小さい頃から天気のことに興味を持った子どもでした。学研まんが「天気100のひみつ」が愛読書だったからかもしれませんし、3歳から高校まで雷の多い土地で過ごして、気象現象に惹かれたためかもしれません。小笠原で気象予報官としてイルカとともに暮らす、という漠然とした将来の夢を描いたこともあります。
そんな自分にとって、高校時代に導入された気象予報士制度はぴったりに思えました。大学生になって早速受験を始めたのですが、そこは合格率5%、学科試験と実技試験を突破するのは簡単ではありませんでした。定番の教科書は私のような初学者には難しく、初回の挑戦は2年ほどで頓挫しています。
そして7、8年が経ったころ、私は医師になって小児科の研修をしていました。多忙な日々でしたが、気分転換を求めていたのか、この時期に突如資格取得への意欲が再燃しました。その頃には独学に適した教材や情報が充実していて、学生時代には理解できなかった大気の流れ、それらが生み出す気象や気候のことが少しずつ自分のものになっていきました。
そうして2006年に気象予報士を取得しました。豪雨や猛暑のような異常気象が起きるたびに、どのような仕組みで起きたのか、一歩進んだ理解に役立っています。また、気象予報士を持った医師は珍しく、自分を覚えてもらうきっかけにもなっています。いつか医学と気象を結びつけた領域にも足を踏み入れてみたいな、と夢を見ています。
ご興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。日々の天気の見方が変わることを保証します。