【寄稿2】東日本大震災から10年、今、私たちが考えていること

2021.02.15

看護部長・認定看護管理者
鈴木 由美

間もなく東日本大震災から10年が経過します。この原稿を書くに当たり、看護部で編集した「東日本大震災の記憶」を改めて読みました。震災当日のこと、職場でのこと自分や家族のことそれぞれの思いがつづられていました。厚い冊子ではありますが貴重な記録であることを今更ながら実感しています。冊子には、「震災の1週間前に防災訓練を行なっていたので、防災訓練の時の反省をもとに、マニュアルを修正し、3月11日は訓練通りに落ち着き、それぞれ役割分担していた通りの行動がとれた」とありました。昨年1月に病棟の給湯管破断がありましたが、その部署でも避難訓練をしていたのでその通りの行動ができたという報告がありました。連絡を受け私が病棟へ駆けつけた時には既に患者さんの避難は終了し、病室のドアには避難完了の札がかけてありました。日々の訓練の重要性が分かるかと思います。

看護部では防災委員会が中心となり、副看護師長・リーダー看護師を対象に毎年、災害看護セミナーを開催しています。セミナーでは震災時のDVDを視聴し、職員がどのような行動をとったのかを学ぶ機会を作っています。他に防災リンクナース会を組織し、部署を決めて毎年災害避難訓練を行なっています。最近では訓練を実施する部署を募っていますがほぼ全部書で行なっており、危機感を持って取り組んでいます。

この訓練が生きるような震災が起こらないことを祈りますが、この経験は忘れず残しておきたいと思いました。

沿岸の被災地からヘリによる患者の受け入れ

 

鈴木 由美(すずき ゆみ)
1962年宮城県出身。1984年東北大学医療技術短期大学看護学科卒業、同年東北大学病院入職。循環器内科・呼吸器内科病棟、集中治療部勤務を経て2002年看護師長、2008年副看護部長、2017年より現職。2011年認定看護管理者取得。
11月24〜30日は
医療安全推進週間
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