平成28年度 東北大学病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,265 664 875 1,381 1,824 2,377 4,466 4,002 1,635 121
当院は特定機能病院、臨床研究中核病院として、高度・最先端の医療を幅広い年代の患者さんに提供しています。
年齢区分で60代以上が入院患者の約半数を占めていますが、高齢になるほど入院の必要性が高くなるためです。
各年代の分布については、27年度と大きく変わりはありません。
また、0~10代の小児については、低出生体重児等、周産期新生児患者を多く受け入れており比較的高い数値となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 209 8.25 5.51 0.00% 59.03
04026xxx9910xx 肺高血圧性疾患 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 126 4.71 5.98 0.79% 60.65
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 125 4.41 3.22 0.00% 66.31
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 116 6.56 4.71 0.86% 67.91
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 88 3.97 3.06 0.00% 68.48
当院循環器内科の特徴は、虚血性心疾患、不整脈疾患に加え、心臓および肺移植認定施設であり、肺高血圧症例の紹介数が多いのが特徴の一つです。
虚血性心疾患に関しては、狭心症および急性心筋梗塞と全ての冠動脈疾患患者に対する診断およびカテーテル治療を行っております。また、明らかな有意な狭窄が冠動脈にない場合でも、胸痛を有する場合には冠攣縮性狭心症についての検査を積極的に進め診断をしています。
不整脈疾患に関しては、加齢に伴う一般的な疾患である心房細動に対するカテーテルアブレーションの件数増加が顕著です。頻脈性不整脈のカテーテル治療のうち5割以上をしめており、今後も増加が予想されています。肺高血圧疾患に関しては、診断・および薬物療法が主体となりますが、慢性肺動脈血栓塞栓症に起因する肺呼血圧症に対しては、閉塞した肺動脈へのカテーテル治療が有効であり、現在、積極的にカテーテル治療を行い、その件数も増加傾向にあります。
感染症内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130160xxxxx0xx 後天性免疫不全症候群 手術・処置等2 なし - - 21.81 - -
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし - - 11.97 - -
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 7.44 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
総合感染症科では、後天性免疫不全症候群を含む各種感染症やそれに伴う合併症の診療を関係する各科と協力して行っています。また、発熱の原因がはっきりしない場合(感染症による発熱か否かの判断が困難な場合)にも、各科と協力しながら発熱の原因検索および治療を行っています。感染臓器がはっきりしている場合や集中治療を要する重症例の場合は、それぞれの専門科との併診の形で専門性の高い診療を提供しています。そのため当科が主治医となっての入院数は多くありません。
腎臓・内分泌科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100180xx99000x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 61 11.49 6.12 0.00% 50.97
100180xx99001x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 39 11.62 10.16 0.00% 55.64
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 33 10.39 7.58 0.00% 44.91
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 13.34 12.84 0.00% 55.10
070560xx99x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 23 18.78 17.77 4.35% 57.78
当科の症例では、副腎腫瘍で副腎静脈サンプリングを実施した患者さんが単独では最多です。放射線診断科の優れたカテーテル技術と、得られた検査結果の的確な解釈によって、丁寧で確実な診断を行い、外科治療を要する場合は泌尿器科との連携を緊密に行います。
これらの診断と治療計画の策定には定評があり二次性高血圧、内分泌疾患は症例の集約と追跡の体制が整備され、二次医療圏の外からも精査を求めて紹介患者さんが訪れます。
腎臓疾患では慢性腎臓病に対して腎生検により診断をおこない、それに基づいた薬物療法をうける患者さま、全身性臓器障害を伴う自己免疫疾患で特に腎障害が目立つ、時には透析療法を要するような重篤な二次性の腎臓病、具体的には顕微鏡的血管炎や、全身性エリテマトーデス、サルコイドーシスなど、腎臓病患者の集団には大学病院の特徴といえる全身疾患を持つ患者、あるいは比較的若年者が多く含まれていることが特徴です。
血液内科;リウマチ科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x0xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 68 27.41 17.77 4.41% 49.62
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 53 12.83 16.83 3.77% 62.83
070560xx99x6xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 手術・処置等2 6あり 13 52.15 29.92 0.00% 47.92
070560xx99x8xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患 手術なし 手術・処置等2 8あり - - 19.09 - -
130030xx99x00x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 10.71 - -
当科では自己免疫疾患である膠原病と、血液悪性疾患である悪性リンパ腫、白血病の診療を主に行っています。
全身性エリテマトーデス、血管炎症候群、炎症性筋疾患などの自己免疫疾患では、初発、再発例共に初期治療として大量のステロイド投与を要します。その間、感染症、糖尿病などの副作用を合併することがあり、原疾患のコントロールに加えてそれら副作用のモニタリングも要します。外来フォロー可能な量までのステロイド減量が入院期間として必要です。
造血器腫瘍である悪性リンパ腫や急性白血病の化学療法を目的として入院される患者さんが中心になります。悪性リンパ腫のうち約9割は非ホジキンリンパ腫であり、非ホジキンリンパ腫に対する初回治療は入院で行い、2回目以降は外来にて治療を継続しております。
急性白血病は基本的には入院治療を行い、リスクに応じて造血幹細胞移植を行っております。
糖尿病代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 58 23.74 14.61 0.00% 58.81
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 85歳未満 23 21.13 11.48 0.00% 50.22
100060xx99x100 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 19 19.53 13.46 0.00% 44.63
100071xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 18 24.33 14.91 0.00% 62.61
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 あり 85歳未満 17 21.53 16.31 0.00% 64.35
糖尿病代謝内科で多いのは2型糖尿病、1型糖尿病の血糖コントロール目的の入院です。
血糖コントロール不良の場合に治療法を見直したり、糖尿病合併症を治療するための治療入院、高血糖昏睡、低血糖昏睡、重症感染症、心筋梗塞、脳卒中などのため急な入院治療が必要になる場合の緊急入院、合併症の精密検査を集中して行う検査入院、食事療法、運動療法や薬物療法についての知識や実践方法などの指導を行う教育入院に対応しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 91 14.01 9.02 1.10% 72.01
06007xxx99000x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 81 10.00 10.41 0.00% 64.01
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 60 17.12 11.06 1.67% 70.55
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 60 20.55 11.74 0.00% 71.33
060010xx02x00x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 内視鏡的食道粘膜切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 57 15.96 9.91 0.00% 67.98
消化器内科で最も多く診療している疾患は、早期胃がんです。早期胃がんに対しては内視鏡(胃カメラ)を用いて内視鏡手術(内視鏡的切除)を行います。現在は早期胃がんのうち内視鏡治療の適応となる症例に対しては、ほぼ全例で内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。
早期胃がんに次いで多い疾患は、膵臓の腫瘍です。胆管結石は高齢者に多く、増加している疾患です。総胆管内に結石がある場合を総胆管結石と呼びますが、内視鏡を用いて治療を行います。その他、胆管結石や胆管狭窄が原因で発症する胆管炎に対し内視鏡を用いて胆汁を排泄させるドレナージを行います。
消化器内科はこのように内視鏡を用いた治療を中心として行っていますが、炎症性腸疾患(IBD:潰瘍性大腸炎やクローン病など)、ウイルス性肝炎や肝がんなどの肝疾患、急性膵炎・慢性膵炎などの膵疾患に対してもセンター施設として機能しています。
老年内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
01021xxxxx1x0x 認知症 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 56 13.25 17.86 0.00% 78.25
010220xxxxxxxx その他の変性疾患 12 11.83 16.35 0.00% 77.25
01021xxxxx0x0x 認知症 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし - - 13.60 - -
01021xxxxx1x1x 認知症 手術・処置等1 あり 定義副傷病 あり - - 39.25 - -
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 21.25 - -
加齢・老年病科では認知症が最も多くなっています。わが国では認知症患者が増加の一途であり、当科では「物忘れ外来」を週2日実施して対応しています。認知症には様々な種類があり、その診断のために当科では、種々の画像診断機器と放射線診断専門医による読影、臨床心理士による心理検査、バイオマーカーなどを駆使し、認知症専門医が診断をいたします。
認知症以外では、パーキンソン病、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、心不全、慢性腎臓病などの高齢者に共通する疾患が多く、時には他科と連携して診療に当たります。高齢者はしばしば複数の疾患を抱えています(多病といいます)。このため臓器別診療と並行して、当科を訪れたすべての高齢者を総合的に評価して(高齢者総合機能評価:CGA)、生活の質(QOL)が維持できるように、多職種が連携して介入を行います。
心療内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 20.74 7.44 0.00% 42.89
100270xxxxx0xx 間脳下垂体疾患(その他) 手術・処置等2 なし 17 57.00 28.60 5.88% 29.71
100270xxxxx1xx 間脳下垂体疾患(その他) 手術・処置等2 あり 14 81.36 48.21 7.14% 31.71
170040xxxxxxxx 気分[感情]障害 - - 20.63 - -
060130xx02000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 内視鏡的消化管止血術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 9.40 - -
