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イノベーションと働きかた改革を両立するためにはコ・クリエーションが必要だ〜東北大学病院での経験から〜(下)
イノベーションと働きかた改革を両立するためにはコ・クリエーションが必要だ〜東北大学病院での経験から〜(下)
スマートホスピタル通信 2022.06.21

イノベーションと働きかた改革を両立するためにはコ・クリエーションが必要だ〜東北大学病院での経験から〜(下)

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一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)主催、東北大学オープンイノベーション戦略機構共催による「東北大学先端技術×ライフサイエンスシリーズ」第2弾が、「イノベーションと働きかた改革を両立するためにはコ・クリエーションが必要だ~東北大学病院での経験から~」と題して、3月17日にオンライン開催されました。レポート後編では、大日本住友製薬とのコ・クリエーション事例紹介の内容をお伝えします。

事例紹介2:共創の土台はイノベーションのインフラ、デザイン思考、そしてアライアンス

2つ目の事例紹介として、実際に医療現場を経験した企業側の視点から、大日本住友製薬株式会社(現社名:住友ファーマ株式会社)フロンティア事業推進室の辻本悠郁子氏が、なぜ製薬会社が連携に取り組むのかという問いを踏まえ、医療現場の課題を解消する医療機器開発のコ・クリエーションの体験談を共有しました。

辻本氏は、社会の超高齢化に伴う諸課題や高度なテクノロジーへの対応など、医療が直面する社会的課題の解決に向けて、医薬品開発・提供だけでなく、関連するセクターとの連携を通じて幅広く貢献すべきとの認識が製薬業界にも広がっている、と話します。同社では、「こころとからだ」の両輪を視野に、健康維持(マイナスからゼロへ)と健康促進(ゼロをプラスに)の二軸で、社会のQOL向上に貢献したいという思いを込めてフロンティア事業部の事業プランを描きました。しかし同じヘルスケア分野とはいえ、これまで医薬品開発に注力してきた会社が、医療機器やソリューション開発など新しい領域で成果を出すことは容易ではありませんでした。

そこで出会ったのが、Japan Biodesign(ジャパン・バイオデザイン・プログラム、JBD)です。JBDは、米国スタンフォード大学と日本の東北大学ほか2大学により2015年に発足した個人向けの人材育成プログラム。全国からの参加者がチームを組み、デザイン思考を活用して製品やソリューション開発のプロセスを学びます。当時、辻本氏は医薬品の品質管理部門に所属し、新規企画とは無縁、医療機器開発経験はゼロ。そんな辻本氏を含め背景も目的も異なる4名がチームとなりJDBに参画、プログラムを通じて学びつつ開発に取り組んだ結果、10カ月後には透析患者さんを対象とした医療機器の特許申請、事業計画策定、500万円のグラント獲得に成功しました。1年後の2020年には機器開発を行う会社の設立に至りました。成功要因として、辻本氏は次の3つを挙げました。

  1. 特徴づけられたニーズを正しく把握するスキル
  2. 走りながら考えるスピード感
  3. 多様な専門性と着眼点を備えたチーム

辻本氏はその後も、東北大学病院が提供する産学連携プラットフォームであるASU(アカデミック・サイエンス・ユニット)OBL(オープン・ベッド・ラボ)との連携を続けています。「ASUを通じて、実際に病院の中を見られるのは画期的なこと。医療現場の一次情報に基づくニーズ探索に最適の場ですし、ビジネスコンサルの機会もあります。また、OBLでは実際の医療現場で各種機器やサービスについて使用感や使用場面の検証等を行うテスト環境が得られます」。医薬品製造のプロである大日本住友製薬では、医学的知見に基づく企画、臨床研究、薬事対応の知見を提供する一方、パートナーから製造技術、解析技術、流通や販路を求めています。辻本氏は「医薬品の研究開発で養った知見をもとに独自技術や知見をお持ちのパートナーとの連携に取り組んでおり、コラボをご検討いただける場合はお問合せください」と呼びかけて、報告を締めくくりました。

そうはいっても、コ・クリエーションはむずかしい!

イベントの最後は、登壇者3名に、東北大学病院とのコ・クリエーション経験者5名が加わり、共創の各フェーズに関する経験を共有しつつ、意見交換を行いました。多様な背景を持つ経験者ならではのコメントから、コ・クリエーション時代に求められるスキルの形が見えてきました。

約100分の議論を経て、現代社会が持つ複雑な課題に対してイノベーションを提示するために不可欠な切り口であるコ・クリエーションを成立させる要件として、フラットな関係性、異分野融合を可能にする文化、適切なスキルとプラットフォームが浮かび上がってきました。「東北大学病院はそれらを提供できる場所です。百聞は一見に如かず。ぜひ東北大学病院とのコ・クリエーションを体験してください」という東北大学オープンイノベーション戦略機構の内田渡・統括クリエイティブ・マネージャーからの呼びかけをもって、会が終了しました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございます。

<パネルディスカッション登壇者>
・講演者3名
・清水 里美 氏(旭化成株式会社)
・鈴田 尚子 氏(株式会社フィリップス・ジャパン)
・北原 雄高 氏(株式会社フィリップス・ジャパン)
・伊藤 将 氏(アインファーマシーズ株式会社)
・鈴木 健吾 氏(株式会社ユーグレナ)
*ご登壇者の詳細はこちら:https://www.link-j.org/event/post-4344.html

【レポート:広報室 長谷川麻子】

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