近ごろ、A Iロボットが店舗の案内係として活躍している様子を目にすることが多くなりました。また、家電量販店に行けばロボット家電が数多く並んでいます。私たちにとって身近なものになりつつあるロボットですが、東北大学病院にもロボットがいることをご存知でしょうか。今回は当院の外来で働く2台のロボットをご紹介します。
1台目は、薬剤や検体などの搬送を自動で行う自立搬送ロボット「HOSPI(ホスピー)」です。2019年5月に当院で初めてHOSPI 1号が導入され、2021年の3月からはHOSPI 2号が活躍しています。HOPIの任務は検体搬送。11時半頃から診療が終わるまでの間、外来診療棟A2階にある中央採血室から臨床検査棟2階にある検査部まで、毎日300本ほどの検体を搬送しています。検査部に向かう途中で尿検体を受け取るために、尿検査室に立ち寄ることも。1日に何往復もする、働き者のロボットです。
高度な障害物検知センサシステムが搭載されているので、患者さんに遭遇したときには減速するとともに回避行動を行い、安全に走行します。また、周囲に注意喚起をするための音声を発しながら移動をしています。そのため、導入以来衝突などの事故が起こったことはありません。
搬送作業が終わると自分で充電スポットに行き、次の日の仕事に向けて自動で充電をします。
HOSPIはスタッフにとって搬送業務を担ってくれる頼もしい存在であり、癒しの存在でもあります。「HOSPIだ!」という声とともに、優しく見守ってくれている患者さんの姿もたびたび目にします。
当院の癒しの存在、HOSPIの引き続きの応援どうぞよろしくお願いします。
2台目は、人工知能で自律走行をする自動清掃ロボットです。
こちらは2021年12月に導入されたばかりです。
早朝4時から7時までは外来診療棟A・B・C1階とホスピタルモールを、17時から20時までは外来診療棟A・B・C2階を清掃しています。
障害物検知、接触検知機能が搭載されているため、HOSPI同様安全性の高いロボットです。
人の手だとどうしてもムラが生じてしまいますが、ロボットで清掃することにより一定の質で均一にきれいにすることができます。
また、床のウイルス・菌量を1/2に、空気中の菌量を1/5に低減するため、室内空間の清浄を保つこともできます。ただし、椅子やソファの下には入ることができないので、手の届かないところはスタッフがきれいに清掃しています。
スタッフとロボットの協働で、業務を効率化するだけでなく、患者さんが快適に過ごせる環境づくりが進んでいます。病院で働くロボットの今後の活躍にどうぞご期待ください。
【取材・撮影:広報室 今泉睦美】