心療内科はストレス関連疾患を中心に診療しており、それらの類似疾患も扱います。また、それらとの鑑別が必要な疾患も診療します。
ストレス関連疾患の中でも機能性消化管障害と摂食障害は代表的な心療内科疾患です。それらが上位3つと5番目の指標に挙げられています。
機能性消化管障害は過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、機能性食道障害、機能性便秘、機能性下痢、非特異機能性腸障害、中枢性腹痛症候群、慢性悪心嘔吐症候群などが代表的疾患ですが、関連・類似病態には消化管運動異常症として慢性便秘、慢性特発性偽性腸閉塞症、ガストロパレシス、食道アカラシアがあり、それらを包含した診療を実施しています。また、当院の摂食障害は間脳下垂体疾患でLH-RHの異常を伴う例があり、同時に救命上中心静脈栄養が必要になる場合も少なくありません。
ストレス関連疾患は機能性消化管障害のように身体諸臓器の障害として発現するだけでなく、気分障害、行動障害としても発現して来ます。これらが4番目の指標になっています。これらはしばしば内科疾患が並存するか鑑別診断が必要になりますので心療内科の範疇です。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 191 5.60 3.68 0.52% 68.31
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 173 13.46 12.35 0.58% 65.56
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 87 22.84 19.92 6.90% 68.33
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 64 18.58 14.83 7.81% 69.23
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 8あり 56 11.45 12.01 0.00% 68.25
肺の悪性腫瘍では肺癌が最も多くなっております。当科では手術不適応の方に対して、化学療法・放射線療法・緩和療法を組み合わせながら集学的に治療しています。肺癌およびその治療による症状にあまり悩まされずに日常生活をりつつ治療が継続できるように、副作用を軽くし、入院期間も短くなるように配慮しています。最新の遺伝子診断によって特定の遺伝子異常を有する肺癌には分子標的薬を用いた個別化治療も積極的に取り入れています。また最近注目されれる癌免疫療法も効果が期待される場合に提案しています。
両肺に感染症とは異なる陰影が広く出現する場合には、特発性間質性肺炎、膠原病による間質性肺炎、生活環境の抗原吸入による過敏性肺炎,薬剤性肺炎、サルコイドーシスなどを念頭に精密検査を行い、適切な診断とともに最善の治療法(抗線維化薬、ステロイド治療および免疫抑制薬、環境調整など)を実施しています。
腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 111 7.77 9.82 1.80% 68.86
060020xx99x6xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 50 3.22 6.41 0.00% 63.58
03001xxx99x4xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 43 4.93 14.13 0.00% 56.30
060020xx99x30x 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 32 3.34 6.88 0.00% 55.97
060030xx99x3xx 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 16 4.50 7.86 0.00% 59.44
腫瘍内科への入院の多くは、がん薬物療法(化学療法、分子標的治療、免疫療法を含む)の実施を目的としたものです。
がん薬物療法の実施場所は外来が主となっておりますが、治療レジメンによっては入院加療を要するものがあります。がん薬物療法の実施に際し入院を要するのは、①抗がん剤の持続静脈内投与を要する(投与時間が長い)場合、②大量の補液を必要とする白金製剤を用いる場合、③有害事象(副作用)が強く治療中、治療後の状態の観察を要する場合、などがあげられます。
腫瘍内科の入院で上位に入る疾患はいずれも①〜③に該当する治療を行うものです。腫瘍内科では有害事象に対する支持療法をしっかり行い、全国平均よりも短期の入院期間とすることで、より多くの患者さんが計画的かつ安全な入院治療を繰り返して行えるよう努めております。
肝臓・胆のう・膵臓外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx97x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 53 13.47 14.75 0.00% 66.68
060060xx97100x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 40 23.60 16.26 0.00% 66.30
06007xxx01010x 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 32 35.81 30.88 6.25% 64.88
06007xxx99000x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 30 11.10 10.41 6.67% 67.53
060050xx02x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 手術・処置等2 なし 23 17.57 15.85 4.35% 65.74
 肝・胆のう・膵臓外科では,肝臓,胆道,膵臓の悪性腫瘍(がん)に対する外科手術を中心とした治療を主に行っております。具体的には肝臓がん,転移性肝がん,肝内および肝外胆管癌,胆のう癌,十二指腸乳頭部癌,膵臓がんなどの悪性腫瘍の他,各臓器の良性腫瘍,良性疾患に対しても手術を行っております。また,近年は癌に対する治療は手術だけでは不十分であり,抗癌剤や放射線治療と組み合わせた集学的治療を行う事で治療成績の向上に努めております。
 1番目,2番目に多いのは膵臓がんあるいは胆道がんの術前には内視鏡的に膵管・胆管造影を行ったり,組織の一部を採取して癌かどうかの診断を行う事が一般的となっております。このため,手術前の検査・処置目的の入院が最も多くなっております。また進行した膵・胆道がんの患者さんでは,根治切除の前に全身麻酔下に腹腔内に腹腔鏡(カメラ)を挿入し,遠隔転移がないことを確認する腹腔鏡下試験開腹(審査腹腔鏡)を行うことが増えています.万が一遠隔転移が有った場合には傷が小さいためにすぐに抗癌剤治療などが開始できるというメリットがあります。
 3番目に多いのは膵頭部にできた膵臓がんに対する手術であり,門脈や動脈と呼ばれる血管を合併切除して繋ぐという高難易度の手術です。当科では,これまでに切除が不可能とされていたような超進行癌に対しても化学療法や放射線治療を行う事で安全に,確実に切除出来る症例が増えております。
 4番目は膵臓癌の患者さんが手術を終えて退院した後,抗癌剤治療中,再発後に具合が悪くなった際に当科に入院していただき治療を行ったケースとなります。我々は肝胆膵外科領域の手術を数多く行っておりますが,それで治療を終わりにすることなく,長期に渡って患者さんの診療を継続しており,このような入院が多くなっております。
 5番目は肝臓癌,肝内胆管癌に対する肝切除術のうち,比較的小さな肝臓切除術式となります。肝臓癌,肝内胆管癌は出来た腫瘍の大きさや個数,位置などにより様々な手術術式があり,どのような術式を選択するかという解剖の熟知や癌の進展範囲の診断,さらには熟練した手術手技が必要となります。
胃腸外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 50 15.04 17.65 2.00% 66.82
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 25 14.76 15.92 0.00% 72.40
060040xx02x00x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 19.60 17.98 0.00% 69.40
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14 7.50 9.08 0.00% 55.43
060185xx0100xx 潰瘍性大腸炎 結腸切除術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 13 22.69 18.62 0.00% 39.38
 胃腸外科では胃がん、大腸がん、炎症性腸疾患の治療を主におこなっております。
 1番目に多い、胃がんでは、当科で手術を受けられる患者さんの70%が、腹腔鏡下に病変を切除しています。一方、腫瘍が大きい、リンパ節転移が多数ある場合は、開腹手術を行います。また、手術前に抗がん剤を投与して腫瘍を小さくしてから手術することもあります。
 2, 3番目に多い、大腸がん(結腸がん、直腸がん)に対する手術では、近年は80%の患者さんに腹腔鏡を用いた手術が行われています。小さな傷で済む事が多く、侵襲が少なく高齢者にも安全に行う事が可能となっております。また、腫瘍が、大きい、他臓器に浸潤している、高度なリンパ節転移を伴っている、腸閉塞をきたしている、などの症例では、従来どどおり開腹手術で病変を切除しています。直腸がん手術では、肛門を温存する手術にも積極的に取り組んでいます。
 4番目に多いのはヘルニアに対する腹腔鏡を用いた手術です。腹腔鏡を用いた手術を多く行っている事から、院内から患者さんの紹介があつまり、症例数が多くなっています。院内からの紹介例は殆どが心臓や肺などに病気があったり、糖尿病や血液疾患などをもっていることから、術後の在院日数は少し長めになっています。もちろん合併症のない症例では術後3、4日での退院が可能です。
 5番目に多いのは潰瘍性大腸炎と呼ばれる病気に対する大腸全切除です。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対する手術を数多く行っている事も当科の特徴です。近年では腹腔鏡を用いた手術により小さな傷で病変を全て切除することが可能となっています。クローン病に関しは、術後に腸管の狭窄をきたさないような吻合方法を開発するなど、工夫を行っています。
移植・食道・血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 59 14.83 12.74 0.00% 76.34
060010xx01x0xx 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの) 頸部、胸部、腹部の操作によるもの等 手術・処置等2 なし 35 31.09 27.95 0.00% 69.37
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 32 9.13 9.82 0.00% 67.19
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 30 8.50 5.85 6.67% 72.80
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 1あり 30 18.90 21.94 0.00% 70.63
当科では食道疾患と血管疾患を数多く診療しています。
現在、食道悪性腫瘍の治療は、手術、放射線療法、化学療法(抗癌剤)を組み合わせた集学的治療となっています。私共は食道外科として、手術を主な治療手段としていますが、術前あるいは術後に、化学療法あるいは化学放射線療法など、いくつかの補助療法を組み合わせることで治療成績の向上をはかっています。特に術前化学療法は本邦のステージ2,3の進行食道癌手術における標準治療となっており、症例数も増えてきています。1回5日間の抗癌剤点滴を2週間の間隔で2回行い、おおよそ4週後に手術を行います。食道癌の手術は、頸部、胸部、腹部の3か所に操作が及び、消化器外科手術の中で最も手術侵襲が高い手術の一つです。そのため、術前の全身状態の改善や臓器予備能の適正な評価は非常に重要となります。手術は食道のほとんどと胃の上部約1/3を切除するとともに周囲のリンパ節を全て取り除く(郭清といいます)ことになります。その後、消化管再建を行いますが、残っている2/3の胃または大腸を用います。胃も大腸も通常は腹腔内にありますので、これらの血管を処理して頸部まで引き上げ、再建することになります。
血管外科の診療対象疾患は腹部大動脈瘤、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)、などです。腹部大動脈瘤に対してはステントグラフト治療を積極的に行っており、また通常では治療困難な患者さんを積極的に受け入れています。末梢動脈疾患に対しては病態の正しい評価から始まり保存的治療から血管内治療、バイパス、またはこれらを組み合わせたハイブリッド治療など、患者さんのニーズによって幅広い治療選択肢を有しています。豊富な症例数をもとにより安全、低侵襲で効果的な治療を目指し日々取り組んでいます。
乳腺・内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2 なし 81 12.79 6.59 0.00% 56.96
