東北大学病院

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診療受付:8:30-11:00 再診受付機 8:00-11:00

休診日:土・日・祝・年末年始12/29-1/3

診療時間:平日 8:30-17:15

お問い合わせ:022-717-7000 [ 時間外・休診日 022-717-7024 ]

循環器内科

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【病棟】西・東病棟 9F 【外来】外来診療棟A 2F 【外来受付電話番号】022-717-7728

科長あいさつ

 循環器内科は、大正2(1913)年に設立された旧第一内科を母体とし、100年の循環器診療の歴史と伝統を有する診療科です。平成10(1998)年の大学院重点化に伴う大学病院の改組により、現在の循環器内科として新たに歩み始めました。

 現在は、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、心不全、肺高血圧症、不整脈、心筋症など、循環器疾患の幅広い範囲にわたって、大学病院としての最新の高度医療を行うべく、教室員一同、日夜努力しております。また、明日の医療を担う若手医師の育成にも積極的に取り組んでおります。

 私は、平成17(2005)年に着任いたしましたが、高齢化社会を迎えている我が国にあって、ますます増え続ける循環器診療のニーズに応えながら、大学病院の使命である高度先進医療の研究開発・実践と次世代を担う循環器専門医の育成に全力で取り組みたいと考えております。

下川 宏明 教授

教授 下川 宏明

対象疾患と診療内容

 食生活の欧米化や人口の高齢化により、循環器疾患を持つ人は増加しています。また、日本人の死因の第二位は心臓病であり、その割合は年々増加しつつあります。循環器内科では各種心疾患に対して専門的かつ高度な診療を行っています。以下に、当科で診療している心臓病の概要について記しました。重症の心臓疾患、肺疾患に対する心臓移植・肺移植の認定施設にもなっており、随時受け入れが可能です。また、心臓血管外科・放射線部と連携し心臓カテーテル検査や心臓血管手術が円滑に行えるよう配慮していることも特徴の一つです。緊急対応可能なチームおよび病床を用意し24時間態勢で紹介救急患者の受け入れを行っています。心臓病には数え切れないほどの種類があり、カテーテルによる検査・治療だけでは、そのほんの一部しか治療できないのです。我々はカテーテル治療は勿論、ありとあらゆる心臓病について、熟練の必要な薬剤の使用、今後増加する機械を用いた治療、さらには移植治療まで全ての対応が可能です。ここに解説されていない病気につきましてもお気軽にご相談ください。

狭心症

 狭心症は心臓を養う冠動脈の動脈硬化性病変により血行障害が生じ、心臓に十分酸素や栄養物が行き渡らなくなって特有な胸痛(締め付けられるような痛み)が生ずる病気です。その病態によりいくつかの種類の狭心症があります。

1) 労作性狭心症

 安静時には無症状ながら階段昇降や坂道歩行、駆け足、精神的緊張など、心臓に負荷がかかったときにそれに見合うだけの十分な酸素が行き渡らず、胸が苦しくなる疾患。運動負荷心電図や24時間ホルター心電図、運動負荷心筋シンチグラフィー、薬物負荷心筋シンチグラフィーなどで診断し、最終的には冠動脈造影にて動脈硬化巣の部位診断、重症度診断を行い、治療方針を決定します。治療としては薬物治療、カテーテルによる血管形成術(ステント留置を含む)、外科手術(バイパス術)などの方法があります。当科は、これらの治療の適応とならないものに対し、衝撃波治療という先進治療を行っている全国唯一の施設です。

2) 冠攣縮性狭心症

 冠動脈に痙攣(攣縮、スパズム)が生じて閉塞するために胸が苦しくなる疾患。発作は夜間から明け方に多く、運動とは無関係に生じます。日本人に多いとされています。ホルター心電図で胸痛と一致した典型的な心電図変化が見られれば診断がはっきりします。ホルター心電図で診断がつかなければ、冠動脈造影を行い、冠動脈の痙攣を薬物によって誘発して診断を確定します。治療は薬物治療が適応となります。

3) 不安定狭心症

 症状が不安定な狭心症(狭心痛の頻度や痛みの強さが増強したり、より軽い労作で起こるようになったりする)で、高率に心筋梗塞に移行するとされます。直ちに入院して治療を開始する必要があります。当科では早期に血管造影を行い、適応症例にはカテーテルによる血管形成術を積極的に行い、手術適応例に関しては、心臓血管外科との緊密な連携により治療を行っています。(高橋)

