東北大学病院

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診療受付:8:30-11:00 再診受付機 8:00-11:00

休診日:土・日・祝・年末年始12/29-1/3

診療時間:平日 8:30-17:15

お問い合わせ:022-717-7000 [ 時間外・休診日 022-717-7024 ]

呼吸器外科

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【病棟】西病棟 15F 【外来】外来診療棟C 2F 【外来受付電話番号】022-717-7877

科長あいさつ

 東北大学呼吸器外科は、1950年に抗酸菌病研究所外科学部門として発足し、わが国の呼吸器外科としては最も長い歴史を有する教室の一つです。私は2015年4月に、近藤 丘前教授の後を受け、5代目の教授・科長として着任いたしました。現在、教室としては加齢医学研究所呼吸器外科学分野として、診療科としては東北大学病院呼吸器外科として活動させていただいております。

 当科は、肺、縦隔、胸壁などの胸部疾患のうち、外科的治療を要するものを診療の対象としています。主な対象疾患は肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、気胸、胸膜悪性中皮腫、終末期慢性進行性肺疾患(肺移植)などで、年間200例から250例程度の呼吸器外科手術を行って参りました。また、2012年4月からは、病棟16階に呼吸器センター(一ノ瀬正和センター長)が開設され、呼吸器外科と呼吸器内科が同じフロアで入院診療を行うこととなりました。両科の連携による集学的治療を精力的に進めております。

 当科では、2016年10月現在9名の呼吸器外科専門医を擁し、手術の前週には科長以下スタッフ全員による術前カンファレンスを行うなどして、お一人お一人の病状に応じた最善の外科治療をご提示できるよう心がけております。肺癌の手術においては、患者さまの病状によって、4cm程度の創で行う完全胸腔鏡下手術、8〜10cm程度の小開胸で行う胸腔鏡併用手術、そして進行癌に対する開胸術を使い分け、根治性と低侵襲性との両立を目指しています。病院の性格上,肺癌症例では呼吸器や循環器などの基礎疾患合併例,透析を要する症例,胸壁や大血管への浸潤例、気管・気管支形成術を要する症例などを多数ご紹介いただいておりますが,健康診断で発見された一般的な肺癌疑い例の精査・加療ももちろんお引き受けしております。どうぞご遠慮なくお問い合わせ、ご紹介をいただければ幸いです。また,東北大学病院は全国に9カ所ある肺移植実施施設の一つに認定されており、東北・北海道においては唯一の肺移植施設です。2000年の本邦初となる脳死肺移植以来、2016年10月までに98例の肺移植(脳死肺移植:85例,生体肺移植:13例)を施行いたしました。脳死肺移植実施数はわが国では最多であり、肺移植後の5年生存率も75%を上回るなど、国際登録の成績(5年生存率約50%)を凌駕する良好な成績が得られています。今後も、肺癌などの一般呼吸器外科診療と肺移植医療を当科の両輪として、地域の皆様にお役にたてるよう全力で診療に取り組んで参ります。

