NSTの歩み 20周年記念誌
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東北大学病院 事務部長富田 有一東北大学病院 薬剤部長眞野 成康04「東北大学病院NST20周年記念誌発刊」誠におめでとうございます。NSTが2003年(平成23年)10月に設置された以降、患者のQOL向上、医療の向上に貢献することは勿論のこと、その活動は院内のみに留まらず、専門療法士臨床実地修練施設として他施設医療系スタッフの受入れや、NSTに関する各種研修会を開催し、精力的に活動している皆様に深く敬意を表します。医療の高度化や複雑化するニーズへの対応と同時に、特にこの数年は働き方改革への対応や、COVID-19、ウクライナ問題など不安定な社会情勢・世界情勢の中、より厳格な病院運営・経営が求められ、国立大学病院を取り巻く状況はこれまで以上に厳しさを増しております。その中にあっても栄養管理は、適切な医療の推進の礎となる非常に重要なものであると思いますので、本院の基本理念である「患者さんに優しい医療と先進医療との調和を目指した病院」の実現のため、NSTの皆様の今後益々の活躍を期待しております。東北大学病院のNSTが20周年を迎えられましたことを心よりお慶び申し上げます。栄養サポートチーム加算が新設されたのは平成22年ですが、当院ではその7年も前から栄養管理にチームで取り組む重要性を認識し、推進してきたことを顧みますと、これまで栄養管理業務に従事されたすべての方々の先見の明と弛まぬご努力に改めて敬意を表します。全国国立大学病院栄養部門会議の調査によると、特定機能病院に入院する患者の約8割が入院時に栄養障害や何らかの栄養管理が必要な状態にあるそうです。これはすべての病棟における栄養管理の必要性を示しています。薬剤部ではNSTメンバーを中心に病棟業務に従事するすべての薬剤師が、入院早期から栄養管理が必要な患者に薬学的に介入しています。周術期やがん治療における栄養管理の充実も図られており、こうした取り組みが在院日数の短縮化による病院経営基盤の強化や、医療の質向上に大きく貢献していると認識しています。今後も多職種連携によるNST活動の拡がりと、栄養サポートセンターの益々のご発展を祈念します。「東北大学病院NST20周年記念誌発刊」に寄せて「東北大学病院NST20周年記念誌」発刊に寄せて

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