東北大学病院

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診療受付:8:30-11:00 再診受付機 8:00-11:00

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呼吸器内科

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【病棟】東病棟 16F 【外来】外来診療棟C 2F 【外来受付電話番号】022-717-7875

科長あいさつ

 現呼吸器内科が取り扱う疾患は、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった慢性疾患に加え、肺炎、肺癌等幅広く、病態を把握するための基礎的基盤も、換気力学や肺拡散能といった呼吸生理学、免疫(アレルギー)学、腫瘍学、薬理学と広範です。さらに、住宅をはじめとした環境の変化から、アレルギー疾患である喘息は全年齢層を通して増加していますし、高齢化に伴いCOPDや肺癌も患者数が急増しています。

 他の領域の疾患も同様ですが、呼吸器疾患では特に診断の遅れが予後に大きく作用します。肺癌はもちろんですが、喘息やCOPDといった早期診断さえうまくされていればその後の管理は容易で、患者さんのQOLも殆ど損なわれないような疾患でも診断が遅れれば機能障害を起こし、度重なる発作(増悪)を起こしたり、濃厚な治療を必要とすることになります。こういったことの無いよう、当科では呼吸器疾患全般にわたり診療を行います。上に記した疾患に加え、睡眠時無呼吸症候群や原因の特定が困難な肺炎など、あらゆる呼吸器疾患に取り組んでまいります。

当科の詳細なご紹介は、独自Webサイトに移動しました。
是非、一度ご覧いただきたいと思います。

一ノ瀬 正和 教授

教授 一ノ瀬 正和

主な対象疾患

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 気管支喘息
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 肺腫瘍
  • 胸膜腫瘍
  • 間質性肺疾患
  • 特殊な炎症性肺疾患
  • サルコイドーシス
  • 呼吸器感染症

診療内容・特色

 当診療科は呼吸器に関連する内科系疾患を扱う診療科です。2012年4月から東と西の16階病棟に呼吸器センターが新設され、呼吸器外科と協力し合いながら、呼吸器疾患の診療に取り組んでいます。対応疾患は、気管支喘息や肺気腫などの閉塞性肺疾患、肺がんなどの呼吸器腫瘍性疾患、間質性肺疾患、呼吸器感染症と多岐に亘っています。とりわけ、難治とされる呼吸器疾患に対しても、エビデンスに基づく標準治療や臨床試験を実施しながら、最新かつ安全な呼吸器診療を提供していくことを目指しています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

 慢性閉塞性肺疾患 (chronic obstructive pulmonary disease:COPD)とは、タバコ煙などを長期間吸入することによって、気管支や肺胞に慢性炎症が生じ、気管支が狭くなり、肺胞の破壊が生じることにより、呼吸機能の障害が慢性的に進行する疾患です(図1)。

図1. COPDの肺病変(胸部CT像) COPDでは健常人と比べ黒く大きく抜けている部分が全体的に増加しており、
   肺胞構造が壊れていることが分かります。

原因と疫学

 COPDの原因の多くは長期間に及ぶ喫煙です。喫煙者のうち約15-20%程度が発症すると言われています。日本の疫学調査では、40歳以上の8.5%(530万人)が罹患していると推定されており、2011年の厚生労働省の統計では死因の第9位であり、気管支喘息患者の死亡率が年々低下する一方で、COPDの死亡率は今後も上昇すると予測されています(図2)。

症状

 労作時の息切れや慢性の咳、痰が初発症状です。一方で、疾患の進行が緩徐であることから症状の乏しい場合も稀ではありません。

診断

 スパイロメトリー検査(肺活量検査)を行い診断します。検査は簡単で短時間で済みます。当施設では、他の呼吸器疾患を除外するために、精密呼吸機能検査や胸部X線およびCT検査等を組み合わせることで診断をより確かなものとし、重症度や他の呼吸器疾患の合併(気管支喘息や肺線維症、肺癌等)、心疾患や糖尿病等のCOPDに合併する全身性疾患(併存症)も併せて診断します。

