東北大学病院

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診療受付:8:30-11:00 再診受付機 8:00-11:00

休診日:土・日・祝・年末年始12/29-1/3

診療時間:平日 8:30-17:15

お問い合わせ:022-717-7000 [ 時間外・休診日 022-717-7024 ]

神経内科

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【病棟】西病棟 11F 【外来】外来診療棟A 3F 【外来受付電話番号】022-717-7735

科長あいさつ

 脳はヒトの中で最も高度に分化した臓器であり、最も美しい臓器といわれています。そのヒトにとって大切な脳をはじめとした神経系の病気を扱うのが神経内科です。

 神経内科が担当する疾患は頭痛・めまい・しびれ・物忘れ(認知症)などのcommon diseaseから・脳卒中(脳血管障害)・脳炎・てんかんなどの神経救急疾患、それに変性疾患をはじめとする神経難病と多岐にわたります。私たちはこれら幅広い疾患の診療を担当し、脳外科などの他診療科、高度救命救急センターや地域医療機関を含めたチーム医療を大切にしています。医師不足が叫ばれる中でも神経内科医の不足は深刻です。一人でも多くの専門医を育てることが私たちの急務になっています。

 東北大学は日本有数の研究中心大学として、これまでに数々の世界トップクラスの研究成果を発信すると共に、多くの指導的人材を輩出してきました。東北大学のアクションプランである井上プランにも謳われているように東北大学は建学の理念として「研究第一主義」を掲げ、「世界リーディング・ユニバーシティ」になることを目標としており、神経内科も研究中心大学に相応しい研究レベルと世界で活躍できる人材の輩出を目指しています。神経内科の教室内では多発性硬化症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなどの筋疾患の研究を中心に研究成果をあげており、これらの研究も発展させ、さらには若い研究者の新しい研究を育てることで世界トップレベルの神経科学研究および再生医療拠点を目指しています。さらにはこの研究成果を臨床へ応用する橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ:TR)を実現するために、学内の未来医工学治療開発センター(TRセンター)や創生医学応用研究センターと連携して、大学発の創薬に取り組んでおります。

 私たちの使命は難しい病気も含めた脳の病気に対して研究を進め、新しい治療法を開発して社会に貢献すること、それと共に21世紀の医療および神経科学を牽引する優秀な人材を育てることだと考えています。

教授 青木 正志

対象疾患と診療内容

対象疾患

 神経内科は「脳や脊髄、末梢神経、筋肉の病気」を内科的に診断し、治療する科です。具体的には以下のような病気があります。手足のふるえやマヒ、歩きにくい、物忘れ、ふらつき、頭痛やめまいなどの症状がありましたら、神経内科の専門医に受診されることをおすすめします。
 一方で精神科や心療内科とは専門領域がまったく異なりますので、ご注意ください。
 また、当科には「多発性硬化症」、「パーキンソン病」、「脊髄小脳変性症」、「ALS」などの専門外来(予約制)もあります。

1.脳の病変によるもの

 脱髄疾患: 多発性硬化症(MS)、急性散在性脳脊髄炎など
 変性疾患: パーキンソン病、脊髄小脳変性症(SCD)、多系統萎縮症、ハンチントン病など
 認知症: アルツハイマー病、脳血管性認知症、び慢性レヴィ小体病、前頭側頭型認知症など
 脳血管障害: 脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血など
 感染症: 脳炎、髄膜炎、プリオン病、神経梅毒など
 代謝性脳症: 肝性脳症、ウェルニッケ脳症など

2.脊髄(せきずい)の病変によるもの

 炎症性・脱髄性: 多発性硬化症(MS)、HTLV-I関連脊髄症、急性散在性脳脊髄炎など
 運動ニューロン疾患: 筋萎縮性側索硬化症(ALS)、球脊髄性筋萎縮症など
 脊髄血管障害: 脊髄梗塞、血管奇形など

3.末梢神経の病変によるもの

 炎症性: 多発神経炎、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)など
 各種の遺伝性ニューロパチー
 その他: 内科疾患や中毒に伴う各種の末梢神経障害、顔面神経麻痺、神経痛など

