病棟 | 中央診療棟1F、東病棟B1F、先進医療棟B1F | 外来 | - |
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あいさつ
放射線部では、一般撮影、透視、CT、MRI、血管撮影の画像診断検査およびIVR、シンチ、SPECT、PETの核医学検査、および放射線治療の業務を行っています。
一般撮影部門では、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会の認定施設であり、また認定された放射線技師が乳房撮影を担当しています。CT部門ではマルチディテクターCT(MDCT)を4台有し、320列、128列2管球、160列超高精細、128列(救急用)を活用しています。MRI部門では6台を有し、そのうち4台は最新の3テスラ装置で極めて鮮明な画像を提供しています。核医学部門では、一般核医学の他、最新のPET-CT3台を用いた検査を行っており、広く地域の医療機関からの検査依頼にも応えています。これらの画像診断部門は近年の技術発展により医療における重要性が増し、撮像件数は増加し続けています。なお、これらの画像診断検査を受けるときには、患者さんは「画像センター(放射線部)受付」で、検査受付をお願いしています。
放射線治療部門では、最先端の放射線治療装置リニアック4台を用いた画像誘導放射線治療(IGRT)や体幹部定位放射線治療(SRT)、強度変調放射線治療(IMRT)を駆使し放射線治療を行っており、日本有数の放射線治療件数を誇っています。2021年度にはMRIとリニアックが一体となったエレクタ・ユニティを導入しています。
このように最新の装置、高度な技術を駆使し、より質の高い医療技術、医療被ばくの適正化など患者さんにやさしい医療を目指すことを理念に掲げ、医師、診療放射線技師、看護師、技術補佐員等スタッフ一同がコミュニケーションをとり、チーム医療を実践し、患者さんが安心して安全に検査や治療を受けていただくよう心がけて診療を行っています。
「放射線部の理念」
- より質の高い医療技術で患者さんにやさしい医療を目指します。
- 人間性豊かな医療人の育成に努めます。
- 常に向学心を持ちチーム医療の一員として専門分野の責任を果たします。
- 患者さんの人間性を尊重した全人的医療を実践します。
- 安全性の高い医療技術を提供します。
部の特色
一般撮影
一般撮影とはいわゆる「X線」を用いて体内の臓器や病変のX線の吸収差を画像として描出する検査です。ここでは、胸部撮影や骨撮影等の単純X線撮影をはじめ病室・手術室へのポータブル撮影・乳房X線撮影・歯科撮影等の業務を担っています。医療ネットワークに対応できるように、X線画像は全てデジタル化となり、診断価値の高い画像情報を提供しています。また、この部門だけで1日500件を越すオーダに対応するため、検査の依頼や予約は、オーダリングシステムを導入し、患者さんの待ち時間の短縮に努めています。
乳がんの診断には欠かすことのできないマンモグラフィにおいては、デジタルマンモグラフィ装置と乳房を3次元的に写すことのできるトモシンセシスも活用して、乳房組織吸引生検を含めた検査により精度の高い診断をしています。
CT検査
当院では診断用CT装置が4台稼動しており、年間45,000件ほどの撮影を行っています。4台すべてが1回転で複数枚のデータが得られるマルチディテクターCT(MDCT)です。1回転で320枚のデータが得られるCT装置、2管球を有し時間分解能の向上やDual Energyでの撮影が可能なCT(2x128列)、0.25mmスライス厚を有する超高精細CT、さらに救急用CT装置1台 (高度救命救急センターで使用)が稼動しています。CT装置の飛躍的な進歩に伴い、データ収集も高速化され、心臓のCTや4次元動態解析も可能となっています。また、撮影時間が短くなったため、全身のCT検査が数秒程度でできるようになりました。
高度救命救急センターでは、軽症から熱傷、交通外傷などの重症患者さんまで、多くの患者さんが救急センターに運ばれてきます。そのような緊急時にもCTは、体内の病変をいち早くとらえるために活躍しています。
MRI検査
放射線被ばくが無く非侵襲的に画像を提供するMRI(magnetic resonance imaging; 磁気共鳴画像診断法)はMR装置の飛躍的な進歩に伴って、検査の依頼件数も増加の一途を辿っています。
当院では、3T(テスラ)4台、1.5T 2台、計6台の超電導型MRI装置で年間17,000件ほどの検査を行っており、検査数は全国トップレベルを誇っています。MRIでは頭から足先まで全身を撮像することができますが、目的に応じてCTやその他の画像検査との使い分けが必要になります。その中でも、心臓MRIは、全国の国立大学病院の中でもっとも多い検査数を誇ります。また、最新鋭の3T MR装置は、より高精細な画像の提供とfunctional MRI やMR spectroscopyといった機能的、質的画像診断の分野で診断価値の高い画像を診療科に提供しています。
