東北大学病院

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診療受付:8:30-11:00 再診受付機 8:00-11:00

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咬合回復科

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【病棟】東病棟 10F 【外来】外来診療棟C 5F 【外来受付電話番号】022-717-8364

科長あいさつ

 咬合回復科は、昭和44(1969)年に設立された旧第二補綴科を母体とし、40年近くの歴史を有する診療科です。初代の科長は根本一男教授(昭和44月4月~53年11月)、2代科長が鹿沼晶夫教授(昭和54年5月~平成11年3月)でした。私、佐々木は、平成12年2月から第3代の科長を務めております。平成14年度の診療科再編により、高齢期の患者さんの口の健康の回復、保全を図る診療科である口腔回復系診療科の一部門、咬合回復科として改組され、現在に至っております。

 本診療科は、補綴歯科治療により「咬み合わせ」を回復することを専門とする診療科です。「咬み合わせ」の回復のため、金属製あるいはセラミックス製の被せ物(クラウン)によりウ蝕や外傷によって欠けてしまった歯の部分的な欠損を再建したり、固定性あるいは取り外し式の義歯によりウ蝕、歯周病、外傷あるいは腫瘍などにより失われた歯、歯ぐきを再建します。チタン性の人工歯根を顎の骨に植え込み、それを支えにして歯の形を回復する歯科インプラント補綴治療も担当しております。

 補綴(ほてつ)とは、「補綴とは、詩文を作る際に古句などを綴り合わす」ことを示す漢語であり、広くは「破れたところを補い綴り合わせる」ことをいいます。歌舞伎や浄瑠璃などの台本は、世の中の変化に対応して、上演のたびに「補綴」され、鶴屋南北などの作者の名前、演出者の名前とともに、補綴者の名前も脚本には記されております。医療面では、体の一部を失った際に、人工的な装置、すなわち補綴装置によりその欠損を回復する治療を「補綴治療」と称します。したがって義肢、義手、義眼なども補綴装置です。補綴歯科治療は、歯や口の補綴治療の総称です。

 私どもの診療科では、このような補綴歯科治療により、失われてしまった歯や口の一部を歯科補綴装置により再建することによって、歯列、顔貌などの形態の回復とともに、「食べる」、「しゃべる」、「味わう」という人間にとって大切な口の機能の回復、保全を図り、患者さんも生活の質(クオリティオブライフ)の向上、豊かな生活の保障に貢献することを目的とします。治療の理念としては、私ども東北大学歯学部の建学以来の理念でもあります、個々の歯を対象として治療を行うのではなく、患者さんの口全体を一つの器官として考え治療する「一口腔一単位」、さらに口のみではなく患者さんを対象とする患者中心の全人的な歯科医療の理念に基づき、患者さんの全身的な健康、生活面、さらには心理面をも包含した視点からの補綴歯科医療を提供することを掲げております。

 義歯は、非常に長い歴史を有する人工臓器であり、我が国では室町時代の後半に作られた黄楊製の義歯が現存しておりますし、アメリカ合衆国の初代大統領ジョージワシントンも総義歯を装着していたこともよく知られています。構造的には人口の歯、歯ぐき、そして維持を取るための金属部等から成る簡単なものですが、咬む機能や話す機能、そして感覚などを満足させるうえで義歯に求められる精度は非常に高く、その治療に際しては口の感覚や機能に対する深い理解と高度な技術を必要とします。私どもの診療科では、一般の歯科診療所等では対応することが難しい患者さんに対し、診療所の歯科医師の先生方、他科の医師、歯科医師の先生方との連携を取りながら、より高い専門性に基づいた補綴歯科治療を提供することを心がけております。

 また科学技術の進歩が著しい現在、新治療技術、新素材を積極的に導入し、患者さんの要望にさらに対応しうる補綴歯科治療の開発、最新の治療の提供にも力を注いでおります。さらに明日の歯科医療を担う若手歯科医師の育成にも積極的に取り組んでおります。

教授 佐々木 啓一

対象疾患と診療内容

歯を失った患者さんを対象に、形態を再建し、
口の機能を回復する補綴歯科専門治療を行います。

 むし歯の進行や外傷で欠けた歯、神経を抜いた歯、形の異常や軽度な位置の異常をもつ歯に対して、金属製、セラミックス製の冠やブリッジなどの人工的な修復物(歯科補綴装置)を装着することにより形態を再建し、咀嚼、発音、嚥下などの口の機能の回復ならびに保全を図ります。
 歯を失った患者さんに対しては、固定製や取り外し式の入れ歯(義歯)や歯科インプラントなどの手法による歯科補綴装置を装着し、咀嚼、発音、嚥下などの機能の回復と顔貌の回復をはかるための専門治療を行います。
 さらに、睡眠時のいびき(いびき症)や、いびきといびきの間に息がとまってしまう(睡眠時無呼吸症)患者さんに対して、内科や耳鼻咽喉科の専門医と連携を図りながら、マウスピースのような特殊な装置を用いての治療を行っております。

