積し、病変へのFDGが集まりにくくなります。病気があってもFDGの集積が少なく、病変がわかりにくくなったり、評価できなくなったりすることがあります。
したがって、FDG PET検査前の絶食は正確な検査を行うために非常に重要です。水やブラックコーヒー、無糖のお茶(ミルク入りはダメ)は飲んでも大丈夫です。
ほんの少量の飴ですら検査に影響するので、誤って口にしてしまったことを申告せずに検査が行われてしまうときちんと評価ができず、患者様にとって不利益になります。誤って糖分を口にしてしまった場合、検査時間や検査日の変更で対応することが多いです。検査が延期になることで、再来院の手間はありますが、適正な検査が行えるようにご協力をお願いいたします。
※ 糖尿病治療中の方は、特別な準備 (内服薬やインスリンの調整) が必要になることが多いです。検査前にあらかじめ主治医にご確認ください。

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