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第21回 成長痛、「休めば治る」は本当?

2022.08.16

【開催概要】
日時:2022年8月6日(金)18:00〜19:00
開催方法:オンライン(Zoom)
講師:東北大学病院 整形外科 助教 秋貴史
主催:東北大学病院
後援:宮城県、仙台市、宮城県医師会、仙台市医師会、宮城県教育委員会、仙台市教育委員会、株式会社仙台89ERS、株式会社ベガルタ仙台

【イベントレポート】
8月6日(土)、からだの教室第21回をオンラインで開催しました。今回のテーマは、「成長痛、『休めば治る』は本当?」です。
整形外科の秋貴史医師が、小中学生の保護者やスポーツ指導者を対象に、子どもたちの成長や将来を見据えた、適切な膝の痛みの対処法や予防法などについて分かりやすくお伝えしました。

○成長痛とは
まず、秋医師から「成長痛」とは何かの説明がありました。成長期の子どもが運動時に痛みを訴える時は「骨端症(こったんしょう)」という病気が隠れていることが多く、幼児~小児期の休んでいる時に痛みが生じる成長痛とは異なる状態だそうです。骨端症は、身長が伸びる時期に、骨の成長に筋肉や神経の成長がついていけず、成長期の未熟な骨が引っ張られることが原因となります。
骨端症の中でも多くの人が悩んでいるのが「オスグット病」です。オスグット病とはどういうものかについて、イラストやレントゲン写真等を使って説明がありました。膝を曲げたり、体重をかけた時に、膝の下(脛(すね)の前)に生じる痛みで、放っておくと骨が変形することがあり、腿の前の筋肉(大腿四頭筋)の負担を減らすための対策を軽症のうちにすることが大切とのことでした。

○予防方法・対処法について
成長痛の予防方法や対処法について、クイズを交え説明がありました。
成長痛は休むと一時的に痛みは和らぎますが、原因を治さなければまた繰り返すため、正しい動作・姿勢(パワーポジション)を意識することが大切だそうです。日常生活から股関節や体幹を意識した動作や姿勢を取り入れることで、成長痛の予防につながります。筋肉をバランス良く使えるよう、動画でトレーニング方法を紹介しました。

質疑応答では、成長期のお子さんをお持ちの方や、一緒に参加されていた小中学生のお子さんから、具体的なストレッチ方法や、成長痛をカバーするための靴の条件など次々と質問をいただき、とても充実したセミナーとなりました。参加者からは、「成長痛の原因と対処法が分かりとても勉強になった」、「これから思春期を迎える子どもの予防対策として生かしたい」、「痛みを訴えてきた生徒にひどくならないように助言したいと思う」などの感想をいただきました。

最後は、秋医師から「今回知った情報を元に自分の体の使い方に興味をもって、子どもたちが笑顔で運動できるきっかけになれば嬉しいです」と話し閉会しました。

 

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。 (広報室)

 

今回のからだの教室の模様をオンデマンド配信(期間限定)しています。
https://www.youtube.com/watch?v=KpNonVQlj7Y