東北大学病院

English

文字サイズ

カラー設定

診療受付:8:30-11:00 再診受付機 8:00-11:00

休診日:土・日・祝・年末年始12/29-1/3

診療時間:平日 8:30-17:15

お問い合わせ:022-717-7000 [ 時間外・休診日 022-717-7024 ]

乳腺・内分泌外科

  1. トップページ >
  2. 診療科・部門 >
  3. 乳腺・内分泌外科

【病棟】西・東病棟 7F 【外来】外来診療棟C 1F 【外来受付電話番号】022-717-7742

科長あいさつ

 乳腺・内分泌外科は、乳腺と内分泌(甲状腺、上皮小体 [副甲状腺])、副腎および一般外科を対象とした診療科です。
1918年開設の教室の伝統を引き継ぎ、がんに関する研究・教育および診療に取り組んでいます。がんの研究・診療では、国立がんセンターなどの「がん拠点病院」を始めとする多くの診療機関や米国立がん研究所(NIH) を初めとする国内外の研究機関と連携しながら、科学的根拠に基づいた診療体系の確立をめざしています。
  診療に関しては、まず、乳がんが挙げられます。 今、乳がんは、日本人女性のがんの中では最も多く、毎年増え続けています。 私たちの診療科では、乳がんの早期診断・早期治療に努めています。 最新の画像診断(3Dマンモグラフィ、造影超音波検査、MRI、CT)をうまく組み合せることによって、触ってもわからないようながんも、診断が可能になっています。
  乳がんの治療においては、がんの根治性と整容性を兼ね備えた新たな「乳房温存療法」を確立し、優れた成績を挙げています。当院における「乳房温存療法」の実施率は約80%で、手術前の薬物療法でがんが縮小した患者さんにも行っています。また、乳房全摘後の乳房形成も保険適応の認定施設となっており、多くの患者さんがQOL (quality of life:生活の質)の高い治療法を選択されています。一方で、進行して発見された乳がんの患者さん、または再発された患者さんには、それぞれの病状に応じて、化学療法(抗がん剤)、内分泌療法、分子標的療法や放射線治療をうまく組合せることにより、治療効果を高めています。
  次に、甲状腺疾患についてです。甲状腺にはいろいろな病気がありますが、結節(しこり)が問題になるもの、機能(ホルモン量)が問題になるものに分けられます。結節の多くは手術の必要がない良性ですが、手術を必要とする悪性(がん)もあります。悪性であってもその多くは、進行のゆっくりした治りやすいタイプに属します。したがって結節の治療においては良悪の診断と適切な手術が重要であり、私たちは長年にわたりこれらに留意して診療してきました。一方、「機能」の病気ではバセドウ病(甲状腺機能亢進症)があります。この病気では手術以外にも、内服薬、放射線(ヨード剤)による治療があり、それぞれに長所と短所がありますので、患者さんが適した方法を選択していただけるよう留意しています。上皮小体 [副甲状腺]が病気の患者さんは甲状腺ほど多くはありませんが、その多くが手術の適応となります。また、診療以外にも国内外で甲状腺の検診を行うなど、長い間、甲状腺・内分泌疾患の診療・研究に貢献してきました。
  最近の動きで特にご紹介すべき点として、2006年度からスタートした厚生労働省「がん対策のための戦略研究」があります。がんは我が国の死亡原因の第1位であり、第3次対がん総合戦略でもがん罹患率と死亡率の減少を目指しており、「がん戦略研究」はこれを実現するための国家プロジェクトです。東北大学が中心となって全国展開しているJ-STARTは、この「がん戦略研究」の1つで、40歳代女性を対象として、マンモグラフィに超音波検査を併用した検診で、乳がんによる死亡率が減少するかを検証する研究です。この最初の研究結果を論文化して世界に向けて発信いたしましたところ、世界中から賞賛の言葉が届いています。乳がんによる死亡率を下げるための方策を確立するために、本研究を質の高いレベルで継続して行きたいと考えています。
  私たちの診療科は、日本外科学会、日本乳癌学会、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、ASCO(米国癌治療学会議)等の国内外の学会活動を通して、質の高い医療を実践しています。一方では、宮城県、仙台市、県医師会、市医師会等との連携を深め、地域医療にも積極的に貢献しております。これからも、あらゆる診療の局面において、患者さんのQOLを重視しながら、最適な治療を行うよう、努めてまいります。

教授 石田 孝宣

対象疾患と診療内容

乳腺疾患(乳腺悪性および良性腫瘍、乳腺炎、乳腺膿瘍など)