急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome: ACS)と経皮的冠動脈インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention:PCI)

1) 急性冠症候群(ACS)

 1992年に提唱された冠動脈の重要な病気で、急性心筋梗塞症と不安定狭心症を含んでいます。急性冠症候群は、心臓に血液を供給する冠動脈の硬化による高度狭窄部位(血管の細くなったところ)で発症するのではなく、狭窄が軽度~中等度の部位における冠動脈プラーク(粥腫:ニキビのような血管の吹き出物です)が破れることで血栓形成や血小板凝集(血のかたまり)・攣縮(血管のけいれん)により発症すると考えられています。プラーク破綻とは冠動脈壁に形成されたプラークを覆う繊維性皮膜の破裂またはびらんの形成をさし、黄色調で線維性被膜が薄い脂質や炎症細胞に富むプラークが破れやすいと考えられています。

2) 急性心筋梗塞

 冠動脈が閉塞(つまることです)することで血液が流れなくなることにより、心臓の一部の領域への酸素の供給を妨げ、その部分の心筋壊死(えし)を招く疾患です。心室性不整脈や心原性ショック等、突然死の原因にもなります。 PCI (primary PCI)による急性期再灌流療法が普及した現在においても、入院後死亡率は約7~10%と報告される重症の疾患です。

3) 不安定狭心症

 10~15%が心筋梗塞に移行するとされ、急性心筋梗塞例の約50%は不安定狭心症の時期を経て発症するとされる危険な状態であり、疑診の段階で入院治療が必要です。新規の重症、増悪型の労作性狭心症や、亜急性(48時間-1ヶ月)あるいは急性(48時間以内)の安静時狭心症等が含まれます(AHA分類、Braunwald分類)。

4) 経皮的冠動脈インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention:PCI)

 1979年に開始された治療法で、末梢の動脈(大腿動脈、上腕動脈、橈骨動脈)よりカテーテル(細い中空の管)を冠動脈まで導き、その中を通してバルーンカテーテル(風船のついた管)や冠動脈ステント(動脈を広げる金属製の網状の筒)を持ち込み、冠動脈の内腔を確保し、血流を改善あるいは再開通させる薬物を使用しない治療です。安定狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞例における冠動脈の重症の(心筋の虚血を呈する)狭窄がその治療対象となります。現在ではACSの急性期治療として確立されており、入院後死亡率の低下および左室リモデリング防止の有効性(左室容積拡大の抑制)が期待できます。PCIにより治療した部位の慢性期再狭窄率(バルーンのみ:30~40%、金属ステント:20~30%)の低下がPCIの問題でしたが、2004年より本邦でも使用可能となった薬物溶出性ステント(Drug-Eluting Stent:DES)の登場により再狭窄率は著しく低下し、再治療例は減少しています(10%)。本邦では適応とされていないが、諸外国におけるいくつかの臨床研究によれば、ACSにおけるDESの遠隔期再狭窄率低減の可能性が示唆されています。当科において年間約350例の診断カテーテル検査、約140件のPCIを施行しており、その症例数は年々増加しています。大学病院という性格上、複雑病変、重症度の高い、あるいは特殊な併存症を有する症例が多くなっているのが特徴です。(高橋)

心臓カテーテル検査

 心臓カテーテル検査は、心臓の精密検査のなかでも最も重要な検査です。カテーテルはドイツ語で管を意味します。通常の循環器病院では心臓の表面を走行している冠動脈の検査である冠動脈造影(CAG)だけを行っているところも多いのですが、当院ではこの検査に熟達した専門医が多数勤務しており、カテーテルを使用して心臓の全ての場所を精密に検査することが出来ます。当院ではこの検査を年間約900人の患者さんに行っています。

1) 心臓カテーテル検査

 心臓カテーテル検査は、末梢の動静脈より、心臓内へカテーテルを挿入し、血液ガスや圧を計測して、血行動態を評価し、様々な心疾患の診断や重症度の評価を行うための検査です。最近では、この手技を応用して、冠動脈の再建や不整脈に対するアブレーションなどの治療も行っています。

