東北大学病院

ご案内 診療受付 8:30~11:00(再診受付機 8:00~11:00) 診療時間 平日8:30~17:15 休診日 土・日・祝・年末年始(12/29~1/3) TEL 022-717-7000(時間外・休診日 022-717-7024 )

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眼科

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【病棟】西病棟 12F 【外来】外来診療棟A 4F 【外来受付電話番号】022-717-7757

科長あいさつ

 東北大学は、東京大、京都大に続く三番目の帝国大学として1907年(明治40年)に発足しました。眼科学教室は1917年(大正6年)に小柳美三先生が初代主任教授に任命され、2011年現在で開設95年を迎えます。国内でも大変長い歴史を持つ眼科学教室の一つであります。「医学の先端を切り開く研究者を育成すると共に、高度な医学的知識・技術と豊かな人間性を兼ね備えた医療・保健の指導・実践者を育成すること」を使命とし、Vogt-小柳型ぶどう膜炎を報告された小柳美三初代教授が教室の基礎を築かれて以来、「桐沢型ぶどう膜炎」や「加齢黄斑変性症に対する虹彩色素上皮細胞移植」など世界に誇る成果と多くの優秀な人材を輩出してきました。私は第7代の眼学分野教授として、この伝統を引き継ぎつつ、優秀な教室員とともに新たな歴史を刻むべく精神誠意取り組んでおります。

 大学病院の使命には診療、研究、教育の3本柱があります。特に東北地方の中心的な基幹病院として、また基礎研究体制が整備されている数少ない研究中枢機関として、東北大学眼科学教室が世界から期待される眼科学の発展に果たすべき役割は大きいと考えます。

 「診療」は私が専門とする緑内障をはじめ、網膜硝子体、白内障、角膜、ぶどう膜、神経眼科、斜視弱視など、あらゆる眼疾患に対しても、総合的かつ高次元の医療を実践するような体制を築いております。特に、手術数の増加と成績の向上により、世界標準医療を提供する診療体制となっており、更に極小切開白内障手術やスモールゲージ硝子体手術など最新の技術革新を着実にフォローし、積極的に取り入れる方針でおります。

 「研究」は臨床研究により臨床上の問題点や限界を抽出し、基礎研究の手法を用いて解決する手法で行っております。既存の治療法で解決できない疾患に対する新たな医療を創成し、臨床にフィードバックする真の意味での「失明予防」を目指しております。私の専門とする神経保護治療開発研究は世界でもトップレベルであると評価をいただいており、これまで各種病態モデルを利用し、細胞レベル、分子レベルの病態解明を展開してまいりました。ここから、研究成果を臨床に還元するために「トランスレーショナルリサーチ」を強力に推進し、新規の治療法を我々の手で確立できるように進めて行く所存です。また、眼科学教室で行っているドラックデリバリーシステムの開発、網膜疾患の治療法の開発、遺伝性疾患の原因遺伝子同定など、いずれも世界に通じる研究成果を挙げていると自負しております。我々の研究室の特徴は異分野融合であり、医師、理工薬学研究者、企業からの研究者、海外からの留学生が同じ場所で議論しながら研究しているとともに、国内や海外施設との共同研究を行っています。お互いの研究を発展させ、世界高水準の研究を継続的にプロデュースしていきたいと考えます。

 最後に「教育」ですが、医療、医学の発展のために、良い医師、次世代を担う人材を育成することが私の使命と考えております。同窓会や関連病院の先生方と一体となって、到達目標、教育方法、評価法を明確にした教育研修プログラムを新たに作成し、眼科医師のプロフェッショナルとしての技術と倫理観とを習得できるよう心を配っております。豊富な臨床症例に支えられて、実力のつく実習が可能であると思います。

 我々の教室は常にオープンであり、我々の診療や研究、教育方針にご興味を持っていただける方がおられましたら、心より歓迎いたします。是非気軽に見学にいらしてください。一緒に新しい時代を東北大学から切り開いていきましょう。科独自のホームページも充実させております。是非ご覧ください。 

