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第18回 からだが整う漢方レッスン

2019.03.18

【開催概要】

■日 時:2019年3月8日(金) 19:00〜21:00

■場 所:東北大学クリニカル・スキルスラボ (仙台市青葉区広瀬町3-34 艮陵会館5F)

■参加者:18名

■参加費:無料

■講 師:東北大学病院 漢方内科 髙山 真・有田 龍太郎・齊藤 奈津美

■主 催:東北大学病院

■協 力:一般社団法人 辛酉会

 

【イベントレポート】

3月8日(金)、第18回からだの教室を開催しました。今回のテーマは「からだが整う漢方レッスン」です。

当院漢方内科の医師と漢方について学びました。

〇体質を見極める「気・血・水」

参加者の皆さんには、まず、クコの実入りの菊花茶を飲みながら、チェックシートで自分の体質チェックをしていただきました。自分の体質のタイプが分かったところで、国内唯一の中級漢方生薬ソムリエの資格を持つ有田医師がそれぞれのタイプについて解説しました。

漢方では、体質を見極める際、「気・血・水(き・けつ・すい)」を用います。この「気・血・水」の3つの要素のバランスをうまく保つことによって、からだの健康が維持されています。これらが不足したり、滞ったり、偏ったりすると不調や病気、障害が起きてくると考えられています。

そこで6タイプの不足・停滞の体質「気虚・気滞・血虚・血お・陰虚・水滞」について、症状やセルフチェックの方法を学び、各タイプに適した生薬に触ったり、食べてみたりしました。なかなか見ることのできない生薬に参加者の皆さんは興味津々です。


  • 生薬について解説する有田医師

  • 本日の生薬

〇漢方薬を試飲、薬膳パウンドケーキも試食

体質、生薬を学んだ後は、タイプにあった煎じ薬の試飲です。今回は気虚・気滞・血虚タイプの方には「加味帰脾湯」、陰虚・血おタイプの方には「杞菊地黄丸」を用意しました。濃縮された煎じ薬は初めて飲む方が多く、その味に驚いている方が多くいらっしゃいました。試飲の後は、お待ちかねの薬膳パウンドケーキの試食です。

気滞・・血お・水滞タイプのイライラ・うつうつさんには気をめぐらせる「めぐり薬膳パウンドケーキ」、気虚・血虚・陰虚タイプのへとへとさんには「おぎなう薬膳パウンドケーキ」を用意しました。

この薬膳パウンドケーキは齊藤医師のオリジナルレシピ。それぞれ中に入っている材料が異なり、からだを温めるために生姜を温めて使ったり、白い砂糖ではなく黒糖を用いたりすることがポイントです。


  • 薬膳パウンドケーキの生薬を解説する齊藤医師

  • 薬膳パウンドケーキ

〇身近な生薬、貴重な生薬

試飲・試食後は、有田医師より、「漢方生薬ソムリエ」について解説がありました。漢方生薬ソムリエとは、高い専門知識を持ち、刻んだ生薬の見た目や匂いなどで、どの生薬かを見極めることができることを認定される資格です。生薬のスペシャリストの有田医師より、身近に生息している生薬や貴重な生薬を紹介してもらいました。


  • 漢方の考え方について解説する髙山医師

最後に、髙山医師が「体質を決めていき、困っている所を治療するという独特の考え方があり、何となく調子が悪かったり、元気になった後もサポートできるのが漢方。自身の体質を知ることで普段からからだの調子を整えましょう。」というメッセージを伝え、からだの教室を締めくくりました。

今回の漢方レッスンは漢方に馴染みのない方にもわかりやすい内容で、「生薬を初めて見た」「漢方薬をより知ることができた」「身近に感じることができた」という感想をいただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。