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東北大学病院

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総合外科 小児外科グループ

特色

(1)各領域の専門家がそろっています

当診療科は、新生児外科、小児消化器外科、小児肝胆道外科、小児呼吸器外科、小児移植外科、小児腫瘍外科、小児内視鏡外科といった各領域の専門家が最先端の医療を行っています。 一方、虫垂炎などの救急疾患やそけいヘルニアや便秘などの頻度の高い日常的疾患にも広く対応しています。

(2)胆道閉鎖症治療のパイオニアです

東北大学の故葛西森夫名誉教授が、世界で初めて胆道閉鎖症その根治手術(葛西手術)を開発して以来、世界有数の豊富な臨床経験に基づき、術前術後管理、合併症の治療を含め、世界の指導的立場にあります。

胆道閉鎖症手術

(3)腸管不全治療を積極的に行っています

短腸症や腸管運動障害といった、腸管機能不全症に対して、様々な治療法を組み合わせた静脈栄養~小腸移植までを一貫した腸管リハビリテーション(機能回復)プログラムを行っています。なお、当院は国内に12施設ある小腸移植実施認定施設にも認定されており、小腸移植は当科が担当しています

小腸移植手術風景

(4)小児に対する低侵襲手術

腹腔鏡や臍部切開による手術など、低侵襲で整容性にも考慮した手術を積極的に行っています

臍部切開による腹部手術後写真

特殊検査

(1)胃食道逆流症に対する24時間食道pHモニタリング

直径約2mmの細い管をお鼻から胃の中まで挿入し、食道と胃内のpHを連続測定することで胃内容の食道への逆流を持続的にモニターできます。胃食道逆流症の診断と治療方針の決定に有用です。

(2)ヒルシュスプルング病の診断のための検査

直腸肛門内の圧力の測定と生理的な反射の有無を調べることで診断する専門的な検査です。その結果、ヒルシュスプルング病が疑われる症例では直腸の粘膜を一部採取して、特殊な方法で染色して顕微鏡で観察して診断を確定します。

主な医療機器、設備

(1)超音波検査機器

お母さん方は赤ちゃんがお腹の中にいるときに皆さま検査を受けたことと思います。痛みを与えず、放射線の被曝もなく、からだの中の様子がわかります。外来診察室でも手軽に行えます。通常の超音波検査では診断が困難な症例でも小児の超音波検査に習熟した放射線科医が行うことで診断可能なこともあり、できるだけCTなどの放射線被ばくや侵襲のある検査を減らすように心がけています。

(2)内視鏡

検査の目的により、胃食道内視鏡、大腸内視鏡、気管支内視鏡などがあります。お子さんの場合には入院の上、全身麻酔下に苦痛のない状態で、より安全に行うようにしています。小腸移植後など粘膜面の詳細な観察には80倍の拡大像が得られる特殊な拡大内視鏡を使用しております。

(3)腹腔鏡

胃や腸、肝臓などが入っているお腹の内部を腹腔といいます。お腹の外から調べる検査でどうしても診断がつかず治療方針が決められない場合には、お 腹の中を直接観察する必要がある場合があります。お子さんの場合には以前はお腹を切って調べていました(試験開腹といいます)。現在は、おへそに約5mmの小さな穴をあけてそこから筒状のカメラ(これが腹腔鏡です)を差し込んで、腹腔の中の様子を観察できるようになりました。観察の結果、治療が必 要であれば、同様の穴を数カ所追加して、器具を挿入して治療する場合もあります。全身麻酔で行います。

対象疾患と診療内容

対象疾患

脳神経、心臓、骨・関節を除いた、以下のような小児の全ての外科疾患を対象としています。

消化管

先天性食道閉鎖症、先天性食道狭窄症、胃食道逆流症、肥厚性幽門狭窄症、先天性十二指腸閉鎖症、先天性小腸閉鎖症、腸回転異常症、腸重積症、メッケル憩室、腸管ポリープ、虫垂炎、ヒルシュスプルング病、肛門周囲膿瘍、直腸肛門奇形、短腸症候群

呼吸器

気管狭窄症、気管軟化症、肺嚢胞症、肺分画症、先天性横隔膜ヘルニア

肝臓/脾臓

胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、遺伝性球状赤血球症、特発性血小板減少性紫斑病、門脈圧亢進症

胸腹壁/臍/鼡径部

漏斗胸、鳩胸、胎便性腹膜炎、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、臍ヘルニア、臍腸管遺残、尿膜管遺残、鼡径ヘルニア、陰嚢水腫、停留精巣