眼科学分野 中澤 徹

教授 中澤 徹

対象疾患と診療内容

緑内障

 近年、大規模な緑内障疫学調査から40才以上の約5%に緑内障があることがわかりました。実際に診断と治療を受けている人は10%にすぎません。緑内障外来では神経線維層解析装置を用いて視野検査で異常が出現する以前のごく早期に緑内障を捉える工夫をしております。また緑内障点眼薬について併用効果などの解析を行っています。薬物療法では限界のある症例もあり、緑内障手術を年120件程度行っております。早期発見、早期治療をすることで視野、視力を生涯保持することが緑内障治療においては最も重要であると考え、治療にあたっております。

角膜

 角膜外来は、眼球のもっとも表面に位置する角膜や結膜の疾患に対し、最先端の情報に基づき質の高い治療を提供できるよう努力しております。再発性翼状片、薬物による角膜化学傷やスチーブンスジョンソン症候群のような瘢痕性上皮傷害を来した難治症例については、羊膜移植と角膜上皮の幹細胞を補充する角膜輪部移植を組み合わせた再建術を、角膜移植は国内アイバンクからの提供を中心に、海外からの角膜も用い積極的に行っております。従来からの角膜全層移植手術に加えて、最近では角膜の病変部位に応じたパーツ移植の概念を取り入れた表層、深層表層、内皮移植を症例に応じて選択しています。当外来では患者さまひとりひとりに十分ご理解いただけるように詳しい病状説明を行うよう心がけております。

ドライアイ

 ドライアイ外来では、シルマー試験、涙液破層時間、各種生体染色検査、DR-1(涙液油層観察装置)、マイボグラフィー等の様々な検査法を用いて個々の症例の病態を評価しています。自覚症状の変化を詳細に問診しながら他科との連携を密にして診療を進め、その病態に適した治療法を選択しています。また結膜弛緩症に対しては涙液メニスカス再建術を精力的に行っており良好な結果を得ております。その他マイボーム腺機能不全に対する温熱療法の指導や、VDT作業やコンタクトレンズ装用者に対する生活指導も行っております。扱う疾患:ドライアイ、シェーグレン症候群、移植片対宿主病、マイボーム機能不全、VDT症候群など

網膜・ぶどう膜

 対象は網膜疾患全般とぶどう膜炎であり、最新の知見に基づき、世界最先端の治療を目指しています。まず様々な網膜硝子体疾患に対して、経験を積んだ専門医が最先端の外科的治療を積極的に行っています。経結膜無縫合硝子体切除術に抗VEGF抗体などの生物学的製剤も併用し、従来と同様以上の効果をあげ、さらに術後の異物感、炎症を抑えることができています。また加齢黄斑変性には光線力学療法(Photodynamic Therapy; PDT)も行っております。ぶどう膜炎は最新の機器を利用した解析が進み、さらに従来のステロイドや免疫抑制剤に加え、新しい薬剤の適応拡大や眼内に薬剤が徐放できるインプラント治療法が開発され、積極的に応用しています。

メディカル網膜

 メディカル網膜の対象疾患は、内科的処置で治療する網膜疾患です。良く知られた疾患から比較的稀な疾患まで多数含まれます。網膜の3次元構造を構築できる光学的干渉断層計を始め、最先端の機器を活用して病態を正確に把握し、治療方針を決めています。治療は、疾患や病態に応じてレーザー光凝固、光線力学療法(PDT)、トリアムシノロンのテノン嚢下注射や硝子体投与を行っています。アバスチン® (Bevacizumab)、ルセンティス® (Ranibizumab)、マクジェン® (Pegaptanib Sodium)の硝子体投与も行っています。今後、多くの新しい薬剤が登場してきますが、cost-effectivenessを考え、患者にとってメリットの大きい治療の組み合わせを展開していきたいと考えています。

