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高次脳機能障害科

病棟 東病棟 12F 外来 外来診療棟A 3F
外来受付 Tel : 022-717-7751 独自webサイト 東北大学医学系研究科 高次機能障害学
対象疾患 認知症疾患/脳血管障害/頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、てんかんなどによる高次脳機能障害/失語症/失認症/記憶障害/失行症/注意障害/遂行機能障害/脳疾患,脳損傷によって生じた精神症状

特色

当科は日本で数少ない「高次脳機能障害」の臨床を専門とした診療科です。さまざまな疾患によって高次脳機能障害をきたした患者さんを対象としています。また、「認知症」は高次脳機能障害が主な症状であり、診断困難な認知症や若年性認知症を中心に原因精査や治療を行っています。

高次脳機能障害とは

言語、記憶、視空間認知、思考など、もっとも人間らしい複雑な神経の機能を「高次脳機能」と言います。大脳のかなりの部分が高次脳機能にかかわっており、脳の損傷で「高次脳機能障害」を生じます。高次脳機能障害はひとつの症状ではなく、言語障害(失語)、記憶障害(健忘)、遂行機能障害、視空間認知障害など、病巣部位に応じたさまざまな症状が含まれます。神経疾患の後遺症として高次脳機能障害はしばしばみられるものの、麻痺などと異なり気づかれにくく、適切に対応されていないことが少なくありません。原疾患の治療が終了し、家庭や社会に復帰してはじめて高次脳機能障害に気づかれることもあります。

高次脳機能障害と認知症

現在わが国で600万人を超すともいわれている認知症は、高次脳機能障害があり、そのために通常の社会生活が困難になった状態を指します。認知症はその原因、症状ともいろいろです。したがって、まず原因を明らかにし、それに応じた治療・対応をすることがきわめて大切です。当科では認知症の原因精査とともに、どのような高次脳機能障害が日常生活に影響を与えているかを詳細に検討し、治療に結びつけています。

対象疾患と診療内容

対象疾患

高次脳機能障害の原因としては大脳を損傷する病態すべてが含まれ、神経内科、脳神経外科、てんかん科、リハビリテーション科(部)などとの緊密な協力体制のもとで診療にあたっています。
• 認知症疾患(アルツハイマー型認知症,レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、正常圧水頭症、皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、進行性失語症、血管性認知症など)
• 脳血管障害(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)にともなう高次脳機能障害
• 脳腫瘍、脳炎、てんかん、頭部外傷などによる高次脳機能障害

対象となる高次脳機能障害

  • 認知症
  • 記憶障害(健忘)
  • 失語症:言語の障害
  • 失認症:対象認知の障害
  • 失行症:行為の障害
  • 注意障害
  • 視空間認知障害
  • 遂行機能障害:複雑な行動の障害
  • 脳損傷によって生じた精神症状(うつ、幻覚、妄想、意欲低下など)

 診療内容

ひとりひとりの患者さんのもつ高次脳機能障害の症状とその原因を明らかにし、最適な治療や対応を考えることを大切にしています。新患は十分に時間をとって病歴聴取や診察をします。さらに詳しい検討が必要な方は短期入院の上、神経心理学的検査、放射線学的検査、神経生理学的検査などを行ない、原因や病態を明らかにします。その上で治療方針を決定し、なるべく早く紹介元の医療機関に戻って治療が受けられるようにしています。その後、必要に応じて当科での診察や検査もしながら、病診連携で治療を継続していけるようにしています。また、高次脳機能障害や認知症の方が必要な医療・福祉サービスを受けられるように、障害者認定などの診断書作成も積極的に行い、福祉と連携しながら支援を行っています。

主な検査

患者さんの症状に応じて、以下の検査の中から、必要なものを行います。

  • 各種の専門的な神経心理学的検査(原因疾患の診断、機能障害程度の把握のため)
  • 神経画像検査(頭部CT検査、頭部MRI検査、脳血流SPECT検査、PET検査など)
  • 神経生理学的検査(脳波など)
  • 血液・脳脊髄液検査

リハビリテーション

リハビリテーション部において、患者さんの症状に応じて、言語療法、作業療法、理学療法を施行します。リハビリテーションの内容については、当科医師とリハビリテーションスタッフが緊密な連携をとって決定します。また、社会資源活用のため、医療ソーシャルワーカーが専門的な情報を提供します。

年間症例数(2023年度)

入院患者数  約80名/年
外来患者数 約2,000名/年

新患、新入院患者数(2023年度)

新患数 101人
新入院患者数 62人

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