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2 なし 53 13.45 11.57 0.00% 53.25
100020xx01x0xx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等2 なし 34 11.47 9.27 0.00% 53.50
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 29 39.38 30.85 0.00% 64.48
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2 なし 28 14.04 10.30 0.00% 56.36
当科で診断・治療の対象としているのは主に乳腺および甲状腺の疾患です。この中で悪性腫瘍の代表として、乳がんと甲状腺がんが挙げられます。なかでも女性が最も多くかかるがんが乳がんです。日本において乳がんは増加の一途をたどっています。これを受けて、入院での治療で最も多いのは、乳がんに対する手術患者さんです(1番目、2番目、5番目とも乳がんに関する手術です)。
当院ではリハビリテーション科と協力して、乳がん術後の上肢のリハビリが完了してから退院としていますのでやや在院日数が長めとなっていますが、手術前の入院日数もあわせて、2週間以内に退院となっています。
3番目に多いのは甲状腺がんに対する手術患者さんになりますが、こちらも10日前後で退院となっています。
4番目に多いのは、乳がんに対する手術以外の治療としての放射線治療での入院です。乳がんに対する治療は手術以外に、抗がん剤、ホルモン剤、分子標的治療薬などを中心にした薬物療法や放射線療法があります。病気の進行度やがんの性格に応じて、これらを組み合わせて治療を行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 44 34.55 24.70 11.36% 59.39
050060xx9700xx 心筋症(拡張型心筋症を含む。) 手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 25 12.52 15.01 0.00% 39.52
050163xx9910xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 24 9.08 4.87 0.00% 72.83
050163xx03x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 14 24.21 16.98 7.14% 72.07
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 6.17 11.38 0.00% 59.25
弁膜症の手術を多く行っております。僧帽弁閉鎖不全症に対しては僧帽弁形成術を積極的に行っております。大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術も行っております。大動脈疾患は高齢者が多く、冠動脈疾患や脳血管疾患などを合併することもあるため、術前に詳細な評価を行い、開胸手術や血管内治療のうち最も適した治療を患者さんに提供します。
また当科は東北地方で唯一の心臓移植施設であり、そのため重症心不全に対する植込型補助人工心臓装着やその後の管理、心移植を行っております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 50 24.08 26.26 16.00% 72.72
180060xx99xxxx その他の新生物 手術なし 46 2.24 6.99 0.00% 44.54
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 37 6.62 5.94 0.00% 51.46
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 35 10.86 11.91 2.86% 28.31
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 23 31.91 24.42 8.70% 61.87
変形性膝関節症に対しては大腿骨内反骨切り術、高位脛骨骨切り術、人工関節置換術などを、前十字靭帯損傷に対しては靱帯再建術を、また骨軟骨骨折や離断性骨軟骨炎に対しては骨軟骨移植を行っています。関節鏡視下に行うことで、手術侵襲を最小限に抑えています。変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症に対して各種の大腿骨骨切り術や骨盤骨切り術、人工股関節置換術を行っています。
深いところに発生した腫瘍の診断にはCTを用いたCTガイド下針生検を積極的に行っています。診断結果が悪性腫瘍の場合は化学療法および放射線療法を必要とする場合があります。患肢温存手術を積極的に行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 78 11.35 9.91 0.00% 5.74
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 31 4.19 3.44 0.00% 64.16
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 13 8.00 5.80 0.00% 37.08
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし - - 11.97 - -
100100xx97x1xx 糖尿病足病変 手術あり 手術・処置等2 あり - - 49.25 - -
口唇口蓋裂をはじめとする顔面先天異常に対し、歯科とも連携した集学的治療を行っている。また,先天異常のみでなく、外傷についても救急科、歯科、耳鼻科、脳外科等と連携して集学的に加療している。
先天性/加齢性を含む眼瞼下垂症に対しても、保険適応内での加療を行っている。
下肢血流障害や褥瘡に伴う化膿性疾患や壊疽等に対しては、外科や救急科、糖尿病代謝科等と連携しつつ、状態に応じて創処置や植皮・皮弁等による再建、あるいは切断などの処置を行なっている。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 115 18.06 12.73 0.00% 65.84
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 100 3.09 3.68 0.00% 69.04
040180xx97xxxx 気管支狭窄など気管通過障害 手術あり 21 12.38 16.20 0.00% 48.00
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 13 11.62 10.28 0.00% 59.46
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 16.46 14.83 0.00% 67.31
 呼吸器外科における主な対象疾患は、外科治療を要する肺・縦隔・胸壁の悪性ならびに良性疾患(良性腫瘍、膿胸、気胸など)です。
当科における入院で最も多かったのは、外科治療目的で入院した肺の悪性腫瘍(主に原発性肺癌と転移性肺癌)の患者さんです。肺腫瘤の確定診断を目的とした短期入院による気管支鏡検査も行っています。
また、当院は、脳死肺移植実施施設に認定されているため、肺移植を受ける患者さん、拒絶反応・感染症のスクリーニングや治療のために入院する患者さんもいます。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 140 5.21 5.12 1.43% 55.83
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 84 13.74 13.29 1.19% 57.18
12002xxx99x41x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 あり 45 5.31 10.56 0.00% 54.89
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 45 14.93 20.79 13.33% 31.64
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 手術なし 43 6.95 6.86 6.98% 33.77
婦人科では近隣病院からの紹介で数多くの子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんなどの患者様の治療を行っております。手術が必要となる事が多いのですが、患者様の体調や病状、合併症の有無などをしっかり調べて、最も適切な治療法を提案させて頂きます。治療法は手術治療・放射線治療・抗がん剤治療を中心として、これらを組み合わせる事も多くなっています。

産科ではいわゆるハイリスク妊娠・分娩を中心に診療を行っており、妊娠週数が早い切迫早産症例などを積極的に受け入れいています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx01x0xx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 72 12.58 13.39 0.00% 65.64
100180xx04x0xx 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 腹腔鏡下副腎摘出術等 手術・処置等2 なし 48 11.40 11.34 0.00% 53.02
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 46 12.63 7.85 0.00% 67.24
11001xxx99x2xx 腎腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 25 27.96 19.92 0.00% 67.72
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 22 15.18 5.83 4.55% 62.68
前立腺癌は近年急速に増加し、現在では男性のがん罹患数の第1位となっています。転移がなく比較的早期に見つかった癌では、手術や放射線治療などで根治を目指します。一部の前立腺癌は進行が緩やかなため、患者さんの希望によってはしばらく治療せずに経過をみる方法もあります。転移のある前立腺癌では男性ホルモンを抑える注射や飲み薬で、がんをおとなしくさせる治療を行います。
副腎は左右の腎臓の上に存在し、体を維持するために必要なホルモンを産生します。ただ時にホルモンを過剰に産生して高血圧などの様々な病気を引き起こすため、その場合には治療が必要になります。副腎は2つあるため問題のある側の副腎がはっきりわかっている場合は、腹腔鏡手術で片側の副腎を摘出することで治療できます。
膀胱癌は膀胱の中にできる癌で、血尿などの症状で発見されることが多いです。根が浅い癌の場合には内視鏡手術で治療可能ですが、膀胱の筋肉まで癌が浸潤したり、転移がある状態で見つかる場合もあります。その場合には膀胱をすべて摘出する手術や抗がん剤による治療などが必要になります。
腎癌の治療は手術が中心になります。小さな腎癌の場合は癌の部分だけを切除し、できるだけ腎機能を温存する腎部分切除術が一般的になりつつあります。転移がある場合にはまずは手術で腎癌を摘出した後に、分子標的治療薬や最近では免疫を活性化する薬剤(PDL-1抗体など)で治療を行います。
尿路結石は、腎臓、尿管、膀胱などにできる結石です。結石は時に激痛や出血、発熱などの原因になります。ある程度の大きさになると自然に出てくる可能性は低くなりトラブルを起こしやすくなるので,積極的に治療を行う必要があります。薬による治療は難しいため、体外衝撃波装置や、経尿道的砕石術などにより治療を行います。
詳細は当科ホームページを参照ください(http://www.uro.med.tohoku.ac.jp/patient_info/diseases.html)
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010155xxxxx00x 運動ニューロン疾患等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 49 19.71 14.14 4.08% 64.78
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2 あり 定義副傷病 なし 43 16.98 17.57 2.33% 62.21
010090xxxxx00x 多発性硬化症 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 31 9.00 13.92 0.00% 37.71
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2 あり 定義副傷病 なし 25 16.12 21.15 0.00% 69.00
010140xxxxx0xx 筋疾患(その他) 手術・処置等2 なし 22 17.55 11.63 4.55% 56.00
