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INTERVIEW

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医療機器のスペシャリスト。高度で専門的な医療を支えています
医療機器のスペシャリスト。高度で専門的な医療を支えています
TUHなヒトビト 2022.03.23

医療機器のスペシャリスト。高度で専門的な医療を支えています

診療技術部 臨床工学部門|中野康太郎、髙橋星雅

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臨床工学技士は高度で専門的な医療を支える医療機器のスペシャリスト。3年先輩の中野康太郎さんと後輩の髙橋星雅さんに臨床工学技士を目指したきっかけややりがいについて聞きました。

お二人が臨床工学技士を目指すきっかけを教えてください。

髙橋)僕は高校生時代に進路を決めるにあたって、周りの色々な職業の方の話を聞きました。そのうちの一人、臨床検査技師の叔母から話を聞いたのがきっかけです。当時は医療関係の仕事というと医師か看護師くらいしか知らなかったのですが、叔母から話を聞いてインターネットで調べるうちに臨床工学技士という職業を知り興味を持ちました。

中野)検査技師にならなかったの?

髙橋)検査技師と工学技士、どちらにも興味があったので、両方の資格が取得できる大学に通いました。検査技師を目指そうと思ったこともありましたが、病院見学や臨床実習を経験してICUや救急部など様々な現場で治療に関わるスタイルに憧れて、最終的に工学技士を選択しました。現在の業務でも検査分野の知識や技術が活かされる場面が多少あるので、ダブルライセンスを取得していてよかったなと思っています。中野さんのきっかけは?

中野)僕は医療系とは関係ない文系の私大に通っていたんです。高校生の時は世の中のことを全く知らなかったし、いろんな仕事を見てみたいと思っていたので。医療に携わる人が多い家系なんですが、高校生のころはそれが逆に医療系の道を避ける理由になっていたような気がします。でも大学生になっていろんな仕事を見ていく中で、避けていたはずの医療の仕事が気になりはじめて。パンフレットを眺めていたら、人工心肺も透析も人工呼吸器も全て扱うことができる臨床工学技士という仕事があることを知りました。大学を卒業後、専門学校に3年間通って資格を取りました。

東北大学病院にはどういう経緯で?

中野)前職を退職して一度仙台に来た時に、同級生から大学病院の求人が出ていることを教えてもらったんです。当時、もしかしたら自分は病院の仕事が向いていないのかも・・と悩んでいたので、同級生が教えてくれなかったら今の仕事は続けていなかったかもしれないです。やはり、臨床工学という学問は自分の中で好きなものであると再認識しているところです。

髙橋)縁があった、ということですね。僕は、学校の授業で座学が多くて実際に働くイメージが掴めなかったので、大学2年生の春休みにゼミの先生にお願いして大学病院を見学させてもらったんです。実際に医療現場を目の前にすると、勉強のモチベーションも上がったし、検査技師か工学技士か迷っていた頃だったので、両方の部門を見学して、スタッフの方に相談してアドバイスをもらうこともできました。その時に話してくださった先輩に今もお世話になっているんですが、初対面の時にいきなり「武器、何使ってる?」って聞かれて。戸惑っていたら「ゲームだよ、ゲーム。」って。その当時流行っていたゲームの話でした(笑)。

中野)それが入職した理由なの?

髙橋)いやいや(笑)。見学に来た学生にもフランクに声をかけてくれるスタッフがいる、いい雰囲気の職場だなと思ったことと、実際に現場を見てここで働きたいと思ったのが理由ですよ。

やりがいや心に残っているエピソードはありますか?

中野)大学病院の臨床工学部門は、外来から手術室、ICU、病棟まで、全ての場所で診療科も超えて患者さんの様子を診ています。以前はそれぞれの専門分野があったのですが、今は全てに対応できる人材が求められるようになりました。現場が変われば機器はもちろん、関わる人も変わるので、患者さんだけではなく、医師や看護師、様々な職種の医療スタッフとのコミュニケーション能力も必要です。大変なことも多いですが、そこは本当にやりがいがあります。

髙橋)透析室で、声をかけてくれる患者さんがいました。その方はICUで長期管理しなければいけなくなったのですが、人工呼吸器も外れてお話しできるようになった時に、「髪、長くなってきたからそろそろ切る頃じゃない?」って言われて。僕は、「僕が髪を切るのが先か、○○さんが病棟に戻るのが先か勝負ですね。」って。結局、その患者さんが病棟に戻るのが先でした。退院の時には透析室に挨拶に来てくださいました。

中野)患者さんに顔を覚えてもらえるっていうのは嬉しいよね。外来で「今日、あの子いないの?」と聞いてくれる患者さんがいると僕もすごく嬉しい。

ECMOコンソール点検の様子

これから力を入れていきたいことや目標はありますか?

髙橋)検査技師と工学技士のダブルライセンスが僕の強みなので、それを生かせるようなことをここで見つけていきたいという思いはずっとあります。工学技士として働く上での検査技師の資格の生かし方を常々考えています。

中野)僕は不整脈治療にやりがいを感じています。僕らの職は、代替療法(*1)の操作、管理が大多数を占める中で、不整脈、特にアブレーション治療は唯一の根本治療です。かなり専門性の高い分野なので付いて行くのは大変ですが、食らい付いていきたいです。他には、新型コロナウイルス関連で、以前はほとんど知られていなかったECMOが話題になりましたよね。今、大学院の心臓病電子医学分野にも所属し勉強させていただいています。実験を重ねて、今後のECMO治療の更なる有用性向上に関わることができたらと思っています。

髙橋)テレビでECMOが出てくると、おっ!と思いましたよね。

中野)そうそう。でも、臨床工学技士って名前が出てきたのは少なかったかな。操作することができる技士とかその技術を持っている人、って呼ばれてしまって。

髙橋)職業としての認知度が低いのは課題ですよね。

中野)工学技士の認知度アップのためにも、自分たちが大学病院内で信頼を得ていって、将来的に東北大学で国立大初の臨床工学部や臨床工学科の設立、となればいいですね。臨床工学部や臨床工学科は専門学校や私大にしかなく、国立大学にはまだないので。

お二人はプライベートでも仲が良いのですか?

中野)病院の近くに唐揚げがおいしい居酒屋があるんですけど、コロナ前は二人でよくそこに行っていました。

髙橋)そこで中野さんによく相談に乗ってもらいましたよね。最近はもっぱら家で1人飲みです。そういえば、中野さんの趣味といえばスニーカーですよね。

中野)子どもの頃からスニーカーは好きです。この話になるとスニーカー企画連載になってしまうので、今回は抑えておきます(笑)。

二人でよく行っていた居酒屋にて

*1 代替療法:人工透析、人工心肺、人工呼吸器等の治療のこと。

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中野 康太郎(なかの こうたろう)

宮城県出身。2010年青山学院大学経営学部卒業。その後東北文化学園専門学校臨床工学科に入学、2013年卒業。東京都の大学病院を経て2015年より東北大学病院診療技術部 臨床工学部門に勤務。現在東北大学大学院医学系研究科在学中。
髙橋 星雅(たかはし せいが)

秋田県出身。新潟医療福祉大学医療技術学部臨床技術学科卒業後、2018年より東北大学病院診療技術部 臨床工学部門に勤務。

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