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気になる症状 すっきり診断

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気になる症状 すっきり診断 2022.06.23

虫歯身近になった「白い被せ物」

咬合修復科 科長|江草宏

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◎奥歯の一部保険適用に

 虫歯や歯周病で歯が欠けたり歯を失ったりした場合、見た目やかみ合わせを取り戻すために、クラウン(冠)やブリッジを被(かぶ)せる治療が行われます。歯の被せ物と言えば、「銀歯」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 被せ物は金属を熱で溶かして作るのが一般的でしたが、近年の歯科医療の発展は目覚ましく、コンピューターを利用して被せ物を設計・切削加工できる時代になりました。

〈キャドカム活用〉

 この技術を「CAD/CAM(キャドカム)」と呼びます。材料には高強度の白い樹脂素材(歯科用プラスチック)やジルコニア(高い強度を持つセラミック)を用いるため、奥歯にも使える丈夫な白い被せ物を作ることが可能です。話したり笑ったりする際にのぞく銀歯が気になる方や、金属アレルギーのある方に、ぜひとも知っていただきたいと思います。

 ただし、白い被せ物には多くの種類があり、自分のニーズにあった治療を選択するのは容易ではありません。まずは奥歯でも保険が適用できる白い被せ物について知っておくのが良いでしょう。これには、歯科用プラスチックを材料にした「CAD/CAM冠」があります。

 この被せ物は、前歯、小臼歯、あるいは上下顎全ての第2大臼歯が残っている場合の第1大臼歯が保険の対象となります。

〈アレルギー安心〉

 皮膚科を受診して金属へのアレルギーが疑われた患者さんは、奥歯全てのCAD/CAM冠に保険が適用される場合があります。CAD/CAM冠の治療は定められた基準を満たした施設で受けることができますので、詳細はかかりつけの歯科医院にお尋ねください。

 白い被せ物を可能にするCAD/CAM冠ですが、歯の色調を完全に再現することは困難で、歯から外れてしまうことがあります。より自然で美しい歯の色合いを望まれる方には、ジルコニアの上に歯の色合いのセラミックを焼き付けた被せ物が選択肢の一つです。ただし、保険は適用されません。また、大きな力が加わる奥歯やブリッジには、ジルコニアを用いることで白い被せ物の治療が可能となりますが、これもやはり保険適用外となります。

 当科では、奥歯のブリッジに白い歯科用プラスチックをグラスファイバーで補強した被せ物を用いる治療も行っています。金属アレルギーの患者さんにも安心な治療です。保険の適応には条件がありますので、白い被せ物に興味をお持ちの方は、当科外来にてご相談ください。

河北新報掲載:2018年3月2日 一部改訂:2022年6月23日

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江草 宏(えぐさ ひろし)

広島県出身。広島大学大学院歯学研究科を修了。香港大学研究助手、米国UCLAポスドク研究員、大阪大学大学院歯学研究科助教を経て、2014年東北大学大学院歯学研究科教授に就任。2018年より東北大学病院副病院長。2022年4月より同総括副病院長(歯科診療部門長)。

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