センター長あいさつ
造血幹細胞移植は白血病などの血液疾患に有効な治療法であり、疾患の種類や病期に応じて「骨髄移植」、「末梢血幹細胞移植」、「臍帯血移植」のうち適切なものが選択されます。東北大学病院は、東北地区で唯一の厚生労働省の造血幹細胞移植医療体制整備事業を担う「造血幹細胞移植推進拠点病院」(以下、拠点病院)です。拠点病院として、東北地区の造血幹細胞移植を推進するとともに、造血幹細胞移植医療の体制整備を進めていくことが求められています。そのため、当院では造血幹細胞移植支援センターを開設し、移植専門医や造血細胞移植コーディネーター、移植に関わる医療従事者らとともに移植を受けられる患者さんの支援を行っております。
近年、造血幹細胞移植によって血液疾患の長期寛解が期待できる患者さんが増えつつあります。一方、時間が経ってから発症する「晩期合併症」が課題であり、これらを予防や早期に診断して適切なケアにつなげるためには、長期的なフォローアップ(定期的な診察や生活指導など)が求められております。移植施設における長期フォローアップ外来では、地域のかかりつけ医の先生方と連携した診療体制(慢性疾患の治療や定期的な健診など)を整備し、社会的なサポート・相談窓口の設置なども進めております。東北大学病院は、造血幹細胞移植支援センターを介して、造血幹細胞移植を受けられる患者さんの包括的なサポートを推進し、東北地区の移植医療の拠点として引き続き尽力してまいります。