東北大学病院

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診療受付:8:30-11:00 再診受付機 8:00-11:00

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肝・胆・膵外科

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【病棟】東病棟 8F 【外来】外来診療棟B 2F 【外来受付電話番号】022-717-7740

科長あいさつ

 東北大学・肝胆膵外科は、89年の歴史を有する東北大学第1外科講座を母体とし、1999年に胃腸外科と共に誕生しました。

 私たちは肝胆膵疾患の外科治療を中心として診療しています。肝・胆道・膵臓疾患は診断・治療が困難な病気も多く、一般病院での治療が難しい疾患ですが、この領域の専門医が多数いる私たちの科は肝・胆道・膵領域のセンター的診療科として、東日本一円から患者さんが集まっています。

 特に胆道癌・膵癌・肝癌の手術数および手術成績は全国でも有数であり、さらなる治療成績の向上のため日夜努力しています。また、手術以外の治療法の研究も活発でインターベンション治療・免疫療法・癌化学療法・放射線療法などを組み合わせた集学的治療も行っています。一方では急性膵炎・慢性膵炎・肝内結石症・膵管胆道合流異常症などの特殊な良性疾患も数多く経験しています。

 このように肝胆膵外科領域は大手術が多いため、患者さんとの厚い信頼関係を築き上げる事が大変重要と考えています。外来受診時、入院時や手術前後の十分な説明(インフォームドコンセント)と、関連病院と連携したきめ細かいフォローアップを心がけています。また看護師・栄養師・薬剤師などのコ・メディカルとチームを作って治療に当っており、「患者さんに優しい医療と先進医療との調和」を基本理念として診療を行っています。他院からのセカンドオピニオンも受付ておりますので是非受診ください。

教授 海野 倫明

対象疾患と診療内容

 私たちの肝胆膵外科で扱っている疾患は大きく2つに分けられます。一つが肝・胆道疾患であり、もう一つが膵臓疾患です。
 ここでは、肝臓癌、胆嚢癌・胆管癌、胆石症・肝内結石症、膵癌、急性膵炎、慢性膵炎への取り組みについてご紹介します。下記以外にも、肝膿瘍、肝嚢胞、先天性胆管拡張症、膵嚢胞性疾患、膵内分泌腫瘍など、幅広く扱っております。専門外来は後述の担当医師が毎週月曜日と金曜日に行っております。

胆道癌

 胆道癌は以下の3つを総称している疾患です。

  • 胆管癌
  • 胆嚢癌
  • 十二指腸乳頭部癌

東北地方、特に宮城県は全国でも有数の胆嚢癌・胆管癌の多い県といわれています。

胆道癌の治療には以下の治療法があります。

1. 手術 2. 抗癌剤 3. 放射線治療 4. 胆道ステント 5. 集学的治療(1〜4)

 しかし、今のところ切除に勝る効果はあまりなく、手術で切除する治療が最も効果的です。
 胆道癌は、肝門部胆管癌、胆嚢癌、中部胆管癌、膵内胆管癌に分けられます。 これらの癌は肝臓、膵臓、十二指腸に近接して存在するため、これらの臓器を一緒に切り取る手術が必要となることが多く、難しい手術の一つですが、最近の外科の発達によりこのような手術を安全に行えるようになってきました。私たちも全国で有数の手術経験を持つ施設として、多くの学会に発表しています。

 とくに肝臓の入り口にできる肝門部胆管癌は、治療が最も難しい癌の一つですが、切除する肝臓を小さくし残す肝臓を大きくするために、手術前に門脈塞栓術を行うことで、安全に肝臓を切り取る手術が出来るようになりました。肝門部胆管癌は日本有数の多くの症例を扱っており、その治療成績も最近では5年生存率が約40%にまで向上しました。
 また、切除することが出来ない癌に対して、無理に切除せず、抗癌剤、放射線等を組み合わせた“からだにやさしい”集学的治療を実施しております。2006年6月、胆道の癌に対して効果のあるジェムザール®という抗癌剤が保健認可され、胆道癌に対しても積極的に抗癌剤が用いられており、これまで以上の効果が期待できると考えられています。