治療

 まずは禁煙です。呼吸機能障害が進行している場合や症状のある場合には、呼吸機能の改善や疾患の悪化を防ぐために、気管支拡張薬を主とした様々な薬物療法を行います。薬物療法の他にもリハビリテーション・栄養療法などを組み合わせて包括的な治療を行っていきます。重症の方には在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法、外科的治療などを行うこともあります(図3)。

 当科では、専門知識や治療経験の豊富な医師が診療にあたっており、一人一人の病状や病態を解析し、治療に役立てております。一人でも多くのCOPD患者さんのお役に立てるように頑張って参りたいと思います。

気管支喘息

 夜間や早朝に咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューといった音)を伴う息苦しさを自覚する疾患で、季節性(特に春と秋)に症状が悪くなることが多く、また、運動、寒冷刺激や感染などが増悪要因です。
 原因はアレルギー反応による、好酸球を中心とした気道の炎症です。典型例では診断は容易ですが、咳だけの症状の場合(咳喘息)は見逃される場合もあり注意が必要です。当科では「喀痰中の好酸球の増加」や(図1)、好酸球性気道炎症の程度と良い相関関係を示す「呼気中の一酸化窒素濃度」の測定で正確に診断できます(図2)。治療は「吸入ステロイド」に加え「気管支拡張薬」、「抗ロイコトリエン薬」で、適切な治療は症状を劇的に改善します(図3)。重症難治性でアトピー要因のある方には抗IgE抗体製剤といった新しい治療も行っております。

図1.誘発喀痰中の好酸球
好酸球:赤く染まった細胞

図2.呼気NO濃度測定検査の実際

図3.喘息治療におけるピークフロー(PEF)の推移

呼吸器腫瘍性疾患

 当グループでは、肺がんに代表される胸部悪性腫瘍の進行期の患者さんに対して、世界標準レベルの診断と治療を提供しています(図1)。そのうえで、さらなる治療成績の向上を目指した臨床試験や治験にも積極的に取り組んでおり、特に最新の分子標的薬を用いた治療に関しては、世界の標準療法を書き換える優れた研究結果も生み出しました(図2)。一方で、がんに伴う様々な苦痛に対する緩和ケアも十分考慮し、個々の患者さんに適した治療法を相談していきます。

図1. 稀な遺伝子変異EML4-ALKによって生じた肺がんに対して、分子標的薬クリゾチニブが著効した例

図2. EGFR遺伝子変異陽性の肺がん患者さんに対して、分子標的薬ゲフィチニブ(赤線)が
   従来の抗がん剤治療(青線)よりも明らかに長く有効であることを示した臨床試験(NEJM誌掲載)。

睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に10秒以上の呼吸停止が繰り返し認められる病気です。原因は大きく分けて2つあり、空気の通り道である上気道が睡眠中に狭くなり呼吸ができなくなってしまう閉塞性タイプと、呼吸中枢の異常により呼吸が止まってしまう中枢性タイプがあります。SAS患者さんの多くが閉塞性タイプです。
 閉塞性SASの主な自覚症状としては、日中の眠気や倦怠感などがありますが、無症状のかたも多くいます。閉塞性SASでは、難治性高血圧、不整脈、脳・心血管障害などのリスクが高くなり、突然死を引き起こすこともあります。また、居眠り運転や労働災害の原因にもなっています。
 診断は、睡眠中の呼吸状態や脳波などを詳しく調べる終夜睡眠ポリグラフィー検査で行います。治療は、減量や生活習慣の是正(節酒、睡眠剤の中止など)を行うとともに、症状・重症度に合わせ、持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)や口腔内装具装着などを行います。中枢性タイプは、心不全や脳血管障害の方に見られることが多く、特に心不全では中枢性タイプの睡眠時無呼吸により、心不全の予後が不良となることが明らかとなっています。中枢性タイプの場合は、原疾患の治療とともに、CPAP療法や換気補助療法を行います。

