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気になる症状 すっきり診断

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気になる症状 すっきり診断 2022.02.02

歯科インプラントって大丈夫?

歯科インプラントセンター センター長|小山重人

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正しい情報、心構え大切

 歯が失われると、「かむ・食べる」という大切な機能と楽しみが損なわれます。これに対し歯科インプラントは顎の骨に埋め込んだインプラント体(人工歯根)の上に人工の歯を入れる治療方法で、「かむ・食べる」機能を回復させます。部分床義歯(入れ歯)を避けることができますし、全部床義歯を歯が無くなった顎にボタンのように装着、取り外しができる装置の支台としてその安定に役立ちます。

インプラント治療への相談

 しかし一時期のマスコミ報道などで安全性、信頼性に不安が広がり、インプラント治療の選択に対して二の足を踏んでいる方も多いかと思われます。確かにインプラント治療は、自費診療で高額な料金が発生することもあれば、患者さんが受け入れがたい結果(早期脱落など)となる可能性もあります。

 当初成功していても、しっかりとしたお手入れを継続しないと、後々トラブル(インプラント周囲の炎症など)が生じることがあります。また、加齢に伴う歯の欠損が進みますが、同時に全身の病気を持つ比率が上がるので、より高度な治療を必要とするインプラント患者さんの割合が増えます。

 それでは「安心・安全なインプラント治療」を受けるためにはどうしたらよいのでしょうか?それには「インプラント治療」に対する正しい知識と心構えを持つことが大切です。患者さんからよくある相談にお答えします。

 一つ目の質問は「インプラント治療ができない場合は?」です。重篤な糖尿病、骨粗しょう症、歯周病などを持つ方やヘビースモーカーは成功率がぐっと下がります。一方、今まで骨量が少なくてインプラントできなかった方に対しては、骨を造成する医療が進み、適用範囲が広がっています。

 二つ目は「インプラントはどのくらい持ちますか?」です。残念ながら人工物ですので一生涯持つとは断言できませんが、しっかりとしたお手入れを継続していただければ、通常のブリッジや入れ歯と同等以上持ちます。また、ご自身の残った天然歯を長持ちさせる利点もあります。

 保険診療でインプラント治療が受けられる場合がありますが、腫瘍や外傷、先天性疾患などで歯が欠損した場合で、大学病院などの大きな施設に限られます。

食生活を楽しく

 他にもさまざまな不安、疑問に応えるため、東北大学病院には歯科インプラントセンターが設置されています。特色は、歯科部門の各診療科・治療部の専門歯科医師が連携してインプラント専門診療チームを構成し、患者さん中心のインプラント診療を進めていることです。目標として「安心・安全なインプラント治療」による健康で活力ある長寿社会の実現を掲げています。

 さあ皆さん、インプラント治療に対して必要以上に不安に思うことはありません。ぜひ信頼できる専門の歯科医師に相談して、楽しい食生活の回復を目指しましょう。

河北新報掲載:2017年9月15日
一部改訂:2022年2月2日

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小山 重人(こやま しげと)

宮城県出身。1989年東北大学大学院歯学研究科修了、1999年から2000年米国イリノイ大学シカゴ校メディカルセンター、クラニオフェイシャルセンター・フェローを経て、2007年当院顎顔面口腔再建治療部部長、2013年当院歯科インプラントセンターセンター長、特命教授に就任。

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