東北大学病院

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形成外科

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【病棟】東病棟 5F・10F 【外来】外来診療棟C 3F 【外来受付電話番号】022-717-7748

科長あいさつ

 当科は1963年、東北大学整形外科内に形成外科診療班が設置されたのが始まりです。1974年、藤田晋也が長町分院形成外科科長となり、1980年長町分院は本院へ統合され、1982年形成外科助教授に昇任しました。手の外科及び体表先天異常の臨床的、疫学的研究を中心に全ての形成外科疾患を対象とした診療が行われました。1995年山田敦が東京大学形成外科助教授より助教授として転任し、1999年大学院重点化に伴い診療科より講座となり、機能回復外科学分野教授に昇任し2004年より形成外科分野に組織改変されました。

 形成外科は、先天的あるいは後天的な体表の変形を手術的に形態ならびに機能を正常な状態に復して、精神的にもQOLを高め社会復帰することを目標としています。当科の診療内容は形成外科全般にわたり、全身の体表先天異常、外傷(主として顔面と手)、腫瘍の再建を幅広く行い、苦しむ患者さんに最高の医療を提供すべき努力をしています。唇裂・口蓋裂を中心とした顎顔面骨発育異常の発生、疫学、治療に関し基礎的研究から歯科顎口腔機能治療部との緻密な連携を取った集学治療による最先端の治療を行っています。種々の皮弁を駆使した悪性腫瘍切除後の機能的再建法の開発、従来治療が困難であった皮膚のシミや色素沈着、ケロイドに対するレチノイン酸療法や、近年増加傾向にある糖尿病性皮膚潰瘍や褥瘡(床ズレ)などの難治性)皮膚潰瘍などに対してできるだけ侵襲の少ない手技で目立たないキズとなることを目標としています。

 これらの様々な治療法を駆使して、醜形に苦しむ患者さんに現在の医療水準に照らし合わせた最高の治療を提供したいと考えています。

教授 館 正弘

対象疾患と診療内容

 形成外科とは、一言でいえば「形を治す」外科です。対象となる部位は頭部から足先まで全身に及び、また対象となる疾患も非常に多岐にわたります。治すべき形の原因疾患としては次の項目のように大まかに分類されます。先天異常と美容外科を除けば、体表面にある何らかの「きず」が原因となっているため、形成外科医はきずを治す、またはよりきれいに治す医者ということもできます。

体表先天異常

 口唇裂・口蓋裂、小耳症、多指症、合趾症、漏斗胸などといった生まれつきの体表面の形態異常(いわゆる奇形)の大部分は形成外科の治療対象となります。これらの異常は咬合(歯のかみ合わせ)や発声機能、手足の運動機能などに影響を及ぼすために、小児科・歯科・耳鼻咽喉科・整形外科などの関連各科とともに生後早期からの治療が必要となります。

 また母斑や血管腫などといった生まれつきの皮膚病変(いわゆるあざ)に対しても形成外科では治療を行っています。

外傷とそれに関連する変形

 顔面や手など、外観や機能が日常生活にとって大事な部位の切創・裂創・皮膚欠損・骨折・熱傷なども形成外科の治療対象となります。皮膚を含めた外傷は受傷直後に適切な治療を行わないと、その後に大きな傷跡やひきつれ(瘢痕や瘢痕拘縮)を残すことがありますし、骨折についても変形を残す場合があります。また不幸にして外傷後に顔面や手などに目立つ瘢痕や瘢痕拘縮、あるいは骨を含めた変形が残ってしまった場合、それらの修正や矯正手術も形成外科にて行っています。

腫瘍と腫瘍切除後の組織欠損

 顔面の腫瘍では手術後の瘢痕(傷跡)がどうしても気になります。眼瞼(まぶた)や口唇・鼻などでは手術後の瘢痕が拘縮(ひきつれ)を生じてそれらの部位に変形を生じることもあります。そういった部位の腫瘍切除も形成外科が行っています。また、皮膚や粘膜部の悪性腫瘍(いわゆる癌)のほとんどは切除手術が必要となりますし、筋肉や骨などの悪性腫瘍(肉腫)の治療においても皮膚を含めた切除が必要となることがあります。そういった手術では必ず切除された皮膚・筋肉・骨などをできるだけ元に近い形に修復(再建)する必要があり、そういったことも形成外科では行います。例えば歯肉部(歯ぐき)の癌によって顎骨(あごの骨)も切除された場合には下腿の骨の一部を移植して顎骨を再建したり、乳癌によって乳房が切除された場合に腹部の筋肉と皮膚・皮下脂肪によって乳房の再建を行ったりするのも形成外科です。

瘢痕・ケロイド

 胸部外科や消化器外科・婦人科での手術後に胸部や腹部に目立つ肥厚性瘢痕(俗に言うケロイド)が残った場合、あるいはこういった手術や外傷などの原因がなく胸部などにケロイド(真性ケロイド)が生じた場合は、形成外科的な治療が必要となります。

