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研究

歯科顎口腔外科の黒羽根 壮助教、杉浦 剛教授らの論文がHead & Face Medicineに掲載されました

2025.09.08  お知らせ

これまで、歯肉アメーバは、一般的な歯科検診での検出は困難であり、その後の病理組織検査や細胞培養による検出も困難とされてきました。

東北大学病院歯科顎口腔外科の黒羽根 壮助教、杉浦 剛教授、スフバートル アリウンブヤン助教らの研究グループは、これまでに病態が未解明であった歯肉アメーバ感染(注1)を伴った顎骨破壊性病変(注2)を詳細に解析しました。その結果、これら症例の約半数では、放線菌の感染も伴っているにも関わらず、一般的な顎放線菌症に見られる腫脹、疼痛、開口障害などの症状は認めず、動揺歯や分離腐骨を除去する低侵襲な処置で短期間に治癒が得られることがわかりました。また、病理組織像では好中球が少なく、アメーバが白血球や赤血球を貪食する様子が確認され、炎症反応の抑制と早期治癒への関与が示唆されました。

本研究は、歯肉アメーバ感染を伴う顎骨病変では、低侵襲で簡便な擦過細胞診(注3)という検査法、動揺歯や分離腐骨を除去するという低侵襲な処置で、診断と治療が可能であることを示しました。これまでに難治性とされてきた顎骨骨髄炎の中にも歯肉アメーバが関与した症例も存在する可能性も示唆され、病態の認知拡大により早期診断と適切治療が期待されます。本研究成果は、2025年8月7日付けで、Head & Face Medicine誌に掲載されました。

 

【用語説明】

注1.歯肉アメーバ感染:歯肉アメーバは歯周ポケットに寄生する原虫で、特に重度歯周炎患者では高頻度に存在するとされています。これまでに肺膿瘍、大腸癌に類似した虫垂腫瘍、生殖器感染症、急性下顎骨骨髄炎などで検出されていますが、歯性感染症におけるその病原性は未だ明らかとなっていません。

注2.顎骨破壊性病変:顎骨浸潤を伴った歯肉癌や下顎中心性癌、下顎骨骨髄炎でみられるような、顎骨に高度な吸収・破壊性変化を生じる病変です。

  • 注3.擦過細胞診:口腔癌を疑った際に行われる低侵襲なスクリーニング検査法。歯間ブラシを用いて病変部を擦過することで細胞を採取し、塗沫および固定後に染色し、顕微鏡で観察して行う診断法です。

 

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