東北大学病院

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胃腸外科

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【病棟】東病棟 8F・13F 【外来】外来診療棟B 2F 【外来受付電話番号】022-717-7740

科長あいさつ

  「胃腸外科」は平成10年に大学院重点化に伴う改組に伴って、新しく命名された東北大学病院の診療科です。大正2年に第一外科学 講座が出来て以来100年の伝統と歴史がありますが、同じ腹部外科としての基盤を持つ「肝・胆.膵外科」、さらに今後は、旧第二外科の「移植・再建・内視鏡外科」と共働し一体となって幅広い外科学の研究・教育を行って参ります。

  現在我々は、胃癌、大腸癌、IBDはもちろんのこと、病的肥満症や糖尿病に対する減量・代謝手術、鼠径ヘルニアや腹壁ヘルニアに対する腹腔鏡下手術などに力を入れております。また多くの臨床研究を計画し、我々の教室から世界へ発信できるエビデンスを構築して行こうと考えております。当科で特に重点的に行なっている診療内容を一部紹介いたします。

対象疾患と診療内容

胃疾患

  胃癌は、 欧米に比べて日本人に多く、発症率·死亡率ともに上位を占める癌です。比較的早期の患者さんは手術で治癒する可能性が高いため、 ただ単に治すだけでなく、 患者さんの生活の質(quality of life: QOL)を極力低下させない術式が求められています。胃癌の内視鏡下手術は,年々増加の一途をたどり、日本内視鏡外科学会のアンケート調査では2013年で約9200件となっております。しかし、その難易度は高く習得が困難であり、東北地方ではまだまだ普及しておりません。当科では、胃癌はもとより、胃粘膜下腫瘍(GIST)・悪性リンパ腫等さまざまな疾患に対して腹腔鏡手術を中心とした診療を行っております。胃全摘および幽門側胃切除は再建まで腹腔内でおこない、良好な成績を収めております。また、腹腔鏡補助下噴門側胃切除は逆流防止弁形成の食道残胃吻合で再建し、切除不能な胃癌に対しても完全鏡視下でバイパス術を行っております。胃癌においてはD2郭清が可能となり、深達度MP・N1までを適応としております。最近、胃粘膜下腫瘍(GIST)において、腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)を行っており、以前ならば胃切除が必要な部位でも部分切除が施行可能であり、胃の変形も最小限に抑えられます。当施設のデータでも開腹手術と比較し同等あるいはそれ以上で、そのメリットは大きいと考えております。また、Stage Illの患者さんに対しては、それに見合った術式を行っておりますが、手術だけでは思うように治療成績が上がってこないも事実です。そのため、手術前に抗がん剤治療を行い、癌を小さくしてから手術を行うことをしております。このような治療は術前化学療法と呼ばれており、当科でも取り組んでおります。

潰瘍性大腸炎・クローン病

  当科では以前より潰瘍性大腸炎やクローン病をはじめとする炎症性腸疾患に対する手術治療を行ってきており、両疾患ともそれぞれ400例を超える治療経験があります。炎症性腸疾患は若年で発症し手術を要する症例も多いため、術後長期間のQOLが問題となりますが、このQOLの向上を目指した手術を行っております。
  当科では、潰瘍性大腸炎では肛門機能の温存を目指した分割手術での大腸全摘・回腸肛門(管)吻合術を標準術式として行っており、待機的手術が可能な症例においては腹腔鏡を使用した2期分割の手術、重症等で全身状態が不良な症例においては安全性を優先し3期分割での手術を行っております。一方、クローン病では腸管機能の温存・将来の短腸症候群をいかに防ぐかを重視し、狭窄形成術の併用による腸管温存の工夫や、適切な腸管の切除範囲の決定などにより、QOLの向上を目指した手術を実施しております。また、クローン病の初回手術例に対しては原則腹腔鏡補助下での手術を行っております。
  また、上記等の疾患にて人工肛門(ストーマ)を造設せざるを得ない場合には、術前マーキングを施行した上でより管理のしやすいストーマを形成するように心がけており、術前・術後は当院WOCセンターと強固に連携を取りながら共同で管理を行い、患者さんのQOL向上につながるように努力しております。
  両疾患とも、可能な症例に対しては腹腔鏡手術を積極的に導入しており、より低侵襲でより美容に優れた手術を目指しております。

潰瘍性大腸炎・クローン病

  私たちは、大腸癌に対し、安全で合併症の少ない手術を心がけ日々診療しております。特に力を入れている領域は以下の通りです。
  ①腹腔鏡下手術
  大腸癌の初発腫瘍に対しては、積極的に腹腔鏡手術を行っており、現在では腹腔鏡手術が全大腸癌手術の80%を占めるまでとなっています。我々の成績では進行癌であっても開腹と同様に長期予後は非常に優れております。術後の入院日数も平均9日となっており早期の退院、社会生活への復帰が可能です。
  ②直腸癌の機能温存手術
  大腸癌の中でも特に治療が難しい直腸癌の治療に力を入れております。腫瘍下縁が腹膜反転部より肛門側にある進行直腸癌に対しては、術前放射線化学療法を併用、根治性を保ちながら機能温存(性機能、排尿機能、排便機能)に配慮した手術を行っております。また、可能な限り肛門を温存するべく、肛門管内の腫瘍でも深達度がMP以浅でdistal marginが確保できれば積極的に括約筋間直腸切除術(ISR)により肛門機能を温存しております。
  ③進行・再発腫瘍に対する拡大手術
  進行・再発腫瘍に対しても、骨盤内蔵全摘術など泌尿器科等と連携しながら積極的に拡大手術を行っています。直腸癌局所再発でも遺残のない治癒切除ができれば長期生存も期待できます(3年生存率: 52%)。また、腫瘍内科との合同カンファレンスを定期的に開催し、進行・再発症例に対し、最新のエビデンスに基づいて治療方針を決定しています。
  ④その他の大腸疾患
  大腸癌以外にも、GIST、神経内分泌腫瘍(カルチノイド)、悪性黒色腫、肛門Paget病など下部消化管に発生する稀腫瘍も積極的に診療しております。

病的肥満症に対する減量手術・糖尿病に対する代謝改善手術

   手術適応

  • 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(保険診療)
    BMI35以上の病的肥満症で、高血圧・糖尿病・高脂血症のいずれかの合併症を有するもの、かつ 6ヶ月以上の内科的治療で十分な効果が得られないもの
  • 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術+十二指腸空腸バイパス術(現在は校費医療)
    BMI 32以上の肥満症のうち、重症糖尿病を合併するもの

おわりに

  いずれのグループも、腹腔鏡手術を中心とし、患者様の立場にたって低侵襲で確実な治療を心がけております。初診から手術までの期間は1ヶ月前後となり、十分な術前精査を行いながらも、長期間お待たせすることなく診療することが出来ております。なお、緊急症例は随時対応いたしますので、外来宛にお電話いただければ幸いです。

特命教授 内藤 剛

年間症例数

(2013年)

胃癌 60例(48例)
大腸癌 78例(57例)
炎症性腸疾患 45例(14例)
胆嚢摘出 51例(49例)
肥満手術 2例(2例)
ヘルニア 27例(20例)
肝・膵・脾疾患 17例(17例)
ロボット手術(DaVinci) 4例

※括弧内は腹腔鏡手術件数

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