その他の疾患・変形

 外傷や腫瘍切除後も含めた顔面神経麻痺に対する神経・筋肉移植による治療、加齢による皮膚たるみも含めた上眼瞼下垂の手術治療、腱鞘炎によるばね指や手掌(てのひら)の皮膚が徐々にひきつって指が伸ばせなくなっていくデュプイトレン拘縮の治療なども形成外科では行っています。足の爪が皮膚にくい込んで慢性的に痛みや炎症を生じる陥入爪や巻き爪の治療も行っています。また褥瘡(床ずれ)の治療も形成外科では行っています。

美容外科

 もともと正常な形であっても、より好みの形や別の形に変えたりするのが美容外科です。これらは保険適応にはならないため、今のところ当科では手術治療はまだ行っていませんが、加齢によるしみなどに対するケミカルピーリング治療を平成13年より行っています。

※各疾患のさらに詳しい説明については日本形成外科学会のホームページもご参照ください。

診療の特色

頭蓋顎顔面外科

 先天体表異常のなかで最も頻度が高いのは口唇裂・口蓋裂です。これらは顔面に大きな醜形を生じるため、機能的にもまた整容的にも早期により正常に近い形への修復が必要ですし、成人するまでの長期間の継続的な治療が重要です。東北大学では新生児期より歯科(歯学部)、耳鼻咽喉科、小児科などとのチーム医療によって口唇裂・口蓋裂以外にも小顎症、小耳症、頭蓋骨形態異常などのさまざまな先天異常に対し頭蓋顎顔面外科の専門外来を設けて診療を行っています。また外傷や腫瘍切除後の頭蓋顎顔面の変形に対しても同様に対応しています。

再建外科・マイクロサージャリー

 外傷や腫瘍切除などによって生じた組織の欠損や機能障害を手術によってできるだけ元に戻すのが再建外科です。欠損した組織範囲によっては皮下脂肪や筋肉あるいは骨を含めた組織の移植が必要となり、現時点では自分の他の部分の組織を移植するのが最も有効な方法です(他人からの皮膚・皮下脂肪・筋肉・骨などの移植はまだ非常に困難な状態です)。こういった組織の移植手術では顕微鏡を用いた血管吻合の技術(マイクロサージャリー)が欠かせません。

 当科では頭頚部や顔面においては脳神経外科、耳鼻咽喉科、眼科、歯科など、四肢においては整形外科や皮膚科など、胸部や腹部などでは外科や心臓血管外科などと連携し、このマイクロサージャリーの技術を積極的に用いた再建外科治療を行っています。

手の外科

 手の外科は現在ではほぼ整形外科領域になっていますが、東北大学においては形成外科でも治療を行っています。とくに手指切断の再接着手術は顕微鏡を用いた特殊な技術(マイクロサージャリー)を要するため、宮城県では主に形成外科が担当しています。

褥瘡の治療

 褥瘡(じょくそう)とはなんらかの原因によって体が動かせなくなったとき、体の重みによって圧迫を受けた部位の皮膚や皮下組織が壊死を生じたものです(俗にいうとこずれ)。これまでは寝たきり状態になってしまった人の背部や仙骨部(臀部の間)などによくみられたものでしたが、現在では長時間の手術や人工呼吸器装着中の絶対安静期間中にも発生する症例が増えています。こういった褥瘡のほとんどは全身状態が改善して体が動かせるようになれば治癒していきますが、場合によっては形成外科での手術が必要になることがあります。

 当科では平成15年10月にオープンした当院のWOCセンターと連携し、すべての入院あるいは外来患者さんの褥瘡治療を行っています。

年間症例数

(2011年)

新患者数 750人
入院患者数 248人
手術件数 入院手術 外来手術 合計
新鮮熱傷 18件 0件 8件
顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷 23件 7件 30件
唇裂、口蓋裂 112件 9件 121件
手、足の先天異常、外傷 10件 5件 15件
その他の先天異常 3件 1件 4件
母斑・血管腫・良性腫瘍 2件 42件 47件
悪性腫瘍およびそれに関連する再建 63件 15件 78件
瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド 8件 17件 25件
褥瘡・難治性潰瘍 30件 5件 35件
美容外科 1件 2件 3件
その他 3件 1件 4件
276件 104件 380件

診療科より皆さまへ

 形成外科はその内容をまだあまり正確にはよく知られていない診療科ですが、顔面や手の外傷、また外傷や手術後の瘢痕(きずあと)などといった実は非常に身近にある問題を治療対象とする科でもあります。しかし東北地方においては専門医が非常に不足していることもあってか、地域医療の中核となる病院や総合病院においてもまだまだ常勤医がいるところはごくわずかです。

 当科のこのホームページをご覧になった方にはぜひ形成外科の診療内容をご理解いただき、これに該当するような症状やそれに関する悩みなどがあれば、ぜひお近くの形成外科を受診・ご相談してください(東北大学形成外科の関連病院などについては最終項の関連情報をご参照ください)。

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