肝臓癌

 肝臓は、消化器のなかで、最大の臓器であり、「肝腎かなめ」といわれるように生命の維持のためになくてはならない臓器です。 現在、マスコミでは肝臓移植が注目されていますが、実際はほとんどの患者さんは、移植ではなく肝臓を切り取る治療を受けており、このような治療法の研究も大変重要です。肝臓癌には、慢性肝炎や肝硬変を基盤にして発生する肝細胞癌や、大腸癌や胃癌などの他の臓器から転移した転移性肝癌、胆管細胞から発生する胆管細胞癌などがあります。

 これらの肝臓癌に対して、私たちは、肝臓を外科手術により切り取る治療(肝切除術)を中心に治療を行っています。 肝臓は再生能力が強く、正常の肝臓であれば約4分の3を切除してもほぼ元の大きさに戻ります。しかし、肝臓の機能が低下している場合や、手術を希望されない患者さんに対して、カテーテルという細い管を用いた治療法や、細い針でエタノールを注入する治療法や、マイクロ波・ラジオ波などによる熱で癌を治療する最新の機器も導入し、これらの侵襲度の低い方法も積極的に取り入れています。肝癌についてさらにお知りになりたい方は、肝癌研究会のホームページをご覧ください。http://www.gakkai.net/kangan/ (新しいウィンドウで開きます。)

胆石症・肝内結石症

 肝臓でつくられた胆汁が十二指腸に出るまでの通り道を胆道といい、肝臓から十二指腸へと流れる胆管と肝臓の下で胆汁を蓄える胆嚢に分けられます。
 胆道の良性の病気の代表が胆石症です。東北大学第一外科では、創設時より胆石症の原因解明や治療法を研究してきました。この伝統が私たちのグループに引き継がれています。
 胆石症は現在では多くの場合、腹腔鏡というカメラを用いて手術が行われるようになり、傷の大きさはほとんど目立たず、手術後早期に退院可能となりました。

膵癌

 東北大学肝胆膵外科の膵臓疾患研究班では膵癌治療に全力を傾けています。 私たちは外科治療を軸に据え、放射線治療や化学療法、免疫療法などを組み合わせ、個々の患者さんに適した治療計画(オーダーメード療法)を立てています。 そして患者さんとご家族さまとともに病気の治療に取り組んでいきます。
近年、癌に対する治療の考え方も大きく変化しています。 拡大手術や副作用の強い治療は患者さんの生活レベル(QOL: quality of life)を低下させ、また、その治療に見合っただけの予後の改善が得られないことが判明してきました。 現在では、患者さんの生活レベルを維持することにも大きな配慮をはかって手術術式や補助療法を選択しています(QOLの重視)。

 さらに、入院中の治療だけでなく外来治療にも力を入れています(cureとcare)。 大学病院という性格から、最新の治療法や治療薬を一般病院より早く導入することも可能です。 これまでにも放射線の作用を増強させる放射線増感剤や樹状細胞を用いた免疫療法にいち早く取り組んできました(最新治療の導入)。 この結果、従来では見られないような膵癌病巣のコントロールや肝転移巣に対する治療効果が得られました。

 また、切除した膵癌標本を患者さんから許可を得ていただき、新しい治療法を開発するための研究に使用させていただいています。 膵癌発生と進展に関わる遺伝子異常の研究では世界的にも大きな成果を上げ、膵癌の遺伝子診断も可能となりつつあります。 また、風邪のウイルスを用いた遺伝子治療では著しい抗腫瘍効果が得られており、現在臨床応用に向けて準備を進めているところです(研究成果の臨床応用)。 難治癌である膵癌こそ大学の情熱と英知を結集して取り組むべき疾患と考えています。 詳細なデータにつきましては、当科独自のホームページにございますので、是非ご参考ください。