間質性肺疾患

 空気の通り道である気管は肺の中で多数の枝に分岐し、最終的には多数の肺胞という小袋に分かれます。肺胞の壁を肺胞壁と呼びますが、健康な大人の肺胞壁の表面積の合計は、テニスコート一面分に相当します。肺胞壁の外側には毛細血管が走行しており、血流が肺胞壁に接している間に血液中の二酸化炭素と酸素の交換が行われます。これが呼吸の仕組みです。
 間質性肺疾患では、肺胞壁が厚くなったり、硬くなったり、破壊されたりすることで、ガス交換の効率が落ちたり、肺胞の表面積の合計が減少することにより、血液中の二酸化炭素と酸素の交換(特に酸素)が円滑に行われなくなります。そのため、他の呼吸器疾患に比べ低酸素血症が目立ちます。また、一般的に難治性で、診療には高度の専門性が必要です。
 間質性肺疾患は、薬の副作用、放射線治療の副作用、吸入物によるアレルギーや肺胞の障害、自己免疫疾患(膠原病や関節リウマチ)に合併するものなど多彩です。原因のわからない場合は特発性間質性肺炎と呼ばれます。
 難治性ですが、早期に診断し適切な治療を行うことにより、治療成績を改善することが出来ます。東北大学病院呼吸器内科では、東北大学病院呼吸器外科とも連携しながら、早期診断・医学の進歩に照らした適切な治療を患者さんに提供することに取り組んでいます。

特発性間質性肺炎(特発性肺線維症)

肺胞構造が広汎に破壊され、蜂巣肺を呈しています。早期発見治療が大切です。

サルコイドーシス

疾患の解説はこちらをご覧ください。

  • 原因不明の生体に有意義ではない肉芽腫が体中のいくつかの臓器にできてくる病気です。
  • 頻度は人口10万人に対して10~20人程度と比較的稀です。
  • 東北大学病院には現在150人程度通院しています。
  • 20歳代の男女と40歳以上の女性に発症することが多いです。
  • 両側肺門リンパ節、肺、眼、皮膚に病変をきたすことが多いですが、肝臓、脾臓、耳下腺、心臓、脳神経系、筋肉、骨などいくつかのいろんな臓器に病変を作ることもあります。
  • 遺伝や感染するような疾患とは考えられていません。
  • サルコイドーシスの肉芽腫は、近年では健常人でも持っているニキビの原因となるアクネ菌に対する過剰な免疫反応が関与しているという説が有力とされています。

サルコイドーシスの診断はどうしますか?

  • サルコイドーシス肉芽腫性疾患学会の診断の手引き2006に準じていくつかの検査をして診断をしています。

サルコイドーシスの予後・治療法は?

  • サルコイドーシスは自然に治る症例から必死な治療にも関わらず悪化する症例まで、経過の幅がとても広いことが知られています。つまり、患者さん個々で症状や経過が異なりますので、詳細は主治医に聞いてください。他人の経過が自分に当てはまることは稀ですので注意してください。
  • 治療は、ステロイド全身投与を長期間行うのが一般的です。
  • 東北大学病院のサルコイドーシスの診療実績はこちらをご覧ください。

サルコイドーシスの典型的な画像(自験例)

両側肺門リンパ節の腫大を胸部X線写真および胸部CTで認め、
Gaシンチグラムでの取り込み(黒く染まっている部分)はステロイド治療により減少することが分かります。

特殊な炎症性肺疾患

 肺胞蛋白症、肺リンパ脈管筋腫症(LAM)、ランゲルハンス組織球症(LCH)などの比較的希な疾患に対する診療も行っております。肺胞蛋白症に対するGM-CSF吸入療法や、肺脈管筋腫症に対するmTOR阻害薬を用いた治療など、試験的な治療にも日欧米の研究機関と連携しながら取り組んでいます。

自己免疫性肺胞蛋白症に対するGM-CSF吸入療法

重症の自己免疫性肺胞蛋白症に対しては、一般的には人工心肺と全身麻酔併用下に全肺洗浄療法を行いますが、負担の大きい治療です。上記の例では吸入療法のみで肺胞内蛋白蓄積が軽快し、在宅酸素療法からの離脱が可能でした。

