東北大学病院 卒後研修センター東北大学病院 卒後研修センター

現行制度:後期研修(専門研修)

各診療科研修

Each department of clinical training

後期研修要項 脳神経外科

後期研修プログラムの概略

5~7年間で国内外において充分な競争力を持つ、脳神経外科専門医を育成することを目的とした臨床プログラムです。
国内有数の症例数を通じての密度の濃い臨床修練、さらには神経外科・神経科学領域の研究者としての素養をはぐくむ研究プログラムも包括しており、プログラム期間内に日本脳神経外科学会認定専門医資格と医学博士号取得が可能です。
脳神経外科では、疾患分野別に細分化したサブスペシャリティーが求められる時代になっています。
このプログラムでは、サブスペシャリティーの全分野を網羅して修練可能である点に特色があります。

診療科の概要

当教室では、教室開設以来、高度先進的医療技術と知識を持った脳神経外科専門医の育成のみならず、世界トップレベルの神経外科・神経科学領域の研究者の育成、次世代の医学教育を担う教育的指導者を育成してきました。
また国際的人材を育成すべく、大学院生、医局員の海外留学、及び海外から当教室への留学生の受け入れを推進してきました。
初代鈴木教授の時代から伝統的に”臨床に厳しい”教室であり、その根底に ある哲学は患者中心主義です。
豊富な症例を通じて臨床的知識・技能を高め、世界中どこでも通用する脳神経外科医を育成するシステムとなっています。
その結果、合格率が7割に満たない脳神経外科専門医試験にも、歴代ほぼ100%の合格率を誇ってきました。
原則として、医局員全員が入局後7年目までに脳神経外科学会認定の脳神経外科専門医資格、医学博士号を習得します。
これが当教室における後期研修(レジデント)教育の柱であり、高い専門性を身につけると同時に、基礎的研究を通じて視野を広げ、臨床医としての資質向上を図ってきました。
同窓生では北海道から関東にいたる基幹病院で脳神経外科医療を担っている他、神経リハビリ、基礎科学、神経病理等広い分野で活躍しています。

対象

原則として医師免許取得後2年間(3年間)の初期研修を終了し、将来脳神経外科専門医を目指す医師を対象としています。
脳腫瘍患者に対する放射線化学療法、脳卒中性期ならびにくも膜下出血患者の周術期管理、各種神経モニタリング法を習得します。症例報告を学会発表および投稿論文にて行います。

募集人数
  • 大学院進学コース6名
  • 臨床専従コース2名
  • これ以上の人員に対しても対応可能。

指導体制

現在のスタッフは教授1、准教授1、講師1、助教3です。
その他、当科関連の脳血管内治療科に教授1、准教授1、高度救命救急センターに助教2となっています。
東北大学病院・脳神経外科では脳神経外科専門医6名、脳卒中専門医2名、脊髄外科指導医1名、神経内視鏡技術認定医1名を有しています。
脳血管内治療科(脳卒中専門医2名、脳血管内治療指導医1名)との共同プログラムも選択可能です。
その他、広南病院、仙台市立病院、国立病院機構仙台医