急性膵炎

 急性膵炎は重症化すると肺、腎、肝などの臓器を傷害し、DICを合併するなど生命を脅かす重篤な疾患となります。 現在、この膵炎の重症化の機序について、厚生省の「難治性膵疾患調査研究班」を中心に研究が進められております。 当科ではすでに1980年代後半より膵の動脈に抗膵酵素剤を選択的に投与するいわゆる「膵動注療法」を開発して成果をあげるなど、致死率の高い重症膵炎の患者さんを救うべく努力しています。
 最近では東北大学大学院医学系研究科内科病態学分野(下瀬川 徹教授)との連携も強化され、共同で重症膵炎の患者管理に当たっています。

慢性膵炎

 慢性膵炎は炎症過程の反復により膵組織が退行性変化を起こし、膵内分泌機能の荒廃を来す慢性炎症性疾患で、持続する腹痛や、消化吸収障害による下痢、脂肪便、あるいは糖尿病の合併など多彩な臨床症状がみられます。 これらの症状に対して、まずは内科的治療が試みられますが、仮性嚢胞や胆管狭窄、内科的にコントロールできない疼痛などがみられる場合は外科治療の適応となります。 当科では膵管ドレナージ術と膵切除術の長所を併せ持つ「膵頭部芯抜きを伴う膵管空腸側々吻合術」(いわゆるFrey手術)を積極的に取り入れ、慢性膵炎患者さんの術後のQOLの向上に努めています。

 当科ではまた、胆道・膵臓および脾臓疾患に対する低侵襲手術(腹腔鏡手術)も行っております。適応は比較的小さい膵臓腫瘍、特発性血小板減少性紫斑病等の脾臓疾患です。肝胆膵外科の経験を生かし、安全な手術を目指しております。腹腔鏡手術ならでは「傷が小さい」すなわち生体への侵襲を最低限とした利点を生かし、より進歩した手術を行います。是非ご相談ください。

診療の特色

 膵癌・胆道癌・肝臓癌はすべて難治癌であり、その治療には手術治療のみではなくそれ以外の放射線治療や抗癌剤治療、インターベンション治療を組み合わせて治療を行う必要があり、これらの疾患を専門とする専門医が何人も集まって治療する必要があります。私たちの科では、外科学会指導医・専門医、消化器外科指導医・専門医、肝臓専門医、消化器病専門医が多数おり、これらの専門医が治療の中心となります。
 肝切除術や膵頭十二指腸切除術などの難しい手術も多数の経験があり、その成績も日本で有数の施設です。セカンドオピニオンを求める患者さんからのご相談も積極的に受けています。

手術の現在・過去

 肝胆膵疾患は診断が困難な疾患の一つです。東北大学病院では2003年の10月から一度に16スライスもの画像処理が可能な新型のCT装置をアジアで初めて導入し、診断に応用しています。私たちの科と放射線科との協同のカンファランスを週一回行い、画像診断をより正確なものにする努力をしています。
 また、切除することができない膵癌や肝臓癌、胆道癌に対する研究を行っております。遺伝子治療や抗体を利用したミサイル療法、免疫細胞を賦活化する免疫療法などにも取り組んでおり、多くの成果を挙げています。また肝臓の生理機能を明らかにする研究をとおして、肝臓の機能をより理解し、肝臓の手術に応用しています。

 以下は平常時における予定を示したものであり、緊急時は必ずしもこの限りではありません。 また都合により、予告無く臨時的に変更する事があります。あらかじめご了承ください。
 詳しい日程につきましては、その都度、診療科の方までお問い合せください。
 詳細なデータにつきましては、当科独自のホームページにございますので、是非ご参考ください。

年間症例数

疾患別切除数

(2013年)

胆管癌切除 41例
肝臓癌切除 40例
膵臓癌切除 42例
その他の膵腫瘍切除 37例

術式別切除数

(2013年)

肝切除 73例
 肝葉切除 29例
 肝区域・亜区域切除 17例
 肝部分切除 24例
膵切除 113例
 膵頭十二指腸切除 59例
 尾側膵切除 34例
 膵全摘 9例
 フライ手術・膵部分切除 8例

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