血管造影
カテーテルを用い造影剤を血管内に注入し心臓や脳血管、大動脈などの血流状態を連続的に描出し、形態的診断を行っています。さらに画像診断としての血管撮影のほか、IVR(interventional radiology)と呼ばれる血管造影手技を応用した治療(冠動脈形成術、肝癌の塞栓療法、脳動脈瘤の塞栓等)も盛んに行われています。CTガイド下のIVRも盛んで、各種臓器生検、ラジオ波焼灼療法に加え凍結手術も施行しています。また、手術部にはハイブリット手術室が完成し、最新の血管撮影装置が導入され、ステントグラフト内挿術を行っています。
核医学検査
核医学検査では、ごく微量の放射性同位元素を含んだ放射性薬品と呼ばれるお薬を静脈注射又は経口投与等により体内に投与し、体内に分布したお薬から放出される放射線をガンマカメラと呼ばれる装置で計測し画像診断、機能検査を行います。「陽電子」を放出する放射性薬品を用いるPET検査も核医学検査の一種です。核医学検査は、使用するお薬により分布する場所が異なり、脳血流、心筋血流、代謝や神経機能、骨の異常、悪性腫瘍 など全身にわたる診断に広く用いられています。検査によって体に分布するまでの時間(直後~数日間)は異なりますが、検査自体は、20分~40分、最長でも1時間程度で終了します。検査中は大きな音なども出ませんし、通常は検査用ベッドに静かに横になっていただくだけで、患者さんにとって大変苦痛の少ない検査法です。PET検査に使用する放射性薬品は院内ホットラボ室で薬剤師と診療放射線技師が協力して早朝より製造しています。
本院には、一般核医学検査室にSPECT装置3台、PET検査棟にサイクロトロン1台、PET-CT装置3台が稼働しています。検査件数は、一般核医学検査が2,500件程度、PET検査4,500件程、合計7,000件程の検査を行っています。
救急対応
先進医療棟の高度救急救命センターには、X線撮影室とCT撮影室を併設しています。さらに、救急患者さんの処置を行いながらCT撮影と血管造影のできる「ハイブリッドER」を備えて、24時間救急患者さんの受け入れを行っています。救急患者さんへの迅速な対応を可能にしており、緊急のカテーテル治療も行っています。
放射線治療
放射線治療部門はリニアック装置(外部照射装置)4台、マイクロセレクトロン装置(腔内照射装置)1台を用い、一般的な外部放射線治療の他に、定位放射線治療、全身照射、腔内照射や組織内照射、強度変調放射線治療などの特殊治療を行っています。その他、頭頸部がんや前立腺がんに対する密封小線源治療や、甲状腺がんや神経内分泌腫瘍に対するRI治療も行っています。 年間の放射線治療件数は、国立大学病院の中で最多です。
また、CTシミュレータ、X線シミュレータ各1台、3次元治療計画装置16台を駆使し高精度な放射線治療計画を行うことにより治療効果の向上や副作用の低減に努めています。治療件数は、年間約25,000件と多くなっていますが、治療スタッフである医師、技師、医学物理士、看護師は共に密に連携をとり情報の共有化を図り、安全な放射線治療を行っています。
放射線診療情報管理
放射線部の情報管理は診療録情報(検査記録、照射録、画像診断報告書)と画像情報の2つに分かれます。 放射線部では独自にカスタマイズされた放射線情報システム(RIS)を設置し、病院情報システム(HIS)からの各オーダに対して依頼情報、患者さんの付帯情報、さらに検査結果にあたる実施情報、照射録情報、画像診断情報を管理し、HISから会計情報とシームレスな運用を行っています。さらに検査時の患者さんの状態をオーダ側に文字情報としてフィードバックすることで診療をサポートします。 また、放射線システムは診断、核医学、治療に各々のシステムを配置することで各々の運用に対応し、さらにデータベースは統一されているため体系的な統計抽出が可能です。画像情報は標準規格のDICOMを用いて管理・保管を行っています。 2010年4月より全面フィルムレス運用に移行し、Web参照画像は多くのユーザに利用され診療現場をサポートし、迅速で効率の良い、正確な画像診断が可能となっています。
放射線部の診療情報管理は、日々変化するIT医療技術の発展に対応し、診療における正確な画像診断が行われるように、セキュリティを保持しながら患者さんの大切な診療情報を管理しています。
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