病棟 | 西病棟 2F、中央診療棟 2F | 外来 | - |
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あいさつ
部長 江島 豊
材料部をご存知でしょうか。
「鑷子」これは何と読めますか?正解は「せっし」即ちピンセットのことです。 病院で使用する医療材料には、このようなピンセットやハサミなど再利用を前提とした器機が多種多数あります。それらを再使用できるよう提供する部門が材料部です。
消毒や滅菌といった感染性物質の伝搬を防ぐ方法は、1800年代に考案され、感染症による術死亡は、激減しました。消毒は、感染しないレベルまで感染性物質の量を減らすこと、滅菌は、全ての微生物を殺滅または除去することです。 鑷子やハサミといった単純な構造物から、内視鏡で使用する長い器機や細い内腔を有する器機、眼科で使用する精密器機、歯科で使用する細かいドリルやリーマーなどを、機能を維持したまま滅菌し再使用できるようにするには、手洗いまたは様々な機器を用いて洗浄し、滅菌します。これには、大変な手間と労力がかかっております。材料部は、病院全体に再利用する材料を提供する部門であり、病院の再重要機能の一端を担っております。
2018年5月、先進医療棟2階に新たな材料部が稼働致します。それまでは、病棟外来で使用された物品を扱う材料部と手術で使用された器機を扱う材料部は異なる場所で運営されていました。それが、一箇所に統一されます。それによって、分散していた職員が一堂に集まり、仕事の効率化が図られます。また、新たに導入する材料管理システムには、画期的な機能があります。それは、手術材料準備支援機能であり、1万件を超える手術件数や複雑化する手術に対応します。
最後に、材料部職員は、学会や研究会・勉強会に参加発表して日々知識を磨いております。また種々の資格を積極的に取得し、難関の第1種滅菌技師資格も当院にて研鑽し合格致しました。 そのような職員のいる材料部は、最新鋭の機器の元、病院を支えております。
部の特色
材料部は、臨床現場の省力化を推進し医療サービスの向上を図るために中央化され、病院全体の滅菌医療材料に関する業務を行っている部門です。材料部は病棟・外来側の材料部と手術室側の材料部があり、それぞれの部門に合ったきめ細やかな対応をしています。
1.目的
- 滅菌業務の完全遂行により、安全な医療器材を提供します。
- 滅菌に関わる業務を一元化することで、臨床現場の省力化を推進し医療サービスの向上を図ります。
- 医療材料及び設備の効率的な運用を図り、病院経営に貢献します。
2.役割と機能
- 医材の中央管理と滅菌に関する業務 病棟、外来、手術室などで使用されている器械器具などを材料部で管理し、臨床現場の要請により計画的に滅菌を実施します。使用目的に合った安全な医療材料を選択し適正な滅菌前処理と滅菌作業を行います。滅菌作業の中では基準に沿った定期的な滅菌器の保守点検、滅菌工程の監視、滅菌効果の確認が必須です。
- 滅菌医療材料の保管と供給 使用数のデータを基に適正定数を設定し、滅菌医療材料を臨床現場に過不足なく供給します。供給の方法は定数補充方式や定数交換方式があります。滅菌医療材料は現場に供給され、使用されるまで無菌を保持する 必要があります。医療材料 を無菌保持するには臨床現場での保管や取扱が適正に行われる必要があり、現場における滅菌医療材料の適正な保管や指導も行っています。
- 使用済み医材の回収と処理材料部スタッフによる洗浄処理は、感染防止の観点からも各部署で行うより安全であり効率的です。また、汚染器材回収にあたっては周辺環境への汚染を最小限にするため、回収容器を使用しています。
- 感染防止への助言と指導 使用済み医材の処理及び滅菌に関する知識をもつ材料部スタッフは、臨床現場への感染防止への助言と指導の役割があるため、より専門的な知識の修得に努める必要があります。
- 統計と業務評価材料部で取り扱っている器械・器具等医材の使用量や紛失数の統計を活用し、計画的な在庫管理を行います。また、日常の材料部業務や設備・機器の使用状況の統計を分析することで材料部業務を評価し、更なる業務改善や業務拡大への手かがりとなります。
資格取得者
普通第一種圧力容器取扱作業主任者 | 8名 |
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特別化学物質等作業主任者 | 8名 |
第二種滅菌技士 | 3名 |
材料部業務到達段階評価達成者 | 22名 |
3.主な業務内容:滅菌物の流れ
回収
搬送機(病棟)
外来・中央部門(SPD部門による搬送)
洗浄(自動洗浄除染乾燥機・用手洗浄など)
洗浄機(器械の種類に応じたラックを選択)
組立て(セットの組立の様子)
包装・シーラー(滅菌パックに入れた器械をシーラーしている様子)
滅菌
払い出し(病棟には搬送機で払出します)
滅菌物品質管理システムによる履歴管理(バーコードによる履歴管理をしています)
滅菌・洗浄の実績として
平成28年度の滅菌器、洗浄器の回転数と滅菌物の全件数と月平均
<診療部門>病棟・医科外来・歯科外来
<手術室部門>
4.教育支援・勉強会・院内外研修会・学会発表などに毎年発表しています。
1)日本環境感染学会・発表
- 日本医療機器学会・発表
- 医療の質向上に関する活動報告会・発表
- 院内看護研究・発表
2)材料部到達段階別評価
材料部の看護助手は、医療機関で働くことが初めての方々がほとんどです。そのため、業務がスムーズにできるようにプログラムに沿って段階別に教育支援していきます。
※レベルは、スタッフ全員取得
※ 医療安全・感染講習は年2回の参加が義務付けられており、全員修了
勉強会の様子
ベストプラクティス賞受賞
5.物品管理システム「材料部門
1)滅菌依頼申し込み方法 ・物品管理システム画面の滅菌依頼申し込みより入力する。
- 依頼する滅菌の種類と数、必要時コメント欄へ詳細を入力する。
2)パスボックス器械の貸出方法 ・所定の用紙に月日・部署名・氏名を記入し、バーコードラベルを貼る。
- 物品質管理システム画面より借用した器械名を入力する。
3)使用済み医療材料返却時のルール(鋭利器材・ディスポ器材、セットなど)
- 使用済み器械は、回収コンテナ容器に入れて返却。
- セットメニュー表の器械と「針廃棄した」「黒いプレートはある」はチェック。
- 鋭利な器材(針・メス刃・アンプルなど)は部署で廃棄。
- 針が入っていないか、今一度確認する習慣をつけましょう。
6.福利厚生
1)材料部内の新人歓迎会、忘年会、年末納会、新年会、送別会など
2)七夕飾りとクリスマス飾りの助成
患者さんや職員のために材料部スタッフが作った飾りつけ
3)学会や施設見学・資格取得への助成
4)研修会参加助成(宮城県滅菌技法研究会 助成あり)
材料部は西病棟2階 と中央診療棟2階の 2ヵ所に位置しています