2) 心臓内圧曲線分析

 心房や心室は、それぞれ固有の圧変化があり、これをカテーテルを通じて計測し、心臓の働きを評価したり、弁膜症を診断したりします。

心臓内圧曲線分析

図:カテーテル検査にて得られた
左室内圧波形

3) 心臓血管造影法

 心室や動脈に造影剤を注入して、心臓の容積や収縮力をみるとともに、弁疾患の逆流を評価します。また、冠動脈へ造影剤を注入することにより、狭窄部位の有無を調べます。心臓弁膜症や冠動脈疾患の診断に有用です。

心臓血管造影法

図:左心室内に造影剤を
注入して得られた左室造影像

4) 心筋生検

 心組織のごく一部をカテーテルを通して採取し、顕微鏡にて心疾患の原因を組織学的に診断します。心筋症の鑑別診断に有用です。(杉村)

心筋生検

図:心筋生検によって
得られた心組織の顕微鏡画像

急性心不全

 心不全とは、心臓のポンプ機能が低下して全身の臓器に十分な血液を送り出せない状態のことです。急性心不全とは、急に発症した心不全のことで、急性心筋梗塞や心筋炎などの発症が原因の場合や、慢性心不全が急に悪化した場合があります。治療は、集中治療室で行います。強心薬や利尿薬などの薬物治療で改善する患者さんが多いですが、非常に重症な患者さんでは、人工呼吸器や体外循環補助装置を用いた治療が必要になります。(伊藤 )

慢性心不全

 全ての心臓病はそのまま放置しておくと、身体に血液を送り出す働きが障害され、心不全と呼ばれる状態となります。この状態が長期間にわたって起こり次第に悪化していくとき、この病気を慢性心不全といいます。慢性心不全になると息切れや脱力感などが強く起こり、日常生活に支障が生じます。適切な治療を施さないと、症状が悪化し、最悪の場合には死亡する場合があります。慢性心不全の治療目的は、症状を軽くし、生活能力の向上をはかるとともに、最終的には長生きできるようにすることです。慢性心不全の治療は、心臓の悪くなっている場所を治療することは勿論ですが、弱くなった心臓の働きを助けたり、心臓の負担を和らげる治療が必要です。症状や病状が軽い場合は飲み薬による治療を行いますが、病状が重くなると点滴による治療が必要になります。さらに悪化した場合は、心臓血管外科と協力して補助人工心臓や心臓移植治療を行います。最近では、両心室ペーシングと言われるペースメーカに似た治療法が開発され、重い心臓病の方でも長生きできるようになりました。当科では積極的(年間約20例)にこの治療を行っています。これらの治療には医師以外にも多くのスタッフの協力が必要であり、多数の専門家のいる大学病院にしか出来ない治療を提供しています。毎日多くの患者さんが県内を問わず全国から紹介されてきます。(坂田)

心臓弁膜症

 心臓には4つの部屋があり、各部屋の入り口と出口には血液の逆流を防止する為の弁(僧帽弁・大動脈弁・三尖弁・肺動脈弁)があります。これらの弁が正常に働けなくなった状態を弁膜症といいます。弁膜症には狭窄症(弁が癒着して開口部が狭くなって血液の流れが妨げられること)と、閉鎖不全症(弁の閉じ方が不完全なために逆流を起こすこと)の2種類があります。弁膜症の原因は、先天的な障害から、感染症(リウマチ熱や心内膜炎)後、加齢・動脈硬化などの後天的なものまで様々です。臨床的に問題となる弁膜症のほとんどが、僧帽弁狭窄症・閉鎖不全症と大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症です。弁膜症の自然治癒は望めず、放置すると心臓に負担がかかり心不全の状況に陥ることがあります。治療が必要で、薬物により心臓にかかる負担を軽減させる内科的治療と外科的治療の2種類があります。根本的な治療法は手術で、弁自体は温存して悪い部分を修復する弁形成術と、弁そのものを人工弁に取り替える弁置換術とがあります。弁膜症の重症度と心臓にかかる負担を心臓超音波検査にて評価の上、治療方針を専門医師によりお伝えすることができますので、ご相談ください。(杉村)