神経内科では脳・神経・筋疾患の的確な診断を診療の大きな柱としています。その中で、運動ニューロン疾患に対しては、電気生理学的検査を中心に診断をおこない、神経栄養因子を用いた創薬研究や医師主導治験に取り組んでいます。多発性硬化症については、MRIや脳脊髄液検査による診断のもと、急性期および慢性期(再発予防)の治療をおこない、治験にも積極的に取り組んでいます。パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症といったパーキンソン病関連疾患(基底核等の変性疾患)では、MRIや心筋シンチグラム、ドパミントランスポーター(DAT)スキャン、脳血流シンチグラム等の検査法を駆使して診断をおこない、専門的立場で治療を導入しているほか、パーキンソン病の治験にも取り組んでいます。筋疾患の診断にも力を入れており、電気生理学的検査や画像検査にとどまらず、適応に応じて筋生検を実施し組織学的診断を加えています。
これらの疾患について宮城県内では、神経難病医療ネットワークを通じて各病院と連携して療養支援やケアを行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x20x てんかん 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 119 11.48 14.25 0.00% 31.30
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 47 26.28 22.47 10.64% 53.60
010070xx01x20x 脳血管障害 脳血管内手術等 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 33 20.24 20.52 0.00% 36.91
010010xx99000x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 31 5.13 11.54 6.45% 54.94
010200xx01x00x 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 10 20.30 20.91 0.00% 54.20
脳神経外科では、良性・悪性脳腫瘍、もやもや病を中心とした脳血管障害、てんかん症例を中心に診療を行っています。また、小児科との併診による小児脳腫瘍、リハビリテーション科との併診による正常圧水頭症治療も行っています。脳神経外科はてんかん科を含むため、DPCではてんかん症例に対する入院が多くなっています。てんかんに対しては薬物療法などの内科的治療が中心になりますが、難治例に対しては外科治療も実施します。
てんかんに関しては12歳以上の思春期・成人期の症例を対象としており、入院診療では原則、全例にビデオ脳波モニタリング検査を行っています。ビデオと脳波の同時記録中にてんかん発作を捉えることで、てんかんの正確な診断、病型分類、さらに発作焦点の局在診断を行い、外科治療の適応を検討しています。この入院精査ではMRIやPETなどの神経画像診断に加えて、神経心理検査および心理社会評価を行って包括的な評価を行っているのが特徴です。当院は厚生労働省から指定された全国に8施設あるてんかん診療拠点機関の一つです。てんかん診療に特化したてんかん科を中心として、当科、神経内科、精神科、小児科、放射線診断科、高次脳機能障害科が連携して、包括的なてんかん診療を行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 78 4.94 7.12 0.00% 5.99
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 62 5.55 6.18 0.00% 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 40 8.48 11.55 0.00% 0.03
130010xx99x0xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等2 なし 26 1.12 8.26 0.00% 11.81
010010xx99000x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 24 1.04 11.54 0.00% 4.71
てんかんについて当院には小児科病棟のビデオ脳波検査室をはじめとして、てんかんの原因精査に必要な設備が整っています。北日本全体から難治てんかん症例の紹介を受けて詳細な検査と治療を行っています。
小児科では早産による低出生体重児が年間合計で約150名入院します。東北大学病院は県内で最も周産期新生児医療のマン・パワーが充実しているため、治療に手のかかる成育限界期の早産を積極的に受け入れているためです。年間で約40名の超低出生体重児 (出生体重 1.0 kg未満)、約20名の極低出生体重児 (出生体重 1.0-1.5 kg)、約90名の低出生体重児 (出生体重 1.5-2.5 kg) が新生児集中治療室に入院して元気に育っています。
当院は東北地区で唯一の小児がん拠点病院であり、急性白血病をはじめ、小児固形腫瘍、小児脳腫瘍を含む小児がん初発症例が年間約30症例前後入院します。小児がん専門医が多職種スタッフと連携して最新の治療と長期フォローアップ管理を行っています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060300xx99x00x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 37 4.11 13.50 0.00% 10.65
060340xx99x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 27 7.41 9.93 0.00% 17.52
180040xx99x0xx 手術・処置等の合併症 手術なし 手術・処置等2 なし 22 7.41 10.01 0.00% 6.86
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 5.06 7.44 6.25% 4.25
060570xx99xxxx その他の消化管の障害 手術なし 13 4.69 7.65 0.00% 10.00
 当科が歴史的にも力をそそぎ、現在も特色といえる胆道閉鎖症の患者が上位を占めています。定期的な検査入院の他、胆管炎の治療による入院がその主な内訳です。胆管炎などの続発症は、年齢に限らず発生するため平均年齢が高い傾向となっています。
 「手術・処置などの合併症」は、いずれも静脈栄養患者におけるカテーテル敗血症の症例です。こちらは、胆道閉鎖症以外にも当科が力を入れている腸管不全症例の合併症の一つで、管理の難しさを反映しています。
当科では腸管不全の他にも、一般的な消化管疾患の症例も多く診療しております。胃食道逆流症に対する検査入院はおおむね1泊2日で行っておりますが、消化管出血により全身麻酔での上部消化管内視鏡が必要な症例もあり、そういった際には入院期間がやや長くなる傾向にあります。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080190xxxxxxxx 脱毛症 98 4.89 3.72 0.00% 35.54
080005xx99x1xx 黒色腫 手術なし 手術・処置等2 1あり 65 8.72 9.98 0.00% 57.38
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 57 15.11 8.78 1.75% 70.00
080005xx01x0xx 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 35 24.31 14.87 0.00% 57.77
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 28 8.61 4.28 0.00% 43.79
当科では、宮城県内ならびに近隣の県内の重症もしくは難治な皮膚疾患の患者さんに対して、質の高い医療を提供しております。皮膚疾患はアトピー性皮膚炎、乾癬などの炎症性皮膚疾患、皮膚や皮下組織の感染症、自己免疫疾患、脱毛症などの付属器疾患から皮膚腫瘍まで多岐にわたります。
入院患者さんで多い疾患は難治性疾患である円形脱毛症(単発型を除く)と皮膚腫瘍です。多数の難治性・進行性の円形脱毛症の患者さんに対しては、ステロイドセミパルス療法での治療を行っております。良性腫瘍では、手術治療、悪性の皮膚腫瘍(皮膚がん)では、手術に加え、化学療法や放射線療法などの治療を行うことがあります。
近年は、進行性の悪性黒色腫の患者さんに対して、新しい治療薬である分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬による治療を積極的に行っております。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 246 13.38 10.53 0.00% 55.88
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 184 9.67 7.72 0.00% 69.02
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 片眼 177 14.33 9.15 0.00% 60.27
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2 なし 片眼 130 12.44 8.27 0.00% 59.23
020280xx97xxxx 角膜の障害 手術あり 70 11.87 11.07 0.00% 65.37
網膜剥離は緊急を要する疾患であり、県内の他施設での実施可能件数が十分ではないため、当科が集中的に手術を実施しており、1位となっております。当科では緑内障、網膜疾患、角膜疾患それぞれの専門医が県内外各地の重症症例の治療を行っており、緑内障、増殖性糖尿病網膜症、角膜疾患の紹介が多くなっております。白内障手術は重症な網膜疾患や緑内障に対する手術の際に同時に行う例が多くあります。また、加齢黄斑変性症や糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF抗体療法は一般の医療機関では取り扱えない施設が多いため、当科が集中的に実施しております。
耳鼻咽喉科;頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx01000x 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 61 27.75 14.06 0.00% 66.49
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 40 5.50 5.50 0.00% 43.75
03001xxx99x00x 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 36 20.42 13.57 2.78% 65.28
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 34 9.53 7.47 0.00% 57.24
030240xx01xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 33 6.24 7.28 0.00% 38.30
耳鼻咽喉・頭頸部外科では頭頸部悪性腫瘍(鼻副鼻腔癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、唾液腺癌など)症例の治療を行っており、その中でも外科的手術を目的とした入院症例数が最も多くなっています。形成外科や歯科口腔外科と共同で再建手術を要するような進行した口腔癌症例を多く手掛けることもあり、平均在院日数はやや長目となっています。その他、放射線治療や化学療法を行う頭頸部悪性腫瘍症例も多く入院しています。また耳鼻咽喉科救急疾患にも対応しており、特に休日における仙台市急患センターとの連携が構築されていることもあり、入院治療が必要な扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性喉頭蓋炎などの症例も多くなっています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2 あり 定義副傷病 なし 72 22.40 21.15 0.00% 71.86
010200xx01x00x 水頭症 水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 34.71 20.91 4.76% 77.76
010200xx99x00x 水頭症 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 17 19.71 7.70 5.88% 77.06
010220xxxxxxxx その他の変性疾患 13 18.92 16.35 0.00% 78.46
010069xx99000x 脳卒中の続発症 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 39.08 9.99 25.00% 57.75
高次脳機能障害科にて、パーキンソン症候群及び認知症をきたす疾患の鑑別診断と治療を行っている。
水頭症は歩行障害(パーキンソン症候群)と認知症の両者を来たす疾患で、術後管理を含めた包括的治療を高次脳機能障害科で行っている。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 72 7.97 6.56 0.00% 56.03
060010xx99x31x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 あり 33 55.36 43.74 15.15% 70.64
040040xx9902xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 18 26.67 24.87 0.00% 75.50
