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東北大学病院

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心臓血管外科

科長あいさつ

教授 齋木 佳克

心臓血管外科では胸部大動脈瘤の外科治療、冠動脈外科、弁膜症外科、先天性心疾患の外科治療、そして重症心不全に対する外科治療を含め、年間約230〜250例の心臓大血管手術を施行しています。標準化された手術術式はもちろんのこと、最先端の医療技術を組み入れた手術治療を行っています。最近、数を指標にした病院の実力という言葉が流布されていますが、私たちの診療科では表面的な数だけにこだわらずに、内容面で真に実力ある専門医チームの形成を目指しています。

治療対象疾患の中でも、大動脈瘤手術が年間約90例と最も多く、全国的に見ても、症例数の多さと治療成績の面で際立っています。大動脈瘤は全身の広範囲に及ぶ場合が多く、手術では複数の重要臓器への影響が及ぶことから複雑な補助装置とモニター機器を要します。従って、経験豊かな心臓血管外科医と麻酔科医、そして熟練した臨床工学士によるチームワークがあって成り立つ手術治療です。基礎疾患をいくつか合併している場合には、必然的に臓器障害等の合併症のリスクが高くなる領域ですが、当科ではその対策に正面から取り組み、より安全な治療法の確立に日々努力しています。予定手術の遂行に加え、県外からもヘリコプター搬送で患者さんを受け入れ、緊急を要する大動脈疾患に対応しています。近年、飛躍的に発展を遂げているステントグラフトを用いた治療も、専門医による安定した治療法として確立しており、その数も経年的に増加しています。平成25年度から新規に東北大学病院で導入したハイブリッド手術室は3D-CT撮影も可能な高性能の血管撮影装置を組み込んだ新世代手術室です。この手術室を有効利用して東北地方の方々に先進的な治療を提供できるように努力していきたいと思っています。

冠動脈疾患の領域では、心臓カテーテルによる治療法の進歩が目覚しく、社会的にも標準的治療としての認識が広まっていますが、カテーテル治療が困難な症例も多いのが現状で、冠動脈バイパス手術は重要な治療法となっています。中でも重症度や危険度の高い症例において、低侵襲治療としての心拍動下冠動脈バイパス手術は有用とされ、当科でも約7割の冠動脈疾患患者で実施されています。

弁膜症の外科治療においては、人工弁の改良と弁形成術の進歩により、安定した治療成績が得られている分野です。当科ではさらに、自己弁温存大動脈基部再建術や自己肺動脈弁を用いた大動脈基部置換術(ロス手術)等の難易度の高い手術も実施しています。

手術の低侵襲化にも積極的に取り組み、大動脈弁狭窄症に対する経力カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)、僧帽弁閉鎖不全症に対してのMICS-MVPなども行っています。

先天性心疾患の外科治療は宮城こども病院との連携のもと、非チアノーゼ性心疾患を主な対象とした手術を行っています。また、当院NICUとの連携で超低体重未熟児における動脈管クリッピングも行っています。また、今後医療需要が増す成人先天性心疾患領域で、関連科と合同で専門外来を開設しチームとして取り組んでいます。

重症心不全の外科治療として、心移植プログラムを立ち上げ、既に12例の成功を収めています。循環器内科、麻酔科、集中治療科をはじめ、院内の多くの診療科、検査科からの協力を得て成り立っている医療分野であり、東北大学病院の総合的実力を反映している分野とも言えます。心臓移植に辿りつくまでの待機期間における体外式人工心臓装着を多くの重症心不全患者に行ってきた実績があります。さらに、体内植込み型遠心ポンプ式、および、軸流式補助人工心臓植込み認定施設として、将来の心臓移植治療へのブリッジとして安定した臨床応用を展開していきます。

以上のように、いくつかの治療の選択肢を備え、より安全で高度な先進的医療を提供できるよう体制を整えております。そして、患者さんが納得のいく治療法の選択ができるようお手伝いしたいと思っております。また、大学病院は次世代を担う医師の重要な教育機関でもありますので、そのような側面をご理解いただき、医療施行者と医療受給者の両方が和をなし、若き医師を育てるという姿勢に満ち溢れた環境を形成したいと考えております。

教授 齋木 佳克

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