不整脈

 東北大学不整脈グループでは、年間約140症例の高周波カテーテルアブレーション治療(心筋焼灼術)を中心として、心臓再同期療法、植え込み型除細動器の植え込み等など不整脈の高度先端治療を行っています。また、突然死を引き起こすといわれるブルガダ症候群の診断、加療を積極的に行っております。カテーテルアブレーションでは、現在注目されている薬剤抵抗性の心房細動(広範囲同側肺静脈電気的隔離)や、CARTOシステムというナビゲーションシステムを使い心筋梗塞などの器質的疾患や先天性心疾患に伴う心房性、心室性頻拍の治療を中心とした高度アブレーション治療を日々行っております。心臓再同期療法(CRT)では、右室、左室の両心室ペーシング治療により、重症心不全の患者さんのQOLが改善されるようになりました。また、日々の診療から臨床研究も行い、国内、海外の学会にて積極的に発表し、診療の質の向上に努めています。
 不整脈は、下図に示したように、大きく徐脈性と頻脈性の2種類に分けることができます。徐脈性に対しては、主にペースメーカー植え込みによる治療となり、頻脈性に対しては、カテーテルアブレーション、薬物治療、ICD(植え込み型除細動器)による治療となります。すべての不整脈に対して最高の治療をお約束できますので何なりとご相談ください。(福田)

不整脈

先天性心疾患

 うまれつき心臓の壁に穴が空いているものや、血管の走行に異常がある病気です。最近は小児検診が普及しているため、心雑音のあるものは幼児期の早い段階で診断がつくことが多くなりましたが、心雑音のないものもあり、成人して検診でひっかかる場合もあります。いずれも胸に機械を当てるだけの心エコーでわかることが多いのですが、わからないときには胃カメラのような形の心エコーで調べることもあります。異常が見つかれば、入院して心臓カテーテル検査という詳しい検査をして、必要があれば手術をすることになります。最も多いのが心房中隔欠損症(約5割)です。青年期までは症状がないことが多く、40歳を過ぎると不整脈や浮腫が出てくるようになります。次に多いのが心室中隔欠損症(約3割)です。小児で穴が小さい場合は自然閉鎖の可能性もありますので、しばらく内服治療で様子をみます。心不全があったり、肺の血圧が高くなると息切れや浮腫が出現したり、チアノーゼといって唇や手足が紫になる症状が出現してきます。その他には動脈管開存、ファロー四徴症、肺動脈狭窄症、エプスタイン奇形などがあり、軽いものは症状がありませんが、ひどいものになると心不全が出現したり、肺の血圧が高くなったりして、カテーテルを使った治療や外科的な手術が必要になることがあります。(建部)

肺動脈性肺高血圧症(原発性肺高血圧症、種々の膠原病に伴う肺高血圧症、先天性心疾患に伴う肺高血圧症、肝疾患に伴う肺高血圧症など)の診療

 原発性肺高血圧症(特発性肺動脈性肺高血圧症)に代表される肺動脈性肺高血圧症は、以前は診断後の生存期間は平均2〜3年と非常に予後不良な病気でしたが、現在では種々の治療薬により症状の改善や診断後の経過が改善されるようになってきています。比較的軽症の場合、治療の主体はカルシウム拮抗剤、ベラプロスト(ドルナー、プロサイリン)、シルデナフィル等の血管拡張薬と抗凝固薬(ワーファリン)の内服で治療を開始しますが、当初は軽症と思っていても、急速に病状が進行する場合もあります。現在、重症肺高血圧患者に最も有効と考えられている治療はプロスタサイクリン(フローラン)持続静注治療ですが、長期間の中心静脈カテーテルと携帯型ポンプを用いた治療であるため、患者さんやサポートしてくれるご家族さまの病気や治療に対するご理解が必要です。最近はフローランの他にもボセンタン(トラクリア)などの内服治療が可能な重症肺高血圧症治療薬が開発され、使用されていますが、いずれの治療も長期の継続が必要であるため、どの治療方法を選択するか、患者さんやご家族さまと相談しながら治療方法を選択していただきたいと考えています。一度フローラン治療を始めた患者さんでも、病気の状態が改善すれば、内服薬に変更することが可能な場合もあります。また、フローラン治療やその他の併用薬を使っても十分に病状が改善しない場合もあります。当院は肺移植手術が可能な施設であり、内科的治療で十分な効果が得られない患者さんの治療にも取り組んでいます。(杉村)

心筋疾患やその他の疾患

1) 特発性心筋症

 心筋組織の問題により心機能障害や不整脈を生じる疾患です。心臓の収縮性が低下して容積が拡大する拡張型心筋症、心臓の壁が不均一に厚くなる肥大型心筋症、心臓の壁が硬くなる拘束型心筋症、右心室の心筋が変性して生じる不整脈原性右室心筋症などの病型がある。それぞれの病型を心臓カテーテル検査や心筋生検、心臓CT、心臓MRI、心筋シンチグラムなどの検査で診断し、病型や程度に応じて薬物治療や植え込み型除細動器などで治療を行います。

