病棟 | 東病棟 13F | 外来 | 外来診療棟A 4F |
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外来受付 | Tel:022-717-7759 | 独自webサイト | 皮膚科 |
対象疾患 | 皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹など)/蕁麻疹/痒疹/皮膚そうよう症/紅斑症(多型滲出性紅斑、結節性紅斑など)/紫斑病 血管炎/褥瘡/熱傷/日光皮膚炎/薬疹/自己免疫性水疱症(尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡)/遺伝性角化症(魚鱗癬、ダリエー病など)/乾癬(尋常性乾癬、膿疱性乾癬)/扁平苔癬/膠原病(全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎など)/しみやあざ(老人性色素斑、日光性色素斑/肝斑/太田母斑/色素性母斑(ほくろ)/扁平母斑 |
診療の特色
皮膚科は皮疹を伴うすべての疾患を扱う診療科です。みなさんは皮疹と聞くとどのような病気をイメージされるでしょうか。すぐ思いつく病気として、アトピー性皮膚炎やじんましん、水虫、にきびなどが挙げられると思いますが、実際に皮膚科で扱う疾患は約2000種類にのぼります。ちょっと気になる皮膚症状で受診され、それがきっかけとなって内臓の悪性腫瘍が見つかることや、膠原病のような全身性疾患が見つかり早期治療に繋げることができることも多く、皮膚科という単一診療科の枠を超えた疾患にも対応しています。このような多様な皮疹の適切な診断や治療のためには専門的な知識が求められます。宮城県・東北地方の中核病院として、当科では地域の医院や病院から紹介された個々の患者さんを適切に診断し、最適な治療を提案するように心がけています。
当科に紹介頂く患者さんのほとんどは、治りにくい皮膚疾患や慢性経過を辿る皮膚疾患、皮疹を伴う難治性全身性疾患を患っておられます。これらの疾患の多くは病態・病気の原因が不明で、その原因を追及する研究や新規治療薬の開発が世界中で行われているのが実情です。このような難治性皮膚疾患、様々な皮疹を伴う全身性疾患に対応すべく、当科では円形脱毛症、皮膚腫瘍、アトピー性皮膚炎、乾癬、白斑症、膠原病、レーザーの各専門外来を設けています。個々の患者さんの症状や生活スタイルに合わせて最適の治療方法を提案し、患者さんと相談しながら治療方法を決めいていくことを当科では大切にしています。特に全身性強皮症(皮膚が硬くなることを主症状とする膠原病)においては早期診断と難治性皮膚潰瘍の治療、そして様々な症状のトータルマネージメントにおいて高い専門性を有しており、リウマチ膠原病内科をはじめ関連各科の先生方と協力して、安全で質の高い医療の提供に努めています。
当科では臨床研究中核病院の一診療科として、患者さんと協力しながら治験(新しい治療薬を試す臨床試験)や皮膚疾患の臨床研究にも積極的に取り組んでいます。慢性皮膚疾患で悩まれている患者さんに適切な治験・臨床研究がある場合には、適宜情報を紹介しています。最適・最新の治療方法の情報をお知りになりたい場合には、近くの皮膚科専門医もしくはかかりつけ医の先生と相談し、東北大学病院皮膚科の受診をご検討ください。当院が掲げる「患者さんに優しい医療と高度先進医療の調和を目指す」という理念を実践することを常に意識し、受診された患者さんの生活の質を重視した最善・最適な皮膚科医療を提供できるように尽力をいたします。
専門外来紹介
脱毛症外来
脱毛症外来は脱毛を来す疾患、特に円形脱毛症を主な対象とした診療を行っており、宮城県内全域のみならず、他県からの患者さんも数多く来院されています。円形脱毛症はその病期と病勢によって最適な治療方法を決定します。急性期で、急激に頭髪その他の毛の脱毛が広範囲に生じている例では短期入院での治療も行っています。外来での治療については、重症の患者さんに使用は限定されますが、最近の新薬の登場によって従来なかなか良い治療法がなかった方にも新しい治療選択肢がご提案できるようになりました。脱毛症はそれ自体が命に関わる疾患ではないものの、精神的な負荷を始めとして生活の質に重大な影響を及ぼす疾患です。同時に、極めて長期に慢性に経過しうる疾患でもあり、地域の皮膚科の先生方とも緊密に連携しながらより良い脱毛症診療を目指しています。
腫瘍外来
皮膚がんの発症率・発見率は、年々増加しています。当外来では、皮膚がんの手術の他、悪性黒色腫(メラノーマ)、皮膚の悪性リンパ腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、血管肉腫、メルケル細胞癌、乳房外パジェット病などの500名以上の患者さんに対して様々な薬物治療を行っています。また、治療後の患者さんも含め年間のべ3000名以上の方が通院され、腫瘍内科、放射線科など他科の先生方とも協力し、東北地方のみならず全国的にも有数の皮膚悪性腫瘍治療の拠点病院として、日々、診療にあたっています。皮膚がんは他のがんと比べて、希少なものが多く、治療法の選択肢が限られる場合があるため、積極的に臨床治験にも参加し、新規治療薬の開発にも力を入れています。患者さんが安心して通院治療できるよう、他の医療スタッフとも連携し、ご家族も含めてサポートする体制作りを心がけておりますので、わからないことや不安なことがありましたら、いつでもご相談下さい。