4.筋肉の病変によるもの

 炎症性: 多発筋炎、皮膚筋炎、リウマチ性多発筋痛症など
 神経筋接合部の病変によるもの: 重症筋無力症(MG)、ランバート・イートン症候群など
 各種の筋ジストロフィー
 その他: 周期性四肢麻痺、代謝性ミオパチーなど

5.その他

 各種内科疾患に伴うもの: 傍腫瘍性神経症候群など
 不随意運動: 眼瞼けいれん、ジストニア、痙性斜頸、本態性振戦など
 片頭痛、てんかん、失神、めまい

診療内容

 神経内科の診療には3つの特徴があります。

  • お話(病歴)を十分うかがい、専門的な診察を丁寧におこなう必要があること
  • 複数の検査を組み合わせておこなって、はじめて診断できること
  • 多くは他科・他部門と協力して診療にあたる必要があること

 当科では各分野におけるエキスパート(神経内科専門医)が揃っており、とくに多発性硬化症(MS)やパーキンソン病の診断・治療については実績があります。このため、他の医療機関からセカンドオピニオンを求められることも多くなっています。また、多発性硬化症や運動ニューロン疾患に対する治験に協力しながら、将来的には高度先進医療の実施をめざしています。

 診療においては、下記のような検査を選んでおこない確実な診断が得られるようにつとめています。その後、診断結果にあわせた適切な治療方針を決定し、必要に応じて関連する他科や他部門のご協力をいただいています。また、お近くの病院へ通院される場合には地域医療連携センターを通して確実な診療情報提供を行っています。

おもな検査・医療設備

1.電気生理学的検査

  • 針筋電図: 筋萎縮性側索硬化症などの運動ニューロン疾患、いろいろな末梢神経、筋肉の病気の診断や治療効果の判定などに有用な検査です。
  • 神経伝導速度検査: 末梢神経の異常を調べるために有用な検査です。
  • 反復誘発筋電図: 重症筋無力症やランバート・イートン症候群の診断に有用です。
  • 誘発電位検査・磁気刺激:さまざまな種類があり、大脳皮質、視神経、蝸牛神経、脳幹、脊髄などの異常を探したり、経過をみたりするために有用な検査です。

2.病理検査(筋生検・神経生検)

 筋肉の病気の中でも炎症性筋疾患や筋ジストロフィーの診断に筋生検を行ったり、他の方法で診断が困難な末梢神経障害の診断に神経生検を行う場合があります。

3.髄液検査

 神経内科の対象疾患には、血液や尿の一般検査だけで診断できることは少なく、髄液(脳脊髄液)を検査することではじめて診断が可能になる病気がいくつかあります。とくに髄膜炎や脳炎、多発性硬化症やギラン・バレー症候群など、感染症や炎症性疾患では、診断や回復の程度をみるために有用です。

4.遺伝子検査

 遺伝性脊髄小脳変性症、家族性筋萎縮性側索硬化症、球脊髄性筋萎縮症、三好型筋ジストロフィー、ミトコンドリア脳筋症などの疾患で遺伝子診断を行っています[注]。

[注] 遺伝子診断には、ご本人やご家族の文書による同意が必要です。予約により臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けることが可能です。

5.画像検査その他

 ほかにも東北大学病院に設置された核磁気共鳴画像(MRI)、コンピューター断層画像(CT)、脳波、脳血流シンチグラム、ポジトロンエミッション断層画像(PET)などがあります。