教授 岡田 克典

対象疾患と診療内容

  呼吸器外科は主に肺、縦隔、横隔膜、胸壁における外科的な疾患を対象とする診療科です。これらの臓器、組織は生命の維持に欠かせない呼吸に関係する重要な部位です。呼吸器疾患に対して最善の外科治療を行うために、呼吸器内科、循環器内科、心臓血管外科、麻酔科、放射線診断科、放射線治療科、病理部、内部障害リハビリテーション科などと密接な連携を持って診療を行っています。
 当科で最も多く取り扱う疾患は原発性肺癌です。検診などで発見された肺の陰影の診断のために気管支鏡検査を行っています。呼吸器外科手術を安全かつ確実に行うため、また病気の状態を正確に診断するために、呼吸機能検査や肺シンチグラム検査を行います。気管支鏡検査で原発性肺癌と診断が確定した場合はまず手術を検討します。確定診断が得られない場合でも画像上原発性肺癌が疑われる場合には、手術による治療を行うことがあります。手術においては、胸腔鏡を導入し、手術創が小さく痛みの少ない治療を心がけています。気管・気管支形成や大血管の合併切除など、進行肺癌に対する手術も積極的に行っています。検診の中でも喀痰細胞診で見つかる中枢気管支に発生した上皮内癌に対しては、手術ではなく気管支鏡による光線力学的治療も行える施設です。気道を閉塞するような気管および気管支の病変に対しては、気管支鏡技術を駆使したステント治療も行っています。
 大腸癌、乳癌、腎癌、子宮癌、骨肉腫などの肺転移に対しても、主病巣がコントロールされている場合には積極的に手術を行います。
 気胸の治療に関しては、若年者の自然気胸はもとより、間質性肺炎や肺気腫などの肺疾患を合併した難治性の続発性気胸に対しても、全身麻酔下に行う手術治療を行なっています。患者さんの状態に応じて、全身麻酔が難しい場合には硬膜外麻酔などを併用した意識下手術にも取り組んでいます。
 縦隔腫瘍に対しては、胸腔鏡を用いた縦隔腫瘍切除、重症筋無力症に対する拡大胸腺摘除術を行っています。上大静脈など大血管に浸潤する縦隔腫瘍に対しては、人工血管を用いた血管再建を伴う縦隔腫瘍切除術も行っています。
 肋骨や胸骨などの胸壁腫瘍に対して、整形外科や形成外科と協力しながら胸壁再建を伴う胸壁腫瘍切除も行っています。また、臓側胸膜や壁側胸膜に発生した悪性胸膜中皮腫に対する胸膜肺全摘術、あるいは肺を温存する全胸膜剥皮術を行っています。 
 当診療科は、日本に9施設ある脳死肺移植実施施設の一つであり、脳死肺移植待機を希望される患者さんに対する検査および肺移植待機登録、そして脳死肺移植手術を行っています。適応は、内科的治療では制御できない慢性進行性肺疾患の患者さんで、適応疾患は、肺高血圧症、特発性間質性肺炎、二次性の間質性肺炎(膠原病に伴うものなど)、肺気腫、リンパ脈管筋腫症、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、造血幹細胞移植後肺障害などです。生体ドナーにおける手術のリスクと肺機能低下のデメリットを回避するために、当施設では第一に脳死肺移植を考慮します。どうしても臓器提供が間に合わないと考えられる患者さんで、生体ドナー候補者の自発的な強い希望がある場合には生体肺移植も考慮しています。2016年10月までに98例の肺移植(脳死肺移植85例、生体肺葉移植13例)を施行し、5年生存率75%以上の良好な成績を得ています。

(写真1)特発性肺動脈性肺高血圧症の症例の胸部レントゲン写真。心不全により心陰影の拡大が認められる。

(写真2)特発性肺動脈性肺高血圧症の症例(写真1)に対する脳死両側肺移植後の胸部レントゲン写真。心不全が改善し心陰影が縮小している。

(写真3)中枢型肺癌の気管支鏡写真。可視光気管支鏡(右)と蛍光気管支鏡(左)の写真。右上葉支が癌で狭窄し、蛍光気管支鏡にて癌の浸潤(マゼンダ色)が気管分岐部の高さまで及んでいいた。右肺管状全摘術(気管分岐部切除)を行った。

(写真4)中枢型肺癌(写真3)に対して、右肺管状全摘術を行った後の、気管・左主気管支吻合部の気管支鏡写真(左)と術後の胸部レントゲン写真(右)。

診療の特色

 肺癌の診療においては、特殊な手術技術や術後管理を要する患者さんのみでなく、健康診断で発見された一般的な肺癌疑いの方の精査・加療ももちろん行っています。どうぞご遠慮なくご紹介ください。また、肺移植実施施設の一つとして呼吸不全の方々に対して肺移植医療を行い、社会復帰をサポートしています。肺癌に関するセカンドオピニオンや肺移植の適応の可否に関わるコンサルテーションも受け付けておりますのでご遠慮なくご相談ください。

年間症例数

手術実績

  2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
全手術数   208 207 234 224 204
原発性肺癌 (内数) 65 93 82 79 74
  肺葉切除 55 75 64 65 50
  肺全摘 2 2 2 0 5
  その他 8 16 16 14 19
肺良性腫瘍   15 0 2 16 6
転移性肺腫瘍   32 32 23 33 26
中皮腫   1 0 2 3 2
肺結核   0 0 0 0 0
縦隔腫瘍   23 17 23 14 15
胸壁腫瘍   10 5 7 1 7
膿胸   7 4 9 3 5
気胸   18 18 18 21 12
肺移植   13 8 13 11 8
縦隔鏡   0 1 0 0 0
気管気管支形成術   0 3 1 1 5
その他   24 26 54 42 48

診療科より皆さまへ

  • 2012年6月より患者さんの待ち時間減少を目的に、新患完全予約制を導入しました。ご紹介いただく際には、地域医療連携センターにてご予約をいただき、予約日時を患者さんにお伝えいただければ幸いです。
  • 最初に受診される場合には、現在服用中の薬やお薬手帳などを持参してください。また、紹介状に加えて前医で行われた検査の結果やレントゲン写真、CTなどをご持参いたたければ、診療を行う上でたいへん参考になります。
  • 肺移植に関わるお問い合わせは、臓器移植医療部(022-717-7702)
    またはE-mail: aki-miki@umin.ac.jpまでお願いいたします。
    肺移植コーディネーターの秋場または担当医が対応いたします。

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