糖尿病認定看護師

2016.09.02

 

日本では糖尿病人口が増え続けており、予備群を含めると5人に1人が糖尿病の疑いがあると言われています。2012年の国民健康・栄養調査では糖尿病が強く疑われる成人は950万人と、前回(2007年)の調査から約60万人増加したと推計されました。さらに、その約3割が医療機関の診察を受けていないという報告があります。糖尿病が原因で失明や足の切断に至る患者さんは、毎年約3000人、透析が必要になる患者さんは16000人以上にのぼります。糖尿病の発症予防はもちろんですが、合併症の進展や重症化の予防も大切です。

私は現在、西14階病棟(腎・高血圧・内分泌科、糖尿病代謝科)に勤務しています。当病棟は、糖尿病と診断されてから長い年月を経て重症化した患者さんが大半を占めます。例えば、糖尿病網膜症の術前血糖コントロールや糖尿病腎症による人工透析が必要な方、潰瘍や壊疽(えそ)など糖尿病足病変の治療を受ける方などです。合併症の進行に伴って治療は複雑化していくため、患者さんは多くの不安や悩みを抱えながら療養生活を送っています。糖尿病は一生付き合っていかなければならない慢性疾患です。長い人生の中でくじけてしまいそうになることがあるかもしれません。そんなときに、寄り添い、一緒に考え、他職種と患者さんを繋いでいくのが私の役割です。パートナーシップで糖尿病とうまく付き合いながら治療できるようお手伝いをしています。

糖尿病看護とは、患者さんを生活者と捉え、糖尿病の発症や合併症の進展、重症化予防に努め、その人らしく健やかに生活していけるように、生涯にわたりセルフケアや療養行動を支援していくことだと思います。また患者さんを常に成長できる存在であると信じて関わっていくことが大切です。

認定看護師になって2年、私ひとりでできることは限られていますが、私以外の3人の糖尿病認定看護師、外来・病棟の看護師、医師、薬剤師、栄養士と力を合わせ、質の高い医療を提供できるよう日々邁進しています。

11月24〜30日は
医療安全推進週間
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