2) 心サルコイドーシス

 心臓にサルコイドーシスの病変である類上皮肉芽腫が形成され、心不全や重い不整脈が出現するものが心サルコイドーシスです。心臓MRI、心臓PET、心臓カテーテル検査などにより診断をし、ステロイド治療の適応を判断します。また必要に応じて心臓ペースメーカや植え込み型除細動器などの治療を行います。

3) 心アミロイドーシス

 様々な原因で心臓にアミロイドが沈着することで生じ、典型的には拡張障害による右心不全や低血圧、除脈を呈します。心臓超音波検査、心臓カテーテル検査、心筋生検で診断し、背景疾患に応じて治療を行います。

4) 心ファブリー

 糖脂質代謝異常症で、心筋内に分解されるべき糖脂質が蓄積することにより、心肥大や不整脈を呈する疾患。心臓超音波、心臓カテーテル検査、心筋生検、酵素診断、遺伝子診断などで診断を行い、酵素補充療法などの治療を行います。

5) 心筋炎

 ウイルス、細菌による感染、膠原病などの全身疾患などによる炎症で心筋組織が障害されて発症します。重症心不全を呈した場合は経皮的心肺補助装置などを用いて治療を行います。

6) その他に急性心膜炎、心タンポナーデ、収縮性心膜炎、心臓腫瘍の診療を行っています。(杉村)

診療の特色

 当大学病院が、心臓移植および肺移植の認定施設であることから、重症心不全および肺高血圧症の患者さんが多いことが一つの特徴です。重症心不全では、今や常識となったβ(ベータ)遮断薬治療の導入はもちろんのこと、難治性の患者さんでは、適応を充分検討した上で両心室ペーシング治療を行っております。また、心臓血管外科の協力を得て補助人工心臓の植え込みも行っており、心臓移植適応の判定、登録申請も随時行っております。平成17年 東北地方初の心臓移植施行にも重要な役割を果しました。
 原発性肺高血圧症には、以前はなかなか良い治療法がありませんでしたが、最近はエポプロステノール(フローラン)という大変良い薬剤が使用できるようになりました。当大学病院は日本でも有数の症例数を経験しております。また、全国各地から患者さんが集まってきております。
 心筋梗塞・狭心症をはじめとする冠動脈疾患(虚血性心疾患)、不整脈、弁膜症、心筋症の患者さんも多数診ております。冠動脈インターベンション、冠動脈バイパス手術の適応を決めるには、狭くなっている冠動脈により養われている心臓の筋肉が確かに生きていることを確認することが重要ですが、当大学病院では、それを確認する最も信頼性が高い検査である[F-18]標識フルオロデオキシグルコースを用いた心臓ポジトロン断層撮影(PET)を施行できます。

重症狭心症に対する体外衝撃波治療

体外衝撃波治療による心筋血流の改善

我々が行ってきた基礎研究により、低出力の衝撃波(尿路結石治療の10分の1)を心臓に当てると、血管新生が起こり心筋虚血が改善されることが、明らかになってきました。

心筋血流が低下している部位

左上図の矢印の部位、および右上図の青で示された部位は、治療後に正常化しています。

当科では、倫理委員会の承認を得て、全国で唯一、重症虚血性心臓病の患者さんを対象に、低出力体外衝撃波を用いた非侵襲的な治療法を行っています。

お問い合せ先
循環器内科 菊地 翼 cswt@cardio.med.tohoku.ac.jp

急性心筋梗塞に対する体外衝撃波

 当科では、倫理委員会の承認を得て、2007年2月から、急性心筋梗塞の患者さんを対象に、低出力体外衝撃波を用いた非侵襲性体外衝撃波治療を行っています。低出力の衝撃波を体外から心臓に当てることにより血管新生を促し、慢性期の心不全発症を予防する治療法です。

急性心筋梗塞に対する体外衝撃波

下肢閉塞性動脈硬化症に対する体外衝撃波治療

 東北大学病院循環器内科と移植再建内視鏡外科が共同で開発した「下肢閉塞性動脈硬化症に対する体外衝撃波治療の臨床試験」に関する紹介記事が、平成19年11月5日に日本経済新聞に掲載されました。

