感染管理認定看護師

2018.10.02

感染管理は、病院の医療安全の中の重要な柱の一つです。現在、抗菌薬が効かない薬剤耐性菌が広がらないように抗菌薬の適正な使用を推進する活動や、手指衛生や器材の安全な取扱いなどの標準予防策を始めとする感染対策を行い、薬剤耐性菌を含む病原体の院内伝播を阻止する活動をしています。これらの活動は、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務員などの多職種のチームで行っており、感染管理認定看護師の役割はこのチームをけん引し、感染管理業務を円滑に進めることです。

感染管理業務の内容のひとつに、インフェクションコントロールチーム(ICT)による巡回があります。病院全体を毎週1~2回の頻度で巡回し、感染対策上の問題を見つけて医療環境の改善を支援する取り組みです。現場がすぐに現状を把握して改善できるように、巡回の報告書を速やかにまとめて届けることを心掛けています。報告書の特徴として、良い点は「花マル」で称賛し、改善が望まれる点は、その理由まで丁寧に伝えるようにしています。さらに、巡回した全部署の内容を共有し、他部署の評価も参考にできるようにしています。現場が感染管理のモチベーションを上げるきっかけにもなり、ICTと現場の距離が縮まっていると実感できます。

また、感染の発生を早期に探知し、介入して改善するために、中心静脈カテーテルや人工呼吸器などの器具や器械を使用する患者を対象としたサーベイランスがあります。このサーベイランスは、病院の医療の質の評価にもつながるため、とても重要な業務であり、感染管理認定看護師として疫学のスキルを磨く貴重な機会になっています。

感染管理認定看護師として業務に従事し2年目を迎え、まだまだ日常の業務に追われていますが、常に医療現場を理解し、職員と話し合うことを大切にしていきたいと思っています。

※ サーベイランス:感染症の発生状況を調査・分析することにより、感染症のまん延と予防に役立てるシステムのこと。

11月24〜30日は
医療安全推進週間
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