110080xx9906xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 6あり 18 4.89 4.27 0.00% 64.94
060010xx02x3xx 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 内視鏡的食道粘膜切除術等 手術・処置等2 3あり 17 62.88 61.18 11.76% 65.82
放射線治療科で最も多く診療している疾患は甲状腺がんとなります。特に手術後の再発予防目的や転移に対する治療目的にRI内用療法を行っています。3~4日間の特殊な隔離病棟で加療しています。
次いで多い疾患は食道がんとなります。当院では放射線(化学)療法を行う食道癌のほとんどが当科入院にて行っております。分割した放射線照射が必要であるため、約2か月程度の入院加療が必要となります。急性期の副作用が遷延することもあり、連携病院にて回復まで入院していただくこともあります。進行期の患者様には引き続き当院腫瘍内科と連携し追加化学療法を行うこともあります。
3番目は肺がんとなっています。当施設では早期肺がんに対し、積極的に定位放射線治療という、所謂ピンポイントに大線量を短期間に照射する治療を行っています。治療中の副作用は軽微ですので概ね通院で加療可能ですが、遠方から紹介される方を中心に入院で治療しています。
他には前立腺癌に対し、強度変調放射線治療(IMRT)を行っております。限局性前立腺癌に対しては全症例にIMRTを使用しています。またホルモン治療に抵抗性となった骨転移にはラジウム-233の投与も行っています。
詳しくは当科ホームページ(http://www.radiol.med.tohoku.ac.jp/chiryo/)をご覧ください。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 33 4.45 3.64 15.15% 41.45
170020xxxxxx0x 精神作用物質使用による精神および行動の障害 定義副傷病 なし 29 1.62 2.60 0.00% 24.97
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20 4.85 7.12 15.00% 50.75
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20 9.30 7.52 25.00% 64.65
180010x0xxx3xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 3あり 17 34.53 39.70 41.18% 69.76
救急科の私たちは、大けが、大やけど、重症の感染症、脳卒中、急性中毒、ショック、急性呼吸不全、心不全や突然の心停止など、重症から帰宅が可能な軽症の方を含めた救急患者さんの初期治療と入院後の集中治療を行っています。そして、救急医療と集中治療を要する患者さんに関して、多くの医療機関と宮城県全域を支援しています。
意識障害を伴う重症の急性中毒、高齢化や医療の高度化に伴って世界で増加している重症の感染症である敗血症、身体のいろいろなところにけがを負う多発外傷の患者さんなどに対して、救急治療から手術と集中治療、リハビリテーションや退院までの診療を行っています。ひとりでも多くの重症の救急患者さんが元気になることを目指した治療をします。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 109 10 4 25 31 117 1 7,6
大腸癌 45 9 27 20 17 83 1 7,6
乳癌 105 52 32 12 5 82 1 7,6
肺癌 159 51 124 163 95 303 1 7,6
肝癌 23 27 12 5 12 122 1 7,6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃癌:初期の胃癌については、多くの症例が消化器内科での内視鏡的治療が占めている。また、抗がん剤での治療については腫瘍内科や胃腸外科、外科的治療については胃腸外科にて主な診療を行っております。
大腸癌:大腸癌の約8割を胃腸外科にて診療を行っており、手術と抗がん剤による治療の組み合わせを行っております。
乳癌:抗がん剤治療、外科的治療ともに乳腺外科での診療が大部分占めており、外科的治療後の乳房形成術等については、形成外科と連携し治療を行っております。
肺癌:呼吸器内科、呼吸器外科での診療が大部分を占めております。また、他の癌に比べStage不明が多くなっているが、確定診断までの複数回の気管支鏡や肺生検といった検査入院をそれぞれカウントしているためです。
肝癌:内科的治療については消化器内科、外科的治療については肝臓・胆のう・膵臓外科、移植・食道・血管外科にて行っております。

いずれの疾患についても、主診療科だけではなく内科と外科や、放射線科、化学療法センターといったさまざまな診療科・部門にて横断的に治療を行っております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 14 15.43 51.43
中等症 46 25.43 71.28
重症 10 27.60 75.30
超重症 - 28.50 81.50
不明 - - -
重症度が高くなるほど、平均在院日数が長くなる傾向があります。また、高齢になるほど重症化しやすくなっております。
診療科の特性上、呼吸器内科での診療が5割弱を占めていますが、原疾患の治療を行っている診療科での入院もあり様々な診療科が治療を行っております。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - 1.50 46.50 33.33%
その他 - 63.00 65.00 0.00%
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 69 27.04 70.84 27.00%
その他 31 44.42 65.61 7.00%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - 17.00 76.00 25.00%
その他 - 11.33 66.33 0.00%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - 5.00 76.00 0.00%
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 60 13.52 38.42 0.00%
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
脳梗塞での3日以内の疾患については、約6割の症例を救急科にて診療をおこなっております。その際、脳神経外科や神経内科といった診療科と連携しt-PAや血管内手術等、適切な治療法を選択しております。
もやもや病については、主に脳神経外科が診療を行っており外科治療や術後脳血流評価等についても行っております。
その他の疾患については、内科的治療・外科的治療・リハビリテーションを行うそれぞれの専門の診療科にて診療を行っております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴 等 167 2.35 5.67 0.60% 62.03
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 等 126 3.32 4.62 3.97% 68.07
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 等 84 2.90 6.07 1.19% 53.48
K570-3 経皮的肺動脈形成術 56 2.95 6.38 0.00% 68.05
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 29 1.93 8.41 13.79% 81.14
当院循環器内科では、循環器領域の検査・治療に高い診療実績を上げております。
冠動脈疾患の検査では冠動脈造影検査だけでなく運動負荷検査・冠動脈CT検査・核医学検査などにより確定診断に行ったった狭心症について経皮的冠動脈ステント留置術を含め冠動脈形成術を積極的に行っております。緊急で行う場合、予定入院で行う場合など症例に応じたタイミングで手術が行われます。
それに加え、目で見える狭窄がない冠攣縮性狭心症においては冠攣縮誘発試験を行い、またさまざまな検査を用いて診断し、薬剤による狭心症状に対する治療を行っています。
最近では加齢に伴う一般的な疾患である心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術の症例増加が顕著です。大腿の血管からカテーテルを挿入し、心房中隔穿刺という手技にて右心系から左心系へカテーテルを挿入、不整脈起源である肺静脈周囲の左心房を治療します。心房細動症例の増加と平行して心房細動以外の頻脈性不整脈に対するカテーテル心筋焼灼術も増加傾向にあります。
徐脈性不整脈についてはペースメーカー植え込み術も行っております。難病である慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する肺動脈形成術では、日本循環器学会が定める東北地方では唯一の施行認定施設であり、適応をしっかり定め積極的に治療を行っています。
腎臓・内分泌科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 等 31 11.03 12.06 3.23% 65.68
K613 腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術) 11 1.91 6.82 0.00% 44.64
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 - - - - -
K754-2 腹腔鏡下副腎摘出術 - - - - -
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) - - - - -
当科で最も多い手術は慢性腎不全患者の血液透析に必要な内シャント設置術です。腎不全の保存期から計画的に治療管理され、腎代行療法を患者自身が意思決定し、患者さまの体調に若干の余裕がある時期に内シャント設置術を行うことで、その後の血液透析導入を円滑にすすめることができます。
次に多い手術は腎血管性高血圧症、腎動脈狭窄症に対する経皮的な腎血管拡張術です。腎動脈狭窄症は若年者の二次性高血圧の中で治療可能、降圧薬の減量や中止が期待できる疾患であり、画像診断で適応を判断し、積極的に実施しています。腹膜透析を受ける患者さんへのカテーテル挿入、維持透析中にシャント機能不全を生じて血管内治療での修復のための入院という末期腎不全治療に関連する2つの手術が件数としては並んでいます。
血液内科;リウマチ科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) - - - - -
K6262 リンパ節摘出術 長径3センチメートル以上 等 - - - - -
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) - - - - -
当科では化学療法のみで十分な治療効果を得ることが難しい血液悪性疾患に対して、造血幹細胞移植を行っています。
多発性骨髄腫(主に65歳未満の例)や難治性悪性リンパ腫に対しては大量化学療法を用いる自家移植を行います。
急性白血病に対しては血縁ドナーもしくは非血縁ドナーからの移植を行います。
一般的に50歳未満の方には骨髄破壊的前処置、50歳以上の方には前処置の強度を減弱したミニ移植を選択します。移植後は自宅近くの病院と連携しながら、長期にわたりフォローアップを行っていきます。
糖尿病代謝内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) - - - - -
K2762 網膜光凝固術(その他特殊) - - - - -
K066-21 関節鏡下関節滑膜切除術(肩) - - - - -
K281 増殖性硝子体網膜症手術 - - - - -
K6851 内視鏡的胆道砕石術(経十二指腸的又は外瘻孔を介するもの) - - - - -
他診療科での手術や化学療法前後における合併症予防を目的として、入院にて血糖コントロールを行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 120 1.54 3.68 0.00% 65.96
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 102 5.32 15.74 1.96% 66.83
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 等 96 3.38 9.73 1.04% 71.82
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 61 5.38 15.52 0.00% 70.20
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 59 2.58 6.24 0.00% 68.42
消化器内科では、内視鏡を用いた手術を行っています。
最も多いのが、大腸ポリープ(腺腫)に対するポリペクトミーです。短期入院していただき、内視鏡的に切除しています。
次いで多いのが内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)です。これは内視鏡を用いてドレナージチューブを留置する治療で、肝臓でつくられる胆汁を流す胆管が閉塞した場合に発症する閉塞性黄疸、胆管結石や胆管狭窄が原因で発症する胆管炎などに対して胆汁を体外に排出するために行われます。