下肢閉塞性動脈硬化症に対する体外衝撃波治療の臨床試験

倫理委員会の承認を得て、平成19年10月から下肢閉塞性動脈硬化症に対する非侵襲性の体外衝撃波治療の臨床試験を、移植再建内視鏡外科と共同で開始しました。
厚生労働科学研究費補助金の支援により当科で開発してきた体外衝撃波治療を、下肢閉塞性動脈硬化症に応用する世界初の臨床試験です。
慢性閉塞性動脈硬化症のために歩行時に下肢痛があり、200メートル以上歩けない患者さんが対象です。

お問い合せ先
移植再建内視鏡外科 芹澤玄 2nd-doc@umin.ac.jp

不整脈のカテーテル治療

 不整脈グループは、頻拍性不整脈に対するカテーテル・アブレーション治療を年間約140例施行しています。心房細動、術後、先天性心疾患に伴う心房粗動・頻拍、基礎疾患を伴う心室頻拍等、難治性の不整脈が多いのが特徴です。特に Electro-Anatomical Mapping system (EAM)の使用により、その起源、回路が同定可能となり、術後性不整脈や基礎心疾患を有する不整脈など、複雑な頻拍回路を同定する上で威力を発揮します。この装置はナビゲーションシステムであり、マッピング情報により頻拍の興奮順序を表すactivation mapや電位の分布を表すvoltage mappingのvirtual viewを描出しアブレーションの至適部位を見つけるのに非常に有用です。

肺高血圧症について

 このレントゲン写真はある患者さんの写真で、左が初めて肺高血圧症と診断されたときのものです。右はその20年後のもので、病気の進行とともにこのような変化が生じてしまいます。その進行を防ぐために内科的に新しい治療に取り組んでおり、さらに当院では外科的肺移植も行っています。

下川教授が2006年度の米国心臓協会(American Heart Association, AHA)学会賞を受賞

 当科の下川宏明教授が、世界最大規模である米国心臓協会(AHA)の2006年度の学会賞(動脈硬化部門、Jeffrey M. Hoeg award)を受賞し、4月29日に米国で受賞記念講演を行いました(会場で配布されたパンフレットを参照)。 受賞理由は、長年の心臓病学・動脈硬化学・血管生物学に対する基礎的・臨床的研究による貢献が高く評価されたものです。

下川教授が平成24年度日本医師会医学賞を受賞

 当科の下川宏明教授が、平成24年度日本医師会医学賞を受賞しました。(記事はこちらから)
「日本人の虚血性心疾患に関する基礎的・臨床研究」に関する業績が高く評価されたものです。