頭頚部

副耳、甲状舌管嚢胞、鰓原性嚢胞、皮様嚢腫、類表皮嚢胞

泌尿生殖器

水腎症、多嚢胞性異形成腎、重複腎盂尿管、腎盂尿管移行部狭窄、尿管瘤、膀胱尿管逆流、膀胱外反症、膀胱腸裂、尿道下裂、包茎

腫瘍

リンパ管腫、血管腫、神経芽腫、ウィルムス腫瘍、肝芽腫、奇形腫、横紋筋肉腫


よくある症状

おうちのかたへ

お子さんについて以下のようなことでご心配なさってはいませんか?私たちがお役に立てるかもしれません。どうぞお気軽に受診、相談ください。

(1)赤ちゃんがしょっちゅうミルクを吐く

体重が順調に増えているようであればあまり心配はありませんが、増えないようであれば病的なおう吐と考えます。赤ちゃんはもともと大人に比べて吐きやすいですが異常に吐きやすい状態を胃食道逆流症といいます。多くは成長とともに吐かなくなりますが手術が必要な場合もあります。また胃の出口(幽門といいます)の筋肉が厚くなっているために出口が狭くなってしまい、生後2~3週頃からミルクを噴水状にピューッと吐く肥厚性幽門狭窄症という病気があります。治療法にはお薬で治療する方法と手術をする方法がありますが、手術の方が効果が早く確実なため、手術が選択されることが多いです。

(2)うんちに血が混じっている

多くはうんちが硬かったためにおしりが裂けて出血したものですが、なかには腸にできものができていて(ポリープといいます)そこから出血するもの、生まれつき腸に胃の粘膜がまぎれ込んでいるために潰瘍ができているものなどがあり、検査が必要な場合もあります。

(3)うんちの回数が少ない/うんちをおもらしする

うんちをおもらしするお子さんの中には便秘が原因になっている場合があります。うんちの大きなかたまりができてしまって自分で出すことができなくなり、それが気づかないうちに少しずつもれて出てくるという状態です。便秘の多くは内服薬や浣腸、排便のトレーニングを行うことで改善するものですが、まれにヒルシュスプルング病という生まれつきの腸の神経の病気のことがあります。手術治療が必要となりますが、多くの患者さんは手術によって改善が期待できます。

(4)おしりのあなの形または場所がおかしいのでは

生まれつきおしりのあなの場所がずれているあるいは狭くなっている病気があります。直腸肛門奇形といいます。明らかにおかしいときは生まれてすぐに気づかれますが、それほどでもないときは見逃され、それが便秘の原因になる場合もあります。

(5)赤ちゃんのおしりのあなのまわりにオデキがある

肛門周囲膿瘍といって赤ちゃんだけにみられる病気です。以前は切って膿を出す治療が主流でしたが、近年は漢方薬によって、切らずによくなることも多くなっています。

(6)赤ちゃんの皮膚が黄色い

写真:胆道閉鎖症の赤ちゃんのうんち

黄疸といいます。うんちの色はどうでしょうか。レモン色あるいはベージュ色のようにうすくはありませんか。肝臓から出てきて便の中に混じってうんちに色を付けている胆汁という液体があります。この胆汁の通り道がふさがっているために、うんちに色が付かなくなり、胆汁が体の中にたまってしまい皮膚が黄色くなる病気があります。胆道閉鎖症といいます。その場合、早期の手術が必要です。

(7)赤ちゃんのおへそがふくれてとびだしている

写真:臍ヘルニア

臍ヘルニアといいます。2歳ごろまでに自然になおる場合が多いですが、治らない場合は手術を行うこともあります。

(8)あしの付け根がふくれることがある

男の子の場合には、おちんちんの横がふくれたり、陰嚢(ふくろ)がふくれたりしていることがあります。鼡径ヘルニアといいます。いわゆる脱腸です。あしの付け根に生まれつきお腹の中とつながっているふくろがあり、このなかにお腹の中から腸や卵巣などが入り込むためにふくれてみえるのです。ふくれ方によっては放っておくと腸がくさってしまうことがありますので、手術が必要です。腸や卵巣などは入り込まないがふくろに水がたまっているものを陰嚢水腫といいます。こちらは自然になおることもあれば手術をすることもあります。

(9)陰嚢(ふくろ)のなかに睾丸(たま)が触れない

停留精巣といいます。放っておくと赤ちゃんをつくるはたらきが失われてしまいます。また正常の睾丸に比べると、将来、腫瘍(できもの)ができる可能性が高いです。1歳ぐらいで手術をする必要があります。

(10)できものがみえるあるいはしこりが触れる

からだじゅうのどこでもできものがあることに気づかれた、あるいはしこりが触れることに気づかれたときには、さぞご心配のことと思います。外から見えるあるいは触れる腫瘤(かたまり)には、生まれつきあるふくろの中にものがたまったもの、リンパ管や血管などが異常に増殖したもの、リンパ節が腫れているものなどが多いですが、もちろん小児のがんであることもまれですがあります。早急に治療が必要な場合もありますのでどうぞご相談ください。

年間症例数

(2023年)

年間手術数 149件(新生児11件、
内視鏡下手術14件)

主な領域・疾患別手術(重複症例あり)

頭頚部 4件
肺、横隔膜 2件
食道 2件
胃、十二指腸 8件
小・大腸、腹膜炎、腸閉塞 16件
胸腹壁 1件
Hirschsprung病 2件
直腸肛門奇形 3件
肝胆道疾患 7件
門脈圧亢進症、脾 4件
腫瘍 23件
鼠径ヘルニア等 33件
中心静脈カテーテル留置 50件
その他の全麻下手術 5件

 

 

新患、新入院患者数(2023年度)

新患数 106人
新入院患者数 266人

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