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INTERVIEW

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難関の第1種滅菌技師に合格。資格を活かし、滅菌供給部門のアピールに繋げたい
難関の第1種滅菌技師に合格。資格を活かし、滅菌供給部門のアピールに繋げたい
TUHなヒトビト 2023.01.27

難関の第1種滅菌技師に合格。資格を活かし、滅菌供給部門のアピールに繋げたい

材料部 第1種滅菌技師|藤島宏美

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東北大学病院に入職したきっかけは?

大学卒業後、東京都内で主に営業事務職として勤務していました。その後、仙台への移住を考えて仕事を探していた時に、これまでのデスクワークと違った業界で働いてみるのもいいかな、病院の看護助手というのはどんな仕事だろうと興味を持って応募し、入職しました。
材料部へ配属された当初は病院にこういう部署があるのか、と未経験ながら専門性のある仕事なのかもと思ったことを覚えています。

材料部の様子

材料部の業務内容について教えてください。

材料部は滅菌供給部門と言われ、医療の臨床現場で使用された再使用可能医療機器の再生処理を行い、臨床現場に提供するのが主な役割です。
手術で使用される器材は様々あります。例えばメスの刃の部分は使い捨ての製品で、単回使用で廃棄されますが、それを取り付けるメスハンドルという部分は再使用が可能な医療機器です。このような再使用可能医療機器を次の処置に使用するためには、使用済みの器材の回収、洗浄、組立、点検、滅菌、供給という一連の流れが必要です。メスハンドルの他にも、ハサミやセッシ、鉗子、パワードリルや内視鏡処置具、現在では先進医療のロボット支援手術に使用する専用の器材など、それぞれに専用の設備を使用して再生処理を行います。

メスハンドル

さらにそれぞれの工程にも専門的な技術や知識が不可欠です。使用済みの器材を洗浄する際にウォッシャーディスインフェクター(WD)と呼ばれる医療用洗浄器を使って処理を行うのですが、正しく使用するためには技術や訓練が必要ですし、器材の組立や点検にもやはり十分な知識や訓練が求められます。

滅菌とは“対象物に存在しているすべての微生物を殺滅または除去すること”です。そのために複数の滅菌法があり、滅菌装置を扱うには専門の講習を受ける必要があります。材料部勤務者の何名かは講習を修了していますが、第1種滅菌技師の資格を持っている自分は、より多くの知識や情報を職場に提示できるよう努めています。

ウォッシャーディスインフェクターで洗浄された使用済みの医療機器

資格取得を目指したきっかけは?

材料部は決められた業務をマニュアル通りに遂行することが求められます。ただ、そのためには高い専門性が必要と感じ、根拠など一層の深い知識を得たい、またその知識を評価されたいという思いがあり、関連学会である日本医療機器学会の認定する第1種滅菌技師という資格の存在を知りました。
さらに当時の上司に資格取得を勧められ、これまでの材料部業務の知識を形にして現業務の向上とキャリアアップにも繋げられればという期待を抱き、まずは挑戦してみようという意気込みで段階的に第2種滅菌技士の資格を取得しました。
その後、合格率は3割と言われプレッシャーを感じながらも、第1種滅菌技師の資格取得にも臨み、合格しました。当時は全国で400名弱の技師がいる中、宮城県の技師は7名のみで、当院だけではなく全国規模で連携していく必要性を感じています。

仕事をする上で大切にしていること、やりがいを感じることは何ですか?

最終的には“安心で安全な医療器材を患者さんへ届ける”というのが軸となる業務ですので、大切なことの全てはそこに集約されると思っています。 実際に使用される現場に立ち会うことは皆無なので、現実感としては得にくいですが、一つ一つの器材を取り扱う際に『この器材を自分に使えるか』と考えるようにしています。根拠に則った処理をして安全を担保しているのか、と。となると自ずと処理法に責任を持たざるを得ないと感じます。 やりがいとなるとまた違った見方になりますが、患者さんの反応の前の、それを取り扱う看護師さんたちと信頼関係を築いていきたいと考えています。例えば手術部の看護師さんは70名以上もいるのですが、なるべく名前を覚えるよう心がけています。お名前を覚えてスムーズなやりとりができるように、と考えながらやっています。

これからの目標を教えてください。

洗浄した器具の組立作業。器具は一つずつ番号でシステム管理されている。

材料部は病院の中での認知度が低いと感じます。認知度を上げるという目的というより重要な役割を担っているということを知ってもらいたいと思っています。なかなか表に出る部署ではないので難しいですし、自分は第1種滅菌技師とは言えいち看護助手に過ぎないため、何か活動するとかいうことはできませんが、手術部、外来、病棟などの関連部署との信頼関係を得るための努力を続けたいと思っています。
第1種滅菌技師としては滅菌供給部門業務のガイドラインを発行している日本医療機器学会の下部委員会に所属し、現在は全国の材料部に向けた教育ツールの開発等に取り組んでいるので、国立大学病院の材料部職員としての現況を示しながら作成に役立てられればと思います。
全国的に滅菌供給部門のアピールに繋がり、材料部を病院の評価に繋がる部門になればいいなという思いと、そこで働く職員のレベルアップややりがいの向上に繋がるところまで実現できればと思っています。

最後にお休みの日の過ごし方について教えてください。

コロナの影響で休みの日は遠方への旅行や飲みに出かけることができなくなってしばらく経ちますので、最近は近場のおいしいものを食べ歩きに出かけることが多いです。
もともと宮城出身ではないので宮城県及び周辺の有名なものを堪能するようにしています。
しかし宮城とは関係ないですが最近は朝ラーが好きです。

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藤島 宏美(ふじしま ひろみ)

栃木県出身。2010年東北大学病院に入職。
現在は看護助手として材料部に所属、主に病棟・外来・手術部などの再使用可能医療機器の再生処理業務を担当。
2017年 第1種滅菌技師の資格を取得。

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