アトピー外来
アトピー性皮膚炎は、かゆい湿疹を繰り返す慢性の皮膚疾患で、遺伝的素因に悪化因子が加わって発症する疾患です。アトピー外来では、血液検査による網羅的なアレルギー検査、生活習慣に関する問診票調査、心理検査を実施し、個々の患者さんにとっての悪化因子の検索を行い、対策も含めた個別の指導箋を作成しています。薬物療法の主体は外用療法ですが、重要なのは適切な塗布量と正しい塗布方法で実施することです。アトピー外来では、外用療法に精通した看護師が、実際に患者さんに外用薬を塗布しながら外用方法を説明します。再診時には、自宅での外用が問題なくできたかどうかを確認しています。基本治療で症状が十分に改善しない患者さんには、経口免疫抑制薬や分子標的製剤による治療を行い、また、新薬の治験も実施しています。なお、治療が軌道に乗った患者さんについては、お近くのクリニックで治療を継続していただけるよう連携しています。
乾癬外来
乾癬外来では、「いかにして上手に乾癬と付き合い、コントロールするか」を共に考えていきます。そのためには、乾癬のタイプ、合併症や既往症、生活習慣や職業などを含めた患者さんのライフスタイルに合わせて、それぞれが継続できる治療方法を選択していくことが重要です。当外来では、生物学的製剤治療を積極的に行っており、幅広い年代の方への投与経験があります。乾癬性関節炎を合併している場合はもちろんのこと、最近では乾癬が皮膚のみならず全身の炎症を惹起するリスク因子として知られるようになり特に心血管イベントとの関連が重要視されていることから、早期の治療介入による病勢のコントロールは非常に効果的と考えています。また、当外来では掌蹠膿疱症、化膿性汗腺炎といった類縁疾患に関しても生物学的製剤治療を行っています。いずれも慢性に経過する疾患でありますが、皮疹を忘れて過ごせる日常生活を目指して、診療にあたって参ります。
膠原病外来
ほとんどの膠原病は皮膚に症状を呈します。このため、膠原病の患者さんが最初になんらかの異常を自覚したとき、最初の受診科として皮膚科を受診することが非常に多くなります。膠原病は、皮膚と同時に内臓の様々な臓器に多彩な症状を呈し、当膠原病外来ではリウマチ内科や他の内科診療科と連携しながら、幅広い膠原病の患者さんの診療にあたっています。特に、皮膚や各種の内臓臓器の線維化を特徴とする全身性強皮症の診療には力を入れており、宮城県内外を含め全国から患者さんが多数通院され、現在当科が厚生労働省の全身性強皮症の研究班を先導する施設となっています。また、新規治験も積極的に実施しており、膠原病の患者さんに常に最新の治療を提供できるように日々努力しております。
白斑外来
白斑外来では、主に尋常性白斑の方の治療を行っております。尋常性白斑は後天性の脱色素斑であり、有病率は0.5〜1%と高く、小児から高齢の方まで幅広い年齢層で発症いたします。また、非常に難治であることも知られており、整容面から多大な心理的負担を及ぼします。当白斑外来では、複数の紫外線照射器を有し、積極的に臨床治験に参加しているため、幅広い治療選択肢が提供可能です。生活指導、外用療法、光線療法(ナローバンドUVB、エキシマライト)、手術療法、カモフラージュメイク療法などを組み合わせて、個々の患者さんに最適な治療を提案し、症状の改善と心理的負担の軽減に努めております。
年間症例数
(2023年2月1日〜 2024年1月31日)
1.新規外来患者数
アトピー性皮膚炎 | 108名 |
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乾癬類縁疾患 | 69名 |
掌蹠膿疱症 | 14名 |
皮膚悪性腫瘍 | |
悪性黒色腫 | 36名 |
有棘細胞癌 | 32名 |
基底細胞癌 | 41名 |
乳房外パジェット病 | 8名 |
円形脱毛症 | 124名 |
尋常性白斑 | 63名 |
自己免疫性水疱症 (天疱瘡、類天疱瘡など) |
41名 |
重症薬疹 (薬剤過敏症症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、 中毒性表皮壊死症など) |
7名 |
全身性強皮症 | 43名 |
限局性強皮症 | 13名 |
皮膚筋炎 | 42名 |
エリテマトーデス | 13名 |
2.主な手術・治療実績
皮膚悪性腫瘍切除術 | 167件 |
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皮膚悪性腫瘍で 薬物療法を施行した患者数 (のべ人数) |
501名 |
皮膚悪性腫瘍に 免疫チェックポイント阻害薬を 新規導入した患者数(治験を除く) |
22名 |
乾癬類縁疾患に生物学的製剤を 新規導入した患者数(治験を除く) |
51名 |
レーザー治療を保険で受けた患者数 (のべ人数) |
286名 |
入院治療を行った膠原病患者数 (のべ人数) |
141名 |
新患、新入院患者数(2023年度)
新患数 | 1,500人 |
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新入院患者数 | 730人 |
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