東北大学病院

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てんかん科

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【外来】外来診療棟A 3F 【外来受付電話番号】022-717-7751

科長あいさつ

 

 東北大学病院てんかん科は、国内の大学病院としては初の診療科名を掲げて、2010年3月に誕生しました。
 欧米では地域ごとに大学病院や大学病院規模の総合病院を中心とする包括的てんかんセンターを有し、成人てんかんの診療と小児てんかんの診療を分けて診療するのが普通です。しかし我が国では、小児科(とくに小児神経部門)による小児てんかん診療は広く実施されているものの、成人てんかんを何科で誰が診療すべきか大きな混乱がありました。当院でもすでに神経内科、精神科、脳神経外科、さらには小児科など、複数の診療科において成人てんかん患者さんの診療が実施されていました。てんかん科の発足により、これらの複数の診療科の連携役として、てんかん特有の問題を解決する体制が出来上がりました。2015年12月からは、東北大学病院てんかんセンターが発足し、てんかん科はその中心的役割を果たしております(図1)。
 従来、ともすると外来診療のみで診断を行わなければならなかったてんかんですが、ひとつの目安として外来診療1年を経過しても、てんかん発作が抑制されないなど悩みを抱えている患者さんの場合、ビデオ脳波モニタリングを含む入院精査が診断の見直しと治療方針の決定に有用となります。てんかん科では12歳以上の患者さんに対して、約4日間、連続してビデオと脳波で発作等をモニターする検査システムを導入しています。さらに2週間の入院期間を使って、神経画像検査、脳磁図検査、神経心理検査、心理社会的評価等を行い、退院後には症例検討会を行って治療方針を決定するシステムを採用しています。
 外来診療だけでは正しく診断できずに長年、悩みを抱えてきた患者さんや家族にとって、入院精査を核とする当科の診療方針は、人生をより良い方向に変えていけるものと信じております。

図1

教授 中里 信和

対象疾患と診療内容

 てんかんは有病率約1%の「ありふれた病」です。ありふれた疾患であるため、多くの医師が専門的な診断を経ずに、気軽に治療を開始してしまう傾向が、現在大きな問題となっています。脳神経系の診療科の専門医資格を持っていても、てんかん診療の専門家とは限りません。医師自身がてんかんを発症した場合に、自分で薬を処方して治療に失敗することが報告されているほどです。一方、てんかんは、患者さんやご家族にとっては「不治の病・救いようのない病」と誤解されがちです。専門医による正しい診療で、多くの患者さんは普通の方々と変わらない生活が送れるはずですが、現実には不完全な治療のために、たくさんの悩みをかかえたままで生活し続けている患者さんは少なくありません。

診療の特色

 当科ではまず、時間をかけた詳しい病歴聴取を重視します。脳波やMRIなどの検査に加えて、必要な患者さんには約2週間の入院をしていただき、脳波とビデオで長時間観察しながら、発作そのものをとらえて診断の精度を上げることも可能です。これによって、長年にわたり、てんかんとして診療されていた患者さんが、実はまったく別の疾患だったと判明することもあります。また、てんかん発作と、てんかん以外の発作が混在していることが判明し、正しい治療に結びついた事例も少なくありません。てんかんと診断された場合でも、発作のタイプや病気のタイプが正しく判明すれば、より適切な薬剤を選択することが可能になりますし、薬で発作が消失しない方の一部には、手術で治療する道が開けてくる場合もあります(図2)。
 てんかんは発作だけの疾患ではありません。当科に入院した患者さんの場合、必要に応じて神経心理検査や心理社会的評価も実施します。てんかん診療では従来、発作を減らすことや薬の副作用を減らすことだけに重きがおかれていましたが、何よりも患者さんや家族の悩みを解決し、てんかんがあろうがなかろうが、患者さんがベストの人生を歩んでいけるようお手伝いすることも、てんかん科の重要な役目です。
 入院検査等で診断のついた患者さんには、なるべく早い段階で紹介元の病院や、通院しやすいかかりつけ医に戻っていただき、普段の生活に支障を来すことなく治療を続けてもらう方針をとっています。こうした診療連携においては、てんかん科における診療を終了させることなく、定期的に、あるいは問題が生じた都度、てんかん科の外来にも受診していただき、かかりつけ医との連携によって診療が継続できるようにしています。



図2

年間症例数

 入院によるビデオ脳波モニタリング検査は、年間約160例程度を実施しています。てんかん専門外来での新患予約は、通常3〜5ヵ月待ちと混雑していますが、紹介元から診療情報提供を受けた時点で、緊急性のある場合などは紹介元に連絡をとり、治療方針について主治医と相談するシステムをとっています。

診療科より皆さまへ

 てんかん診療は地域との連携が大変に重要です。どんなことでも結構ですので、てんかんでお悩みのことがありましたら、当科に一度ご相談いただきたく、よろしくお願いいたします。
 当科を予約する際には、是非とも現在の主治医にお願いして、紹介状を用意してもらって下さい。当科において外来もしくは入院で診断の見直しを実施したあとは、再び紹介元に戻って治療していただく場合が少なくないからです。
 また当科を受診する際には、一緒に暮らしている御家族や、発作の様子に詳しい方を同席していだくようお願いいたします。てんかん発作は、大きな痙攣(けいれん)だけではありません。本人も気づかないような小さい発作が繰り返し生じていて、家族や居合わせた人たちだけが様子を覚えていることもあるからです。
 なお、患者さん自身や御家族の方が、てんかんについての基礎知識を勉強しておくことは、正しい診断をつける際にも治療を継続する際にも大切になってきます。その際には次の本をお薦めいたします。

参考

 中里 信和(監修):「てんかん」のことがよくわかる本.講談社 2015年(図3)。


図3