早期胃がんに対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という内視鏡手術を行います。このESDは早期胃がんだけではなく、表在型食道がん(早期の食道がん)、早期のバレット腺がん、早期大腸がんなどに対しても行っています。
内視鏡を用いない手術としては、カテーテルを用いて肝臓がん(肝細胞癌)への血流を遮断する血管塞栓術や肝臓がん(肝細胞癌)を高周波で焼くラジオ波焼灼術なども行っています。
心療内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5223 食道狭窄拡張術 拡張用バルーンによるもの 等 - - - - -
K214 霰粒腫摘出術 - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
- - - - - - -
心療内科では機能性消化管障害と摂食障害が代表的な疾患ですが、関連・類似病態には消化管運動異常症として慢性便秘、慢性特発性偽性腸閉塞症、食道アカラシアがあり、それらを包含した診療を実施しています。
内科診療で実施できる食道アカラシアに対する食道狭窄拡張術があり、それが上位1番目の指標として挙げられています。
つづく中心静脈注射用植込型カテーテル設置については、心療内科入院中に慢性偽性腸閉塞症への治療として外科に依頼し、手術を実施した方が栄養の保持を図り得ると判断された例であり、心療内科としては手術例そのものが少ないため、上位に掲載されています。
霰粒腫摘出術と抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置については偶然の合併症に実施された処置であり、心療内科としては手術例そのものが少ないため、これも上位に掲載されています。
腫瘍内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 76 1.79 6.09 2.63% 61.37
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 21 3.90 27.71 14.29% 65.62
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 12 9.75 7.67 0.00% 69.17
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
腫瘍内科で施行する手術で最も多いのは、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置術です。抗がん剤は血管内に確実に投与する必要があり、末梢血管のルートが確保困難な場合や抗がん剤の持続投与を要する場合に適応になります。
胸水・腹水濾過濃縮再静注法は、がんによって生じた胸水、腹水を排液、採取し、タンパク質成分を濃縮後に血管内に還元する手技で、主として症状の緩和を目的にとして行います。
内視鏡的経鼻経管ドレナージ(ENBD)は、胆道がんや膵臓がんによって引き起こされる閉塞性黄疸の治療として実施されるものです。上部消化管内視鏡下に細いチューブを胆管に挿入して、胆汁の排出を行うことにより黄疸を軽減させます。この処置は消化器内科と共同して実施されます。
肝臓・胆のう・膵臓外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K682-3 内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD) 58 3.09 29.83 5.17% 68.05
K7032 膵頭部腫瘍切除術 リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術の場合又 等 31 6.06 37.55 9.68% 65.52
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 20 3.00 4.30 0.00% 65.05
K7022 膵体尾部腫瘍切除術 リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術の場合 等 19 10.32 26.58 5.26% 67.16
K677-22 肝門部胆管悪性腫瘍手術 血行再建なし 等 18 6.39 40.33 0.00% 66.00
 肝・胆のう・膵臓外科では,肝臓,胆道,膵臓の悪性腫瘍(肝臓がん,転移性肝がん,肝内および肝外胆管癌,胆のう癌,十二指腸乳頭部癌,膵臓がんなど)に対する外科手術を中心とした治療を主に行っております。これらのがんに対する手術は難易度が高いことから,より高い専門性と知識,技術が求められており,当科では肝胆膵外科高度技能専門医を中心に安全で確実な手術を心がけております。
 特に胆管がんや膵頭部がんでは,閉塞性黄疸が出現することが多く,黄疸を取り除くための管を内視鏡的に胆管内に挿入する「内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術(ENBD)」を術前に施行することが多くなっております.これは根治的な手術ではなく,手術の前に行われる処置であり,当科で最も多く行われている処置となります。
 2番目に多い膵頭部腫瘍切除は,膵臓の右側(膵頭部)に出来た膵臓癌の患者さんに行われるものであり,当科の代表的な手術の一つとなります.非常に高難度で大きな手術でありますが,当科では術前の化学療法,放射線療法等を取り入れ,これまでは切除が不可能であった超進行膵臓がんも,切除可能となる症例が増えております。
 3番目に多い腹腔鏡下胆嚢摘出術は,胆のうの良性疾患,多くは胆嚢結石(いわゆる胆石)の患者さんに行われる腹腔鏡を用いた低侵襲の手術ですが,近年肝臓,胆道,膵臓の領域でも低侵襲な腹腔鏡を導入しております。
 4番目は膵臓の左側(膵体部,膵尾部)に出来た腫瘍を切除する術式となっております。2番目に出てきた膵頭部腫瘍切除と合わせ,膵臓癌に対する治療を積極的に行っております。膵臓の左側に出来た癌は,右側に出来た癌にくらべ早期発見が難しく,切除が難しい状態で発見されることも少なくありません。膵頭部癌同様に化学療法,放射線療法等を組み合わせ,治療成績の向上を目指しております。また,他院で手術は不可能だと言われた患者さんもこのような治療を組み合わせることで切除が可能となることがあります。
 5番目は肝臓の中心部(肝門部)に出来た胆管癌に対する手術です。このような場所に出来た胆管癌は肝臓の半分以上を切除するような大手術が必要となることが多く,熟練した手術手技が必要となります。また,癌の進展範囲により,どのような術式を選択するかという解剖の熟知や癌の進展範囲の診断が必要であり,放射線科,消化器内科などと協力しながら治療戦略を決定しています。
胃腸外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K655-22 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術 等 32 2.97 11.31 3.13% 66.56
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 23 9.43 13.87 0.00% 71.74
K7322 人工肛門閉鎖術 腸管切除を伴うもの 等 22 2.95 12.59 0.00% 50.82
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 17 2.53 5.41 0.00% 63.47
K740-21 腹腔鏡下直腸切除・切断術 切除術 等 16 5.19 17.75 0.00% 68.00
胃腸外科では腹腔鏡を用いた低侵襲手術を数多く行っていることが特徴です。腹腔鏡手術は従来の開腹手術と比較して、キズが小さいため術後の痛みも少なく術後の回復が早いことがメリットです。患者さんの早期退院、早期社会復帰が可能です。高齢者にも安全に行うことが可能です。
1番目に多い腹腔鏡下胃切除術は胃がんに対する低侵襲手術であり、開腹手術と比べ小さな傷で済むことから積極的に行っている手術です。
2番目に多いものは腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術であり、これは大腸がんに対する腹腔鏡手術です。同様に小さな傷での切除が可能であることから。積極的に行っております。
3番目に多い人工肛門閉鎖術ですが、これは一時的に造設された人工肛門を閉鎖する術式です。直腸がん手術や潰瘍性大腸炎手術の際に、縫合不全の予防目的に、一時的な人工肛門を造設することがあります。最初の手術から3ヶ月後、縫合不全がないことを確認してから人工肛門を閉鎖しています。直腸がん手術や潰瘍性大腸炎手術で肛門温存手術を数多く行っているため、結果的に一時的人工肛門造設術に伴うその閉鎖術が多くなっています。
4番目に多い腹腔鏡下胆嚢摘出術は、多くは胆嚢結石(いわゆる胆石)の患者さんに行われる腹腔鏡を用いた低侵襲の手術です。心臓や肺などに病気があったり、糖尿病や血液疾患などをもっている患者さんが多いことから、術後の在院日数は少し長めになっています。
5番目は、腹腔鏡下直腸切除術です。直腸がん手術の根治性を損ねることなく、性機能や排尿機能に配慮した肛門温存手術を積極的に行っています。
移植・食道・血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612 ステントグラフト内挿術 腹部大動脈 等 64 4.06 10.05 1.56% 76.05
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 39 2.64 6.10 7.69% 71.33
K529-21 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術 頸部、胸部、腹部の操作によるもの 37 6.00 24.76 2.70% 69.57
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再 等 34 3.56 17.26 8.82% 69.59
K530-3 内視鏡下筋層切開術 21 3.29 6.05 0.00% 53.38
ステント内挿術及び大動脈瘤手術:血管外科で行う手術のうちで多いものは腹部大動脈瘤と下肢閉塞性動脈硬化症に対する手術です。腹部大動脈瘤は症状がない病気ですがある程度大きくなると破裂の危険があるため予防のための治療をお勧めしています。治療には「ステントグラフト内挿術」というカテーテルで足の付け根から動脈瘤の中に特殊な人工血管を入れて動脈瘤を固める方法と、腹部を大きく切開して人工血管でバイパスする「人工血管置換術」とがあります。ステントグラフトは足の付け根の小さな切開だけで行えるため、体力のない方にも勧められる治療です。ただ、一部の方に再発が見られ、再治療が必要になることがあります。人工血管によるバイパス手術は腹部に大きな創がつきますが、手術の後に動脈瘤の再発が見られることはめったにありません。それぞれの利点、欠点をお話しして患者さんに最も適した治療法をご本人やご家族と相談しながら決めていくことにしています。閉塞性動脈硬化症の症状には歩行時に脚が苦しくなる(間欠性跛行)といった軽いものから、重症化しますと安静にしているだけで脚が痛む(安静時痛)、または脚に潰瘍や壊死が生じるものがあります。間欠性跛行の症状の患者さんは比較的安定して経過することが殆どですが、安静時痛や壊死を生じて参りますと切断の危険が高くなり重症下肢虚血と言われます。我々はカテーテル治療とバイパス手術などの治療手段を駆使して患者さんの症状や状態から適切な治療を提供するよう心がけて診療しております。
胸腔鏡下食道悪性腫瘍(頸部、胸部、腹部の操作):侵襲が高度な食道癌手術において、なるべく侵襲を少なくするために胸腔鏡下食道切除術を1994年に導入し、20年以上にわたり、継続して行ってきました。現在では標準手術としてほぼ全ての手術症例に行っています。従来の開胸手術は25cm程の手術創と1~2本の肋骨切離を伴いますが、胸腔鏡下手術は数か所のポート挿入(1cmあるいは5mm)のみで操作します。術後の痛み、肺機能の維持という観点から大きなメリットがあります。通常手術に比べて、手技そのものの難易度は上がりますが、十分に訓練された術者が担当します。腫瘍の切除やリンパ節廓清についても開胸手術と同等あるいはそれ以上の精緻さをもって行うことができ、長期成績も遜色ありません。腹部操作も原則として腹腔鏡下に行っており、食道癌手術の低侵襲化が図られています。
乳腺・内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 85 3.08 8.69 0.00% 57.12
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋 等 31 2.65 10.48 0.00% 52.32
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下 等 24 3.63 9.00 0.00% 55.08
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 22 4.27 9.36 0.00% 56.36
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術 切除 19 3.58 7.00 0.00% 50.74
当科で診断・治療の対象としているのは主に乳腺および甲状腺の疾患です。
この中で悪性腫瘍の代表として、乳がんと甲状腺がんが挙げられます。なかでも女性が最も多くかかるがんが乳がんです。日本において乳がんは増加の一途をたどっています。これを受けて、当科における手術症例数の第1位、第2位は乳がんに対する手術です。乳がんに対する手術は、乳房を部分的に切除する乳房部分切除術と乳房を全部切除する乳房切除術とに大別されます。