診療の特色

 神経内科では、脳、神経、筋肉などの障害に基づく様々な症状と病気を扱っています。脱力、しびれ、ふらつき、頭痛、めまい、物忘れ、意識が遠のく、などの神経症状がある場合は当科にご相談ください。神経内科の病気としては、脳卒中、てんかん、偏頭痛その他の頭痛、神経変性疾患(パーキンソン病、多系統萎縮症、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症など)、免疫性神経疾患(多発性硬化症、重症筋無力症、ギランバレー症候群など)、神経感染症(細菌、ウイルス、かび、結核菌その他による髄膜脳炎、クロイツフェルトヤコブ病など)、末梢神経疾患(多発神経炎、単神経炎など)、筋肉の疾患(筋ジストロフィー症、多発筋炎、皮膚筋炎など)や内科疾患(例えば糖尿病、肝臓、腎臓、他の内分泌疾患など)に伴う種々の神経症状などを取り扱います。また神経内科は脳卒中や意識障害など救急医療の場でも必須の診療科となっています。さらには最近臓器移植などをめぐってよく話題になる脳死の判定にもかかわっています。
 当科では専門的な神経学的診察とMRI、脳波、筋電図、神経伝導速度、髄液検査、をはじめ様々な診断技術を駆使してまず病気の正しい診断をし、適切な治療法を考えていきます。また上に述べた神経難病(神経変性疾患、免疫性神経疾患)については専門外来を設けています。神経疾患の中には長期療養が必要な病気もたくさんありますが、それぞれの地域の病院と緊密に連携して診療しています。
 直接当科に初診で受診していただくこともできますし、受診中の病院からの紹介、セカンドオピニオンを求めたい場合、また神経の病気かどうか迷うこともあるかもしれませんが、どうぞ遠慮なくご相談ください。

年間症例数

東北大学病院神経内科 入院症例数(2006年1月~12月)(重複症例を除く)

感染症 12
ウイルス性髄膜脳炎 2
HAM 2
神経梅毒 2
ウイルス性髄膜炎 1
細菌性髄膜炎 1
真菌性髄膜炎 1
プリオン病 1
その他 2
血管障害 10
脳梗塞 5
脊髄動静脈瘻 2
脳内出血 1
脊髄梗塞 1
変性疾患 91
パーキンソン病・レビー小体病 35
運動ニューロン病 27
多系統萎縮症 10
脊髄小脳変性症 6
大脳基底核皮質変性症 3
アルツハイマー病 2
進行性核上性麻痺 2
球脊髄性筋萎縮症 2
痙性対麻痺 2
その他 2
脱髄疾患 45
多発性硬化症 22
脊髄視神経炎(NMO) 14
脊髄炎 7
急性散在性脳脊髄炎 1
脳症・炎症性疾患 25
自己免疫性脳症(疑い含む) 6
正常圧水頭症 5
限局性脳炎 5
神経ベーチェット病 2
その他 7
神経筋接合部疾患 33
重症筋無力症 29
ランバート・イートン症候群 3
アイザック症候群 1
末梢神経疾患 46
脳神経麻痺 10
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎 9
多巣性運動ニューロパチー 8
多発神経炎 6
ギランバレー症候群 3
フィッシャー症候群 2
その他 8
筋疾患 17
多発性筋炎・膠原病性筋炎 7
筋ジストロフィー 4
封入体筋炎 3
眼筋炎・眼筋症 2
低カリウム性ミオパチー 1
腫瘍性疾患 4
肉芽腫症 2
脳腫瘍 1
癌性髄膜腫 1
その他 21
てんかん 4
頚椎症性ミエロパチー 4
心身症・転換障害 3
リウマチ性多発筋痛症 2
その他(診断未確定含む) 8
合計 303

診療科より皆さまへ

 神経内科は中枢神経(脳・脊髄)、末梢神経、筋肉における内科的疾患を対象とする診療科です。
具体的には、

  • 頭が重い
  • 手足がしびれる
  • 手足が思うように動かない
  • 目が見えにくくなる
  • めまいや耳鳴りがする
  • 歩きにくくなる
  • ぼけたり記憶が悪くなる
  • 言葉がしゃべりにくくなる
  • けいれんが起こる
  • 尿が出にくくなる

などの症状のある方はご相談ください。
 ただし、妄想、幻覚などの精神活動の異常や心的要因に伴う疾患(不眠症、うつ病、分裂病、心身症、ひきこもりなど)は対象になりませんのでご注意ください。
 当科を新患で受診される際は必ず紹介状をご持参ください。
 また、CT、MRIなどの検査を他院で受けられている場合、忘れずにフィルム(可能であればコピーしたもの)をお持ちください。

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