#11 漢方診療 ー切診ー

2015.07.15

漢方の診察方法「四診(ししん)」、最終回は「切診(せっしん)」です。

切診は、患者さまに直接触る診察方法です。皮膚を触り、乾燥や湿り気などを感じたり、お腹を触ったり、脈を触ったりします。お腹を触って診察するのを「腹診」、脈を触って診察するのを「脈診」と呼んでいます。腹診も脈診も切診に含まれます。脈の変化はすぐにあらわれるために、急性の症状の際には脈診がとても参考になります。腹部の緊張や筋力などはゆっくり変化することが多く、しばしば慢性の症状の際に参考にします。

望診の一つである舌診の変化は1週間前後で出てきます。そうすると、急性変化は脈診から、少し時間がたった変化は脈診と舌診から、慢性変化は脈診、舌診、腹診から情報を得るのが病の時期に合っているということになります。

漢方診療では、これまでにご紹介した四つの診察方法(望診聞診問診、切診)を総合して患者さまの状態を把握していきます。これを「四診合算」と呼んでいます。

DSC03438_腹

腹診

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脈診

11月24〜30日は
医療安全推進週間
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