当科では、乳房を部分的に切除する乳房温存手術を希望される患者さんが多く、30年前から乳房温存手術に積極的に取り組んでおり、すでに1300例以上の手術を経験しています。また、現在では脇の下のリンパ節の不要な切除を回避するセンチネルリンパ節生検が主流となっています。
さらに、甲状腺がんの手術症例も増加しており、第5位になっています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K604-24 植込型補助人工心臓(非拍動流型) 91日目以降(1日につき) 等 32 0.00 14.69 0.00% 39.06
K5551 弁置換術(1弁のもの) 等 20 11.90 32.45 15.00% 58.85
K5611 ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 等 18 5.83 43.83 11.11% 72.33
K5601イ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(上行大動脈 等 12 13.83 40.17 0.00% 57.67
K597-2 ペースメーカー交換術 等 11 1.00 4.09 0.00% 56.27
弁膜症の手術が最も多く行なわれており、僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術を積極的に行っております。近年では小開胸からの僧帽弁手術(MICS-MVP)にも取り組んでおり、症例数が増加しております。
大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術も行っており、患者さんの状態により開胸大動脈弁置換術と比較しより適切な方法を行うこととしております。
また当科は東北地方で唯一の心臓移植施設であり、そのため重症心不全に対する植込型補助人工心臓装着の手術及び、装着後の患者さんの管理を多く行っております。一方で、大動脈疾患の治療も数多く行っており、従来の開胸手術のみならずステントグラフトを用いた低侵襲手術を行っておりますが、患者さんの状態によって適切な選択を行うようにしております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 等 90 5.48 20.37 11.11% 68.76
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 37 1.43 4.59 0.00% 51.22
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 21 1.10 7.33 0.00% 21.38
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 21 8.05 23.00 28.57% 71.90
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単なもの) 17 2.00 20.41 5.88% 61.29
変形性膝関節症に対しては大腿骨内反骨切り術、高位脛骨骨切り術、人工関節置換術などを、変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症に対して各種の大腿骨骨切り術や骨盤骨切り術、人工股関節置換術を行っています。悪性腫瘍の場合は化学療法および放射線療法を必要とする場合があります。患肢温存手術を積極的に行っています。前十字靭帯損傷に対しては靱帯再建術を、また骨軟骨骨折や離断性骨軟骨炎に対しては骨軟骨移植を行っています。脊髄を含む神経の圧迫病変や腫瘍に対して積極的に手術治療を行っています。
頚部脊髄症に対して国分名誉教授が考案した前方除圧固定術は内外で評価の高い優れた術式です。また、腰椎後弯症や脊椎圧迫骨折後の遅発性麻痺、脊髄係留症候群には、脊柱短縮骨切り術を行い良好な成績が得られています。
若年者では反復性肩関節脱臼や投球障害肩などのスポーツ障害、中高年者では腱板断裂や関節拘縮などの変性疾患に対しては、手術侵襲を最小限に抑え、できるだけ早期にスポーツ活動や職場に復帰していただくために、積極的に関節鏡視下手術を行っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 22 0.86 2.55 0.00% 68.05
K4263 口唇裂形成手術(片側)(鼻腔底形成を伴う場合) 等 20 1.70 2.45 0.00% 2.00
K4073イ 顎・口蓋裂形成手術(顎裂を伴うもの) 12 2.17 13.17 0.00% 2.08
K0591 骨移植術(軟骨移植術を含む。)(自家骨移植) - - - - -
K227 眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む 等 - - - - -
口唇口蓋裂をはじめとする顔面先天異常に対し、歯科とも連携した集学的治療を行っている。また,先天異常のみでなく、外傷についても救急科、歯科、耳鼻科、脳外科等と連携して集学的に加療している。
先天性/加齢性を含む眼瞼下垂症に対しても、保険適応内での加療を行っている。
下肢血流障害や褥瘡に伴う化膿性疾患や壊疽等に対しては、外科や救急科、糖尿病代謝科等と連携しつつ、状態に応じて創処置や植皮・皮弁等による再建、あるいは切断などの処置を行なっている。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 等 72 7.83 10.35 1.39% 67.75
K508 気管支狭窄拡張術(気管支鏡によるもの) 等 24 1.54 8.50 0.00% 47.54
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 等 18 6.89 7.00 0.00% 60.67
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 等 12 5.42 7.50 8.33% 40.08
K5132 胸腔鏡下肺切除術 その他のもの 等 12 9.17 11.67 8.33% 64.17
呼吸器外科は肺・縦隔を中心とした臓器に対する外科治療を中心に行っています。肺癌は胸腔鏡を用いた手術が現在主流になっており、原発性肺癌に対する定型的肺切除に加え、他臓器からの転移病巣に対する部分的肺切除も行っています。更に悪性疾患以外にも、肺癌に次いで症例数が多い自然気胸に対する胸腔鏡下肺切除手術や縦隔腫瘍なども治療の対象となります。時に肺癌以外の近接した食道癌や喉頭癌進行に伴う気道狭窄病変に対し、気管支鏡下による気道狭窄病変に対する拡張術を施行することもあります。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 等 69 3.97 6.23 0.00% 34.22
K879 子宮悪性腫瘍手術 66 3.56 10.42 1.52% 58.32
K867 子宮頸部(膣部)切除術 等 59 1.07 1.08 0.00% 42.10
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 50 3.64 11.24 2.00% 56.40
K861 子宮内膜掻爬術 44 0.00 0.39 0.00% 43.52
婦人科で最も多いのは子宮がんに対する手術ですが、これは子宮頸がんと子宮体がんを合わせた症例数になっています。以前は子宮頸がんが大多数を占めておりましたが、近年では子宮体がんが増加しており、半数以上が子宮体がんとなっています。当科では患者様の手術侵襲を減らす目的で「センチネルリンパ節生検」「腹腔鏡下手術」「ロボット支援手術」などを積極的に取り入れております。次いで多いものは卵巣がん・卵管がんなどを対象とした子宮附属器悪性腫瘍手術です。これらの手術では腫瘍組織を可能な限り摘出する一方で、術前または術後に抗がん剤治療を組合わせる事も多くなっています。
子宮内膜掻爬術は子宮体がんが疑われる場合に、子宮鏡で子宮内腔を直接観察したうえで内膜組織を摘出するものです。通常は病棟で短期入院で行われる手術になります。

産科では、ハイリスク妊娠・分娩症例が多く、また県内の一次施設、二次施設より緊急症例を受け入れているため緊急帝王切開の数が多くなっています。
緊急帝王切開術においても、麻酔科、新生児科の協力を得て万全の体制で手術を行っています。また、超緊急帝王切開にも対応できるシステムの構築に努めています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術・電解質溶液利用のも 等 71 4.13 9.21 0.00% 68.48
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を 等 69 3.16 8.41 0.00% 65.62
K754-2 腹腔鏡下副腎摘出術 48 3.06 7.35 0.00% 54.13
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 等 26 4.92 9.96 7.69% 65.31
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 21 4.38 15.81 0.00% 68.52
経尿道的膀胱腫瘍切除術は膀胱癌に対してまず行われる手術です。水を膀胱内に注入しながら内視鏡(カメラ)を尿道を通して膀胱内に挿入し,電気メスで切除します。その後顕微鏡で癌の性格や根の深さを確認します。顔つきがあまり悪くなく、癌の根が浅い場合は経過を見ることになります。顔つきが悪い癌や、根が深い場合には、膀胱全摘術や抗がん剤の治療を検討することになります。
ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術は転移のない前立腺癌に対する手術です。繊細で正確に作動する鉗子・鮮明な3次元画像を有した手術支援ロボットを用いて、前立腺と精嚢の摘除したのちに尿道と膀胱を吻合します。ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術です。2012年4月に‘前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術’が保険適応になって以来、ほとんどの前立腺摘除術はロボット支援手術でおこなわれております。
腹腔鏡下副腎摘出術は、主に副腎の良性腫瘍に対する手術です。良性腫瘍でも副腎の場合は過剰にホルモンを産生することにより高血圧など様々な病気の原因となることがあるため、問題のある側の副腎を腹腔鏡手術で摘出します。
経尿道的結石砕石術は、内視鏡下に結石を破砕する手術です。尿道から細いカメラを膀胱、尿管、腎臓へ挿入し、結石をモニターで見ながら破砕します。破砕した結石は可能な限り回収して手術を終了します。
腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術は腎癌や腎盂尿管癌に対する手術です。小さな腎癌に対しては腎機能をできるだけ残すために、腎部分切除術が勧めらます。2016年4月から、腎部分切除術に対するロボット支援手術が保険適応になり、現在は腎部分切除術は腹腔鏡手術よりも侵襲の少ないロボット支援手術で行われるようになっています。
詳細は当科ホームページをご参照ください(http://www.uro.med.tohoku.ac.jp/patient_info/inspection.html)
神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 13 16.38 13.46 15.38% 64.69
K386 気管切開術 - - - - -
K403-24 嚥下機能手術(喉頭全摘術) - - - - -
K154-3 定位脳腫瘍生検術 - - - - -
K148 試験開頭術(脳室穿刺を含む) - - - - -
神経内科では内科的治療が主体です。しかしながら、診断を目的とした生検術を行うことがあります。筋生検や末梢神経生検は神経内科で、また脳や脊髄の生検は脳神経外科で、皮膚やリンパ節の生検は皮膚科や外科系診療科で、十分に必要性を吟味した上で施行しています。
一方、種々の神経筋疾患によって飲み込みの障害(嚥下障害)が起きることがあります。リハビリテーション部門あるいは耳鼻咽喉科・摂食嚥下センターでの嚥下機能評価を経て必要と判断した場合、ご希望があれば消化器内科で胃瘻造設術(主に経皮的内視鏡下胃瘻造設術)を施行しています。そのほか、神経筋疾患による呼吸不全に対して気管切開術を耳鼻咽喉科に依頼して施行することがあります。
まれに合併症に対する処置、あるいは中心静脈栄養を長期間行うための植え込み型カテーテル設置を行うこともあります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 等 71 5.87 36.97 8.45% 52.72
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 等 31 5.00 14.68 0.00% 39.81
K154-3 定位脳腫瘍生検術 16 3.75 33.31 12.50% 53.19
K1742 水頭症手術(シャント手術) 等 10 6.20 14.90 20.00% 49.40
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