年間症例数

2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
(東日本
大震災)
2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
1. 延べ入院患者数 17,653名 17,475名 20,014名 19,230名 20,411名 19,016名 18,429名 18,461名 18,205名 19,441名
    病床稼働率 98% 97% 112% 107% 114% 98% 95% 96% 94% 100%
    平均在院日数 18.2日 18.4日 17.8日 16.7日 15.8日 13.8日 13.2日 12.7日 12.1日 12.3日
2.新患入院患者数 918名 912名 1,058名 1,094名 1,228名 1,280名 1,313名 1,365名 1,407名 1,482名
3. 延べ外来患者数 16,400名 16,237名 16,508名 16,341名 16,839名 18,417名 19,149名 19,965名 20,413名 22,024名
4. 新患外来患者数 620名 565名 736名 575名 624名 694名 679名 632名 658名 660名
5. 心カテ総数 860例 870例 1,016例 1,018例 1,181例 1,254例 1,319例 1,405例 1,405例 1,492例
6. 心カテーテル治療総数 292例 314例 390例 421例 405例 500例 587例 584例 597例 561例
7. PCI症例数 168例 215例 274例 252例 247例 263例 297例 274例 235例 209例
    初期成功率(CTO含む) 94% 94% 95% 97% 98% 98% 98% 98% 98% 98%
    バルーン冠動脈形成術 31例 17例 30例 21例 37例 29例 31例 49例 46例 33例
    ステント 135例 181例 229例 199例 206例 193例 221例 227例 188例 186例
      薬物溶出性ステント数 45例 96例 146例 142例 156例 171例 187例 201例 176例 165例
      金属ステント数 90例 85例 83例 57例 50例 23例 35例 26例 12例 21例
    冠動脈血管内超音波
(IVUS)使用例
169例 172例 230例 247例 237例 217例 267例 283例 283例 200例
8. 緊急冠動脈造影検査 89例 79例 79例 61例 60例 66例 79例 64例 73例 73例
    緊急PCI数 52例 45例 54例 37例 34例 42例 61例 44例 34例 25例
9. 肺動脈バルーン形成術 8例 42例 38例 78例 95例 70例 58例 66例
10. 冠攣縮薬物誘発試験 64例 42例 70例 55例 63例 112例 109例 103例 124例 112例
11. EPS/アブレーション数 24/108例 18/79例 15/108例 15/125例 15/120例 12/150例 17/195例 11/240例 14/236例 9/268例
    アブレーション成功率 95% 93% 95% 93% 94% 96% 95% 94% 96% 96%
    CARTO/Ensite使用例 57/7例 35/14例 43/16例 51/17例 69/25例 83/40例 116/36例 95/70例 127/55例 178/70例
12. 植込型除細動器 (ICD) 28例 25例 33例 31例 26例 41例 47例 30例 49例 51例
13. 両心室ペーシング(CRT) 16例 24例 29例 28例 25例 27例 37例 24例 33例 38例
14. ペースメーカー植え込み 22例 27例 21例 33例 46例 44例 49例 32例 42例 55例
15. 下大静脈フィルター 16例 20例 9例 8例 11例 8例 4例 13例 1例 2例
16. 心筋生検 42例 73例 92例 68例 125例 101例 136例 107例 132例 104例
17. 心エコー 2,855例 3,968例 4,813例 4,819例 6,290例 5,441例 3,893例 3,903例 4,191例 4,345例
18. 経食道心エコー 65例 41例 62例 77例 89例 123例 120例 178例 191例 213例
19. 運動負荷試験
(CPX含む)
259例 230例 168例 155例 151例 187例 158例 154例 139例 297例
20. 心臓核医学検査 1,040例 412例 343例 324例 621例 437例 484例 455例 278例 627例
21. 心臓・冠動脈CT 179例 137例 168例 160例 190例 424例 267例 381例 561例 437例
22. 心臓MRI 185例 258例 298例 224例 189例 239例 291例 288例 514例 373例
23. 心臓PET 43例 72例 73例 72例 60例 99例 111例 133例 219例 146例

PCI:経皮的冠動脈インターベンション
EPS:電気生理学的検査

診療科より皆さまへ

 私ども東北大学病院循環器内科は、最高水準の循環器疾患の診断と治療を目指して日夜努力しております。 循環器疾患をお持ちの方で診療を希望される方は、かかりつけの先生の紹介状をお持ちになって、循環器内科の新患を受診なさってください。

東北大大学院で循環器病の臨床・基礎研究に興味を持つ研修医の皆さまおよび東北大病院での研修に興味のある学生の皆さまへ

 私達は、最高水準の循環器内科臨床の実践および循環器病学の臨床的・基礎的研究を通じて、将来の循環器医療を担うリーダーを育成することをめざしております。循環器病学のすべての分野にわたり世界的水準を目指して日夜努力しております。現在大学院生は15名です。各々の出身大学/初期研修病院は大変バラエティに富んでおり、非常によい雰囲気で臨床及び研究を進めています。 循環器疾患に興味を持つ医師の皆さまの新たな入局を歓迎いたします。また、東北大学病院での初期研修に興味のある学生の皆さまを歓迎いたします。

教室広報誌「HEART」

 当科では、地域の先生方とのコミュニケーションを図る目的で、教室の広報誌「HEART」を作成しています。季刊誌として年に4回発行し、当科の案内や最新の医療情報の提供を行っています。ご意見、ご質問、ご要望がありましたらいつでもご連絡ください。

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当院地域医療連携センター通信誌「with 第3号」掲載記事

当院地域医療連携センター通信誌「with 第3号」に当科の診療紹介記事が掲載されました。
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平成28年度当科業績集

平成28年度の当科における業績集をダウンロードできるようにいたしました。PDFファイルになっておりますのでご参照ください。
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診療科の独自作成による詳細ページ

循環器内科の独自作成による詳細ページは、こちらからご覧ください。
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河北新報掲載「なるほど健康雑学」

河北新報に、3週間にわたり、下川教授が執筆した心臓病に関する健康雑学記事が掲載されました。

講座・勉強会等のお知らせ

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