呼吸器感染症

 近年の高齢化の進行に伴い、肺炎は悪性疾患、心疾患に次いで日本人の死因の第3位に上昇しており、肺炎を含めた呼吸器感染症は健康への大きな脅威となっています。また、医療の進歩により悪性疾患や慢性関節リウマチ等の膠原病などに対して様々な抗癌剤や免疫抑制剤が治療に利用されていますが、通常の免疫力のある方では発症しない病原体による呼吸器感染症を合併される患者さんも増加しています。我々呼吸器内科では、通常の抗菌薬治療にて十分な効果が得られなかった患者さんを中心に、呼吸器感染症の診療にあたっております。感染症の原因を診断するため、血液検査、胸部X線写真&CT等による画像検査、各種培養検査等を行う他、通常の検査で病原体を特定することが困難な場合は、気管支鏡検査により直接感染を起こしている部分を精査し、原因病原体を特定し適切な抗菌薬による治療を行っています。また、免疫力のない方で問題となる真菌(アスペルギルス感染症)やニューモシスチス肺炎に対しては、当科研究室独自に抗体検査や核酸増幅検査を行い、迅速な診断・治療に努めております。

図. アスペルギルスの沈降抗体。患者血清とアスペルギルス(菌体あるいは培養上清)との間に、
   沈降抗体の存在を示す沈降線が六角形として認められる。

年間症例数

外来患者数

(2014年度)

年間外来受診患者総数 18,464人
年間新患受診患者総数 1,564人
 他院からの紹介 355人
 院内他科からの紹介 1,209人

入院患者数

(2014年度)

年間入院患者数 1,199人
腫瘍性疾患
 肺がん 661例
 胸腺がん 9例
 悪性中皮腫 11例
 その他(悪性リンパ腫・悪性リンパ腫) 46例
 小計 727例
炎症・感染症呼吸器疾患
 気管支炎・肺炎・肺膿瘍・胸膜炎・膿胸 59例
 肺結核・非結核性抗酸菌症 8例
 喘息・COPD 24例
 間質性肺炎 56例
 サルコイドーシス 20例
 肺胞蛋白症 9例
 その他 76例
 小計 252例
総計 979例

気管支鏡検査数

(2014年度)

年間気管支鏡検査実施件数 278件

 

SAS検査

(2014年度)

睡眠時無呼吸症候群検査 220件

診療科より皆さまへ

診療科より他施設医療機関の方へ

新患外来は毎日行っております。紹介状を添えてご紹介ください。なお、新患患者さんのご紹介は地域連携を介してご予約いただくと診察の待ち時間が短縮されます。尚、診察は急を要する患者さんが優先されますので診察の順番が前後することがありますことをご了承いただければ幸いです。

外来担当医表はこちらから。

急を要する場合のご相談につきましては、当日外来担当医が対応いたしますので下記までご連絡いただければ幸甚です。

(月~金:9:00-17:00) 医局直通: 022-717-8539

また、当科では診断・治療方針に関して、セカンドオピニオン外来を開設しております。受診方法の詳細に関しては東北大学病院地域医療センターのセカンドオピニオン外来のページをご覧ください。

COPD・喘息外来へご紹介のお願い

当科ではこれまで以上に気管支喘息およびCOPDの患者さんの診断・治療に十分対応できる体制の構築を目指しております。その一環として平成25年5月より新たなCOPD喘息専門外来枠を設けました。

  • 咳喘息などの慢性咳嗽の診断・治療に難渋している場合。
  • 気管支喘息の診断にもかかわらず吸入ステロイドの効果に乏しい患者さんの治療方針にお困りの場合。
  • COPDと診断後、吸入治療の効果が乏しかったり、治療継続が困難な場合など。
  • 喘息とCOPDの鑑別が困難な場合など。

このような際には、是非一度、当科にご紹介いただきたいと思います。
当科にて精査を行ったのちに最善の治療を提供させていただき、また先生方のところで外来治療が継続できるようにご協力させていただきたいと思っております。
患者さんをご紹介いただく際にお役立ていただきたく専用紹介状を作成させていただきました。喘息やCOPD以外の患者さんのご紹介にもご利用ください。

※その他の呼吸器疾患も随時受け入れておりますので、
 下記外来担当医表をご参考の上ご紹介いただきますようお願い申し上げます。

東北大学病院 呼吸器内科 外来体制(平成25年5月~)

外来担当医表はこちら

COPD喘息外来への紹介状

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