脳神経外科では、良性、悪性を含む脳腫瘍摘出術が最も多い手術となっています。手術アプローチが困難な頭蓋底腫瘍に対する摘出術、神経生理学的モニタリング、ナビゲーションシステムなど画像誘導システムを必要とする脳内腫瘍の摘出術、神経内視鏡を用いた低侵襲手術を主に行ってます。悪性腫瘍に対しては放射線治療科、小児脳腫瘍に対しては小児腫瘍科などとの連携を通した集学的治療を提供するシステムを構築しています。次いで多いのは、もやもや病を主とする虚血性脳疾患に対する血行再建術です。特にもやもや病に関しては、日本で最多の症例を治療する機関となっています。続くのが難治性てんかんに対する外科手術です。てんかん科との連携により、脳波測定、ビデオモニタリング装置などを駆使して的確、適切な診断から治療までを提供しています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 等 39 0.00 53.69 5.13% 0.00
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの) 等 10 3.70 12.70 0.00% 2.60
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 10 6.20 135.10 0.00% 6.80
K5622 動脈管開存症手術(動脈管開存閉鎖術(直視下)) - - - - -
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 等 - - - - -
小児科では新生児仮死蘇生術を施す件数が増えています。毎年150名近く生まれる低出生体重児 (出生体重2.5 kg未満) はその未熟性のため、生まれてすぐには呼吸できず徐脈に陥りがちです。赤ちゃんの元気さを示す10点満点の評価 (Apgar score) で、生後1−5分の値が3点以下を仮死第一度、4-6点を仮死第二度と呼びます。東北大学病院では生まれる低出生体重児の約7割に新生児仮死蘇生術を施しています。
また小児血液免疫疾患や悪性腫瘍においては長期間点滴や頻回の採血が必要な場合が多く、埋め込み型中心静脈カテーテルを留置し、安全にかつ苦痛なく採血、点滴および抗がん剤投与を行うようにしています。
小児先天性心疾患治療としてで頻度の多い心室中隔欠損閉鎖術や不整脈治療としての経皮的カテーテル心筋焼灼術、および低出生体重児の動脈管開存症手術時に、関連診療科と連携して小児の全身管理や周術期管理を担当しています。                       
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 等 27 3.22 1.04 0.00% 1.74
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 16 5.94 5.25 0.00% 10.50
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア 等 - - - - -
K836 停留精巣固定術 - - - - -
K666 幽門形成術(粘膜外幽門筋切開術を含む。) - - - - -
 小児外科疾患において一般的である、鼠径ヘルニア・臍ヘルニア・停留精巣が、手術件数の上位を占めています。これらは、乳幼児期に手術されることが多いため、年齢も低めとなっています。
 当科は、歴史的にも胆道閉鎖症を含めた胆道系疾患に力をいれており、症例も集積される傾向にあるため、胆道閉鎖症手術・総胆管拡張症手術も上位に入っています。胆道閉鎖症は、術後管理も特に重要なため、術後日数は長めとなっています。
また、腸管不全症例の診療にも専心しております。そのほとんどの症例が静脈栄養管理を行っているため、感染症やカテーテル破損に伴うカテーテル設置の手術件数も多くなっています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 109 2.52 16.97 0.92% 66.73
K0051 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) 等 21 1.71 4.00 0.00% 38.62
K0052 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝以上4㎝未 等 13 1.92 5.69 0.00% 36.31
K0064 皮膚腫瘍摘出術(露出部以外)(長径12㎝以上) 等 13 2.31 11.92 0.00% 43.46
K0063 皮膚皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上) - - - - -
当科の手術で最も多いのは、皮膚癌などの皮膚悪性腫瘍の切除術で、次いで、露出部の良性皮膚腫瘍切除術、非露出部の良性皮膚腫瘍切除術が多い手術となっています。これらの手術は全身麻酔あるいは局所麻酔で行います。腫瘍を摘除した部分は、できるだけキズがきれいに治るように、丁寧に縫い合わせるほか、悪性腫瘍などで広い範囲の皮膚欠損が生じるような場合には、局所皮弁や植皮術により欠損部をふさぐ手術を行います。
また、悪性黒色腫の患者さんでは、必要に応じて、センチネルリンパ節(見張りリンパ節)生検やリンパ節郭清を行っています。皮膚腫瘍切除術のほかには、熱傷や皮膚感染症患者さんで、壊死組織除去(デブリードマン)を行っています。デブリードマン後の皮膚欠損に対して、植皮術などの皮膚潰瘍の治療を行います。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合・その他のも 等 838 1.12 1.16 0.12% 70.61
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 等 503 1.48 8.81 0.00% 64.78
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) 等 144 1.30 9.63 0.00% 63.58
K2683 緑内障手術(濾過手術) 103 1.04 16.02 0.00% 65.84
K281 増殖性硝子体網膜症手術 85 2.65 11.81 0.00% 53.95
当科へは網膜疾患や緑内障の重症症例が多く紹介されています。重症例は手術加療が必要となることも多く、網膜疾患に対する硝子体切除術や緑内障に対する流出路再建術の際に白内障手術を同時に行っている例が多いため、手術件数としては白内障が1位となっております。緊急を要する網膜剥離や増殖性糖尿病網膜症は、県内の他施設での実施可能件数が十分でないため、当科が集中的に手術を実施しており、硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの)が2位となっています。それ以外の網膜疾患(黄斑前膜・黄斑円孔など)に対する硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの)や緑内障手術も他施設では実施可能件数が限られております。最重症である増殖性硝子体網膜症手術も他施設では施行が困難な場合が多く、当科が集中的に実施しており5位となっております。
耳鼻咽喉科;頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 34 0.50 4.79 0.00% 39.41
K319 鼓室形成手術 30 1.93 7.27 0.00% 47.47
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔 等 26 2.15 9.31 3.85% 62.62
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。 等 23 7.17 72.22 4.35% 65.35
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) 等 23 1.22 7.65 0.00% 60.61
鼓室形成術は、その中でも低侵襲手術の位置づけの最先端の技術である内視鏡下耳科手術の対象患者数が増加しています。頭頸部悪性腫瘍(鼻副鼻腔癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、唾液腺癌など)症例の各種手術を手掛けており、その中でも歯科口腔外科との連携から舌悪性腫瘍手術が多く行われています。また頭頸部悪性腫瘍症例に対して集学的治療(手術、放射線治療、化学療法)を行う上で支持療法としての栄養管理の重要性から、消化器内科と連携して経皮的内視鏡下胃瘻造設術を多くの症例に行っています。
リハビリテーション科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1742 水頭症手術 シャント手術 等 25 6.72 27.12 4.00% 77.72
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
K656-2 腹腔鏡下胃縮小術(スリーブ状切除によるもの) - - - - -
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) - - - - -
当科で最も多い症例となっている水頭症については、診断、手術適応の決定、手術後の管理を当科で行いますが、手術自体は脳神経外科にて実施しており、後に当科に転科して術後管理を行っており、最も多い症例となっています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。 等 21 5.24 51.57 4.76% 66.67
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 等 16 2.19 6.38 0.00% 62.06
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 12 0.25 1.08 0.00% 63.75
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 等 - - - - -
K142-4 経皮的椎体形成術 - - - - -
放射線診断科は、病院の中央診療部門としてCT・MRI・核医学を中心とした画像検査の施行と診断を行い、また、血管造影とその技術を応用したIVR(インターベンショナルラディオロジー)を施行しています。
画像診断とIVR業務を行っております。昨年の画像診断実績はCT:38,000、MRI:18,000件、核医学7,800件、IVR 540件で、単純X線と超音波診断の一部も行っていますが、それらの大部分は外来ないしは他診療科入院にて行っているために入院実績には一部しか反映されておりません。
放射線診断科のIVRは、腫瘍や出血、外傷に対する血管塞栓術は365日24時間の救急を含め対応しています。内臓動脈瘤や肺動静脈瘻のような特殊な疾患のIVRや他院から直接紹介された各種塞栓術は当科入院にてIVRを施行しており、症例数の上位にあるのはこのためです。CTガイド下の各種生検やマーカー留置の一部と骨粗しょう症の椎体形成術も当科入院で行っています。腎癌のCTガイド下凍結療法も放射線診断科入院の上施行しております。
多くは当院各診療科に入院で当科と他診療科との密接な協力の上で、血管拡張術、動脈内薬剤注入用のカテーテル留置術、骨腫瘍のablation、CTガイド下のラジオ波焼灼術やドレナージ、静脈サンプリング、ステントグラフト後のエンドリーク塞栓、BRTO等多くの種類のIVRに対応しています。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 等 22 0.00 19.73 72.73% 62.36
K386 気管切開術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K6021 経皮的心肺補助法(初日) - - - - -
K636 試験開腹術 - - - - -
救急科の私たちは、大けが、大やけど、重症の感染症、脳卒中、急性中毒、ショック、急性呼吸不全、心不全や突然の心停止など、重症から帰宅が可能な軽症の方を含めた救急患者さんの初期治療と入院後の集中治療を行っています。
出血は生命を脅かす重篤な状態ですが、重症の外傷患者さんでは腹部や胸部の損傷、骨盤骨折に伴う出血が問題となります。出血をしている血管だけを止血する血管塞栓術はとても迅速に行うことができ、外傷以外の患者さんに対しても有効な治療方法として、多くの患者さんの出血をコントロールすることに役立つ治療として行っています。また、大けがやショックの患者さんの治療では、正確な診断よりも一刻を争う治療を優先することから、腹腔内出血や腹膜炎といった状態に対して開腹術を行って、診断と同時に治療を行うことにより迅速に対応しています。
当科では重症の呼吸不全を含む多臓器障害などの集中治療を必要とする患者さんの治療を多く行っています。このような患者さんでは、長期間の人工呼吸を必要とすることも少なくありません。10~14日以上の人工呼吸を必要とする患者さんでは、患者さんの負担を減らすために気管切開術を行います。人工呼吸が必要なくなれば、気管切開は閉鎖して元通りになることもできます。そして、普通の人工呼吸だけでは呼吸状態を維持することができない患者さん、自分の心臓の力だけでは血液を全身に供給することが十分にできない多くの患者さんに対して、人工心肺を用いた治療(経皮的心肺補助法)を医療チームとして積極的に行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - 0.04%
異なる 26 0.14%
180010 敗血症 同一 29 0.16%
異なる 55 0.30%
180035 その他の真菌感染症 同一 13 0.07%
異なる - 0.04%
180040 手術・処置等の合併症 同一 113 0.61%
異なる 12 0.06%
手術・処置等の合併症については、退院後のものが大半を占めております。
主な疾患としては在宅での管理を要する中心静脈カテーテル感染によるもの、透析カテーテルの感染によるものなどが主な原因となっている。
また、人工関節のゆるみや眼内レンズ脱臼等の疾患についても含まれます。
更新履歴