NSTの歩み 20周年記念誌
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東北大学病院栄養サポートセンター 副センター長総合外科(消化器外科学分野)石田 晶玄東北大学病院 栄養管理室 副管理栄養士長布田美貴子02NSTカンファレンスは、多職種の参加のもと、患者さんの栄養状態・管理について討議しますが、日常の診療では気づかないこと、例えば、自分の専門外の新規薬物や、検査結果の解釈など、を学ぶことができる、有意義な機会にもなっています。個人的な経験ではありますが、カンファレンスを通じて、腸管不全に合併する脂肪肝と、膵臓手術後に発症する脂肪肝の間に、必須脂肪酸欠乏という共通点があることを知り、膵臓手術後の栄養指導に活かすことができています。東北大学病院NSTは、20年という長い年月を通じて、多くの患者さんの健康と栄養に貢献するとともに、院内外への栄養に関する情報の提供、研修活動も行ってきています。これも偏に、NST活動に参加いただいた多くの方々の尽力の賜物であり、厚く感謝を申し上げます。特に最近の数年間は、世界中を襲ったCOVID-19のパンデミックという困難な状況の中でも、リモートでのカンファレンスや、オンラインでの情報提供など、新たな方法を模索しながら活動してきました。コロナが終息しつつある昨今、20周年という節目を迎えるにあたり、東北大学病院NSTが、これからも多くの患者さんの栄養をサポートし、健康を増進していくことを心から願っております。私が入職したのは東北大学病院NSTが発足してすぐの頃でした。全くの新人で先輩のアドバイスを受け、緊張しながらカンファレンスに参加していたことを思い出します。NSTで入職当時から医師や看護師さんはじめ多くの職種の方と交流できたことは、私にとってとても良い経験であり、基盤となっています。あれから20年がたち、入院基本料の算定要件に栄養管理体制が含まれるなど、病院における栄養管理の必要性が高まっていることを感じます。「病院全体がNST」を目指し、前任の皆様が取り組んできた、患者さんひとりひとりの栄養管理はもちろん、病院全体に向けた活動をさらに発展させていけるよう取り組んで参りたいと思います。東北大学病院NST20周年によせて東北大学病院NST20周年に寄せて

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