神経・斜視・腫瘍

 神経・斜視外来は、主に視神経疾患、斜視や眼球運動障害、まぶたや瞳孔の異常などを対象としています。 視神経の疾患は多発性硬化症による視神経炎のほか特発性視神経炎、虚血性視神経症などが含まれ、視力低下や視野異常といった症状をきたします。神経内科などと連携して、診療を行っています。疾患によっては視機能の回復が困難な場合もありますが、当科のロービジョン外来と協力して、患者さまのクオリティ・オブ・ビジョン(視覚の質)を維持することを目指しています。その他、さまざまな原因による斜視・眼球運動障害、眼瞼下垂や眼瞼痙攣などの診療を行っています。

診療の特色

 当科では、緑内障、角膜、ドライアイ、白内障、網膜硝子体、ぶどう膜、神経眼科、斜視弱視のサブスペシャリティ(専門分野)に分けて取り組んでおります。中澤教授の専門の緑内障外来を中心として、どんな眼病気に対しても総合的かつ高次元の医療を実践するような体制を整えました。特に、手術数の増加と成績の向上、手術待ち時間の短縮を進めております。極小切開白内障手術や無縫合硝子体手術、光線力学的療法など新しい技術を積極的に取り入れております。

 病診連携を重視し最先端の医療を提供するために当科では、別表のような体制をとっております。新規の患者さまは教授診、Ⅰ~Ⅲ診の医師が基本的に診察いたしますが、特殊診あてにご紹介いただきました患者さまは、特殊診担当の医師が診察させていただきます。再診は基本的に各専門分野の医師が診察を担当いたします。特殊診は緑内障、角膜、ドライアイ、白内障、網膜・ぶどう膜、神経・斜視弱視、ロービジョンと疾患ごとになっており、各分野の専門医師がそれぞれの担当する疾患の管理を重点的に行っております。

年間症例数

手術実績

 平成18年5月からの新体制後6ヶ月間の手術実績をお示しします。病床稼働率は非常に高く、眼科病棟45床がほぼ満床の状態です(図1)。また専門領域のドクターのみが加療を行うため治療成績も良好であり、短い在院日数で退院することができます(表1)。よって病床の回転がよく、手術を予約された患者さまの待ち時間も大幅に改善され、数週間以内でご希望の手術を受けることができます。手術件数は月に120〜130件で、6ヶ月間では700件程度です(表2)。6ヶ月間の手術内訳は角結膜疾患74例(9%)、白内障396例(48%)、緑内障48例(6%)、網膜硝子体疾患275例(33%)、腫瘍・外眼部35例(4%)です。角膜移植、緑内障、網膜硝子体、腫瘍・外眼部手術件数が、いずれも飛躍的に伸びており、今後も手術件数の増加が予想されます。


図1 病床稼働率の推移

  5月 6月 7月 8月 9月 10月 5~10月
累計
平成16年 19.75 19.85 18.07 17.91 23.27 18.74 19.39
平成17年 22.88 20.07 26.82 14.95 12.70 23.39 19.77
平成18年 9.41 8.70 9.80 10.20 10.93 9.49 9.72

表1 平均在院日数の推移

  5月 6月 7月 8月 9月 10月 5~10月
累計
平成16年 58 74 59 61 44 58 354
平成17年 62 60 60 76 21 54 333
平成18年 104 140 106 127 129 125 731

表2 手術件数の推移

診療科より皆さまへ

 当科では中澤教授の専門の緑内障外来を中心として、どんな眼の病気に対しても総合的かつ高次元の医療を実践するような体制を整えました。常に病気の本態を元に、高度な臨床・研究の融合を考えております。また各々の医師がサブスペシャリティ(専門性)を持っており、総合的かつ高次元の眼科医療を展開していく努力をしております。

 実際には、手術数の増加と成績の向上、手術待ち時間の短縮を進めております。最新の機器を用いた多角的な診断、極小切開白内障手術や無縫合硝子体手術、光線力学的療法など新しい技術を積極的に取り入れております。ご不明な点は眼科外来までお気軽にお電話ください。

眼科外来 022-717-7757

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