 日本では乳がんが急増し、女性のがんの中で最も多くなっています。増加の原因はいろいろ考えられますが、近年の少子化に伴う女性ホルモン環境の変化に拠るところが大きいといえます。そのことが閉経前40歳代に乳がんのピークを認める理由です。50歳以上でも乳がんは増加しています。社会でも、家庭でも最も頼りにされる年代の女性を乳がんから救うための対策が急がれます。乳がんの診断及び治療法に関しては、日本乳癌学会が「患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2016年版」を刊行しています。乳がん患者さんやそのご家族さまを対象に作成されたガイドライン(科学的根拠に基づいた乳癌診療ガイドライン)の解説書です(リンク参照)。
 乳房には乳がんの他にも、葉状腫瘍(良性〜悪性)、線維腺腫、乳頭腫、嚢胞などの良性腫瘤や、乳腺炎などの炎症性疾患、乳腺症などの様々な疾患が存在します。

甲状腺、上皮小体疾患(甲状腺悪性および良性疾患、甲状腺機能亢進症、機能低下症、上皮小体腫瘍、原発性および続発性機能亢進症など)

 甲状腺疾患は、腫瘍性疾患を中心に治療しております。甲状腺腫瘍の多くは手術の必要のないものです。これらを適切に評価し、治療法を選択するようにしています。甲状腺癌では、手術療法のみならず、放射線科と協力し、残存甲状腺切除後に高線量シンチグラフィと内部照射も行っています。また、他院で手術された方の再発腫瘍に対しても積極的に治療をしています。
 上皮小体(副甲状腺)疾患は、副甲状腺機能亢進症を中心に診療、治療しています。

副腎腫瘍(悪性および良性腫瘍、褐色細胞腫など)

 褐色細胞腫などの副腎腫瘍で、内視鏡的な手術では切除困難と判断されるもの(大血管などに浸潤がおよぶ可能性の高いものや、肝臓や膵臓に手をつけなければ摘出できないと判断されるようなもの)を中心に治療をしています。

診療の特色

 宮城県のみならず東北地方での乳腺・甲状腺検診を大規模に行い、疾患の早期発見に努め、検診体制から精密診断、手術、化学療法、内分泌療法、放射線療法を含めた集学的治療法に関して常に改善を試みています。特にマンモグラフィによる乳癌検診や、乳房温存療法等の研究は全国へ展開・普及し、標準的診断・治療として、わが国をリードしているといっても過言ではありません。

 東北大学病院は日本乳癌学会の施設認定を、スタッフは同学会専門医または認定医を取得しており、乳がんの早期診断から治療まで幅広く、しかも専門的視点から診療を行っています。乳がんの診断には、エコー下針生検などで必ず組織診断を着けることを原則としており、非触知乳癌に関しては、マンモトームを活用して早期乳癌の診断をしています。21世紀になり「乳がんになっても乳房を残すのが当たり前」と云われる時代になり、乳房MRI・CTによる画像評価や術前化学療法の導入により、乳房温存療法を積極的に取り入れています。乳がん患者の死亡率減少を目的に、手術、術前・術後化学療法、内分泌療法および放射線療法を組み合わせた集学的な治療で、一人ひとりの病気の進行度や細胞の特性に応じた「きめ細かな、優しい医療」を心がけています。

 甲状腺に関しては、日本だけでなく、ヨード欠乏地域として中国青山地区、チベットでの甲状腺検診、さらにビキニ環礁での水爆実験による放射線被爆で、甲状腺癌などの疾患がどのように増えたかという観点での調査を兼ねた甲状腺検診も行っています。

年間症例数

(2015年)

乳腺疾患 外来新患 512名
外来再来 9,686名
乳癌手術   158例
  乳房温存手術 115例
乳房全摘手術 43例
甲状腺、上皮小体疾患 外来新患 309名
甲状腺手術   83例
  甲状腺癌 65例
良性疾患 18例
副甲状腺手術   17例

診療科より皆さまへ

 乳腺に関しては、市中病院、地方病院では診断の難しい乳がんの診断、また治療の難しい高度進行乳がんの集学的治療を中心に症例を重ね、社会の要請に応える大学病院としての役割を担っていくべく努力しています。
 甲状腺に関しても、気管浸潤がんでの気管合併切除術や、悪性度の高い未分化がんに対する集学的治療なども行い、一定の治療成績を収めています。

 乳腺、甲状腺に何らかの自覚症状のある方、検診にて精密検査が必要とされた方、乳腺石灰化病変に対するマンモトーム診断のご依頼の方、他院で診断、治療に難渋しておられる方など、遠慮なくご相談ください。
 以下に乳腺外来、甲状腺外来の診察日を示しましたが、緊急時は必ずしもこの限りではありません。
また学会等により、休診となる事がありますので、あらかじめご了承ください。
詳しい日程につきましては、その都度、診療科の方までお問い合せください。

リンク