あいさつ
2011年に発生した東日本大震災では、未曽有の被害を受けました。当院としても、持てるノウハウで最善を尽くし、地域の医療体制の復旧に全力を尽くしました。
宮城県は、これまで宮城県沖地震、宮城県北部連続地震、岩手・宮城内陸地震、東日本大震災、さらには令和元年台風と、大規模災害を繰り返し経験してきています。また今後、首都直下型地震、南海トラフ等の大規模災害の発生も想定されています。 東日本大震災後、過去の災害の経験等を活かしながら、将来の大規模災害等に対応できる災害保健医療体制の整備、医療人の養成を行うことが喫緊の課題であることが浮き彫りとなりました。また、全国医学部附属病院長会議においても、このような体制整備の必要性が指摘されており、本院が全国に先駆け実働モデル部門の構築を行う社会的使命を担うと考えました。
そこで、東日本大震災時に、多組織と連携しながら沿岸被災地医療を強力にバックアップした本院が、官学産民医が強固に連携した災害対応の体制整備および人材育成を行うことを目的に、2015年1月1日に東北大学病院内に災害対応マネジメントセンターを設置しました。
概要
1)組織
以下が、当院の災害対応マネジメントセンターのイメージ図です。
「災害対応マネジメントセンター」は既設の院内の災害対策委員会、緊急被ばく医療専門委員会が所掌する業務を行う「院内部門」に加え、新たに設置する「災害コーディネート部門」を統括します。「災害コーディネート部門」は、第一に、今後想定される大規模災害に対する災害対応体制の整備、第二に、大規模災害時における保健医療活動の包括的コーディネーション、第三に、災害医療体制リーダーの養成(災害医療に必要な医療スキル、災害時マネジメント能力、災害対応統括リーダーシップを持つ、医療人の養成を行うことを目的としています。
こうして災害医療に係る①教育・研修、②災害時情報収集通信体制、③院内組織体制、を標準化し、全国へ向けて啓発していくことを目的としています。
2)組織
災害対応マネジメントセンターの構成員です。
①総括本部長:病院長兼務(災害時病院長の直轄本部となるため)
②部長:
災害対応整備部門/久志本成樹 高度救命救急センター センター長(災害対策委員会委員長)
災害コーディネート部門/石井正 総合地域医療教育支援部 部長(宮城県災害医療コ ーディネーター)
③助教:専任1名:不在、兼任1名:藤田基生
④助手1名(専任):阿部喜子
⑤調整員1名(兼務):今井浩之
⑥関係診療科、看護部、事務部等
3)具体的な活動内容
Ⅰ.院内対応部門
①災害対策委員会の種々のWG(災害対策本部WG、マニュアル改訂・訓練WG、外来防災部会、CBRNE対応WG等)のマネジメント
②院内の総合防災訓練の企画・運営、勉強会の開催
③緊急被ばく医療専門委員会における院内対応マニュアルの策定サポート
④宮城県女川原子力発電所の災害による被災を想定した原発事故対応訓練における本院(原子力災害拠点病院)対応訓練の企画運営
⑤原子力災害対応に関する勉強会の開催
⑥BCP委員会におけるBCP策定、BCMのサポート
Ⅱ.院外対応部門
①宮城県が開催する各種訓練の企画・運営のマネジメント
②仙台消防や警察、自衛隊、仙台空港などとの連携訓練 など
*詳細につきましては、以下の年度別活動報告をご覧ください。
■災害対応マネジメントセンター活動報告書
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