NSTの歩み 20周年記念誌
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第70号2021年6月NNUUTTRRIITTIIOONN SSUUPPPPOORRTT TTEEAAMM NNUUTTRRIITTIIOONN SSUUPPPPOORRTT TTEEAAMM NNUUTTRRIITTIIOONN SSUUPPPPOORRTT TTEEAAMM*公益社団法人日本糖尿病協会発行「糖尿病ライフさかえ」2020年8月号36頁より転載TEL.7120FAX.7147コレステロール合成を抑制し、LDL受容体合成を促進し、血中LDLを低下させる小腸でのコレステロールの吸収を阻害する胆汁酸と結合して胆汁酸とコレステロール吸収阻害と体外への排泄を行うLDL受容体の分解を抑制し、LDLの肝臓への取り込みを促進する動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版一部抜粋商品名(例)働き脂質異常症とは、高LDL-コレステロール血症、高トリグリセライド血症など血中脂質の異常をきたす病気です。日本では、生活習慣の欧米化・高齢化に伴い、脂質異常症の患者さんは増加しています。2018年から特定健診にNonHDL-Cが追加されました。NonHDL-Cは悪玉コレステロールとして知られるLDLコレステロールに加え、他の悪玉コレステロールであるレムナントやsmall dense LDLなども反映した指標です。NonHDL-Cは動脈硬化リスクを反映する新しい指標として注目されており、特に中性脂肪が高い場合は、レムナントやsmalldenseLDLが増加するのでLDLコレステロールだけではなく、NonHDL-Cの値が重要です。【計算式】NonHDL-C =総コレステロール-HDLコレステロール脂質異常症診断基準動脈硬化となる。脂質異常症により動脈硬化が進行すると、脳梗塞や冠動脈疾患を発症する可能性が高くなります。特に、糖尿病、慢性腎臓病、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患のいずれか、または、喫煙、高血圧、低HDL血症、耐糖能異常、早発性冠動脈疾患家族歴が複数ある場合には、冠動脈疾患の発症リスクが高くなります。スタチンメバロチン®、ローコール®リバロ®、リピトール®クレストール®陰イオン交換樹脂クエストラン®コレバイン®PCSK9阻害薬レパーサ®EPA製剤エパデール®、ロトリガ®中性脂肪を減らし、血液を固まりにくくするその1その2その3その4その52020年日本動脈硬化学会では、動脈硬化予防に役立つ食事として65歳未満の方を対象に以下のような日本食パターンの食事(TheJapan Diet)を推奨しています。肉の脂身、動物油、鶏卵、清涼飲料や、菓子などの砂糖や果糖を含む加工食品、アルコール飲料を控える魚、大豆・大豆製品、緑黄色野菜を含めた野菜、海藻・きのこ・こんにゃくを積極的にとる精製した穀物を減らして未精製穀類や雑穀・麦を増やす甘味の少ない果物と乳製品を適度にとる減塩した薄味にする高LDLコレステロール血症境界域高LDLコレステロール血症低HDLコレステロール血症高NonHDLコレステロール血症境界域高NonHDLコレステロール血症38文責:黒澤聡子(糖尿病代謝科)文責:牧優治(検査部)≧140mg/dLLDL-C120~139mg/dLHDL-C<40mg/dL≧170mg/dLNonHDL-C150~169mg/dL小腸コレステロールトランスポーター阻害薬ゼチーア®TTOOHHOOKKUU UU..HH..編集/伊関雅裕神山篤史小柴康利黒澤聡子金笑奕小林実森山さや香馬場健太郎佐々木美奈佐々木麻美牧優治渥美淑子田口雄也発行/東北大学病院NST広報係「The Japan Diet」(日本食パターンの食事)薬物療法LDL-コレステロールの管理が重要で、スタチンが第一選択薬です。スタチンは、1973年に秋田県出身で東北大学農学部をご卒業された遠藤章先生が発見され、世界100カ国以上で約4000万人に服薬されています。より強力なLDL低下作用を有するPCSK9阻害薬(注射薬)も使用されています。分類LDLが動脈硬化を起こす理由①酸化LDLが、血管の壁の中で生成される。②マクロファージが酸化LDLを貪食する。③プラーク(コレステロールの塊)が蓄積し、今回のテーマは「脂質異常症の最近の知見について」ですNonHDL-C(NonHDLコレステロール)ってなに?№№7700NST

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