NSTの歩み 20周年記念誌
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第60号2019年(令和元年)10月※Harris-Benedictの式はあくまでも予測式であり、90年以上前の欧米人のデータがもとになっています《Harris-Benedictの式で用いる体重について》通常は現体重を用いますが、体重を増やしたり減らしたりしたい場合には目標体重を、※REE:Resting Energy Expenditure※RQ:Respiratory Quotient必必要要エエネネルルギギーー量量のの設設定定ににつついいてて必要エネルギー量は、基基礎礎エエネネルルギギーー消消費費量量×活動係数×ストレス係数で求めます必必要要エエネネルルギギーー量量のの設設定定でで困困っったたととききににははNNSSTTへへごご相相談談をを!!必要エネルギー量の設定は、食事や経腸栄養剤、輸液の量や内容を決める際の目安になります。摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスの不均衡は体重や栄養状態の変化に現れるため、必要エネルギー量の設定は栄養管理を行う上で重要です。今回は「必要エネルギー量の設定について」特にHarris-Benedictの式を使った方法について説明します。必要エネルギー量は、基礎エネルギー消費量(以下、BEE:basalenergy expenditure)に活動係数とストレス係数を乗じて設定します。Harris-Benedictの式はBEE算出に用いる方法の一つで、当院の必要エネルギー量設定でも使用しています。その他の方法として、糖尿病や慢性腎臓病、肝疾患などの患者さんに対しては、各診療ガイドラインに添った方法で設定する場合や、より緻密な栄養管理が必要な患者さんには間接熱量計測を行うこともあります。★★Harris-Benedictのの式式男性[BEE=66.47+13.75W+5.0H -6.76A]女性[BEE=655.1+9.56W+1.85H -4.68A]W:体重(kg)、H:身長(cm)、A:年齢(歳)必要に応じ活動係数を見直すことも大切です小児や高齢者では過剰評価することになる場合もあるため注意が必要です寝たきり(意識低下状態・安静)寝たきり(覚醒状態)ベッド上安静トイレ歩行一般職業従事者これらの活動係数はあくまでも目安ですリハビリテーション開始時など、活動量が変化したら活動係数を見直す必要があります※当院では看護度から活動係数を自動設定していますので浮腫がある場合には理想体重や、通常時体重を用いる事もあります活活動動係係数数手術(胆嚢摘出、乳房切除)(胃亜全摘、大腸切除)(胃全摘、胆管切除)(膵頭十二指腸切除、肝・食道切除)これらのストレス係数はあくまでも目安です初期設定のまま漫然と使用するのではなく、病態に応じて定期的な見直しが必要ですおまけ・・・≪間接熱量計測について≫呼気中の酸素消費量と二酸化炭素産生量を測定することで、間接的に安静時エネルギー消費量(REE※)と呼吸商(RQ※)を算出します。Harris-Benedictの式によるBEEがスストトレレスス係係数数肝移植骨髄損傷褥瘡がん編集/神山篤史山本淳平井本博文林洋毅岡本宏史丹田奈緒子三浦悠理子馬場健太郎岩崎さや香佐々木まなみ佐々木美奈渥美淑子発行/東北大学病院NST広報係当院では身長と体重が入力されていれば電子カルテの「栄養サポート画面」に自動計算されています!!実際に消費されているエネルギー量を知ることで、より患者さまの状態に合った必要エネルギーの設定が可能です。文責:佐々木まなみ(栄養管理室)参考文献日本病態栄養学会:病態栄養ガイドブック(改訂第5版), 20181.01.11.21.31.5参考文献本田佳子編. 栄養療法のギモンQ&A100+9: 基礎知識編. メディカ出版, 2012, 89p.28TEL.7120FAX.71471.21.41.61.81.20.8-0.91.2-1.61.1-1.3■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■TTOOHHOOKKUU UU..HH..今回のテーマは原点に立ち返り、「必要エネルギー量の設定について」です!№№6600NST

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