かぶせ物(クラウン・ブリッジ)による治療

  • 冠(クラウン)
    虫歯の進行や歯の破折などに対して、欠損部分を金属、レジン(プラスチック)、陶材(セラミック)などの人工修復物(歯科補綴装置)を装着することにより、機能ならびに「見た目」を回復させます。
  • 橋義歯(ブリッジ)
    歯が無くなってしまった部分に対して、隣在する歯を土台(支台)として歯科補綴装置を橋のように架けて治療する方法です。義歯という名前が付いていますが、入れ歯のように取り外すことは出来ません。

部分義歯(部分入れ歯)治療

 むし歯や歯周病などが原因で、部分的に歯を失った場合の治療です。1~2本の歯が無くなった場合、ブリッジによる治療の方が違和感も少なく、また見た目も自然ですが、ブリッジの支えになる歯が丈夫でなかったり、失った歯の本数が多い場合には部分入れ歯による治療が適応になります。総入れ歯との一番の違いは、入れ歯がはずれないように残っている自分の歯に維持をもとめるための金属製の支台装置と呼ばれる部分が付いているところです。
 部分義歯はその作り方やデザインあるいは材質によって装着感の良し悪しが大きく異なります。患者さんにとって最適な部分義歯を作製いたします。

インプラント治療

 部分的に歯を失った場合、顎の骨にチタンなどの金属で出来た歯の根の代わりをする物(人工歯根)を植え付け、その上に人工の歯を装着する治療方法です。かつては部分入れ歯を入れる以外に治療法がなかったような症例でもインプラント治療を行うことにより差し歯同じような違和感の少ない治療成果が得られます。診断科・口腔外科・歯周病科などと連携し、手術、人工歯装着、メインテナンスまでの一連の治療をサポートいたします。
 インプラント治療が出来るかどうかは患者さんの顎の骨の状態、あるいは全身の健康状態と深く関連しておりますので、担当医とよくご相談ください。

歯周補綴治療

 歯周病(歯ソーノーロー)に冒されると、歯が動揺したり痛みを感じたりしてよく噛めなくなります。このような場合では、人工歯によって噛み合わせを変えたり歯の動きを止めることが必要となり、この専門治療を行います。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)やいびき症の治療

 一般的にOSASの治療には、CPAPと呼ばれる鼻マスクを通して空気を持続的に送る装置を使用する方法や扁桃腺や軟口蓋の肥大した部分を外科的に切除する方法、また顎や舌を前に出すよう調節したマウスピースを用いる歯科的な方法が主に挙げられます。
 当科では、マウスピースを用いた歯科的な治療について専門に行っております。マウスピースを用いた治療は、CPAPと比べ治療効果は低いとされますが、装置が小型で装着が簡単なことや違和感が少ないと言われています。主に軽症から中等度のOSASに対し適応とされ、重症のOSASに対しては適応でないとされていますが、マウスピースの治療効果は人により異なりますので軽症でも効果がない人や重症でも効果が大きい人もいますので、重症の人に試行する場合もあります。
 マウスピースは、歯を固定源にするため歯の少ない人や歯科治療の必要な歯が多数ある人、進行した歯周病の人、また顎関節症の人には適さないとされておりますが、当科ではそういった人にもそれらの治療を含めて、なるべく対応できるようにしております。
 なお、保険診療にてマウスピースの治療を行う場合、医科医療機関での診断・紹介状が必要となります。またマウスピース装着後、治療の効果をみるための検査が必要となります。

診療の特色

 歯の抜け方は人によって様々です。例えば、歯が一本だけ抜けてしまった場合(一歯欠損)から、歯が一本しか残っていないような場合(一歯残存)といったようにその組み合わせは多様です。従ってその欠損様式によって一番良い治療法を選択しなければなりません。部分義歯(部分入れ歯)による治療法は、その全てに対して適応することが出来ます。
 また、上下顎に自分の歯があっても互いに咬み合わないような症例(すれ違い咬合)は、一般に難症例と言われています。当科ではこのような症例に対してもその専門性を生かし、適切な治療を行っております。

年間症例数

(平成27年度)

外来患者総数(延べ数) 12,661人
新患受け入れ数 227人
ユニット1台当たり患者数 132人/月

診療科より皆さまへ

 私ども東北大学病院附属歯科医療センター咬合回復科は、最高水準の診断と治療を目指して日夜努力しております。日頃、歯が抜けてしまったがどういう治療を受ければよいのかわからない、あるいは部分入れ歯を使っているがどうもしっくりこない、物が良く咬めないと感じている患者さん、また部分入れ歯を入れるのはちょっと抵抗があるし、もっと良い治療法はないかと考えている患者さん、その他咬み合わせ等で悩みをお持ちの方は一度当科を受診しご相談ください。

東北大学病院で欠損補綴、睡眠時無呼吸症候群の臨床・基礎研究に興味をもつ研修医の皆さまおよび東北大学病院での研修に興味のある学生の皆さまへ

 私たちは、最高水準の欠損補綴および睡眠時無呼吸症候群の実践および臨床的・基礎的研究を通じて、将来を担うリーダーを育成することをめざしております。現在大学院生は19名です。各々の出身大学/初期研修病院は大変バラエティーに富んでおり、非常に良い雰囲気で臨床および研究を進めています。欠損補綴(部分床義歯、インプラント補綴)および睡眠時無呼吸症候群に興味を持つ歯科医師の皆さまの新たな入局を歓迎いたします。また、東北大学病院での初期研究に興味のある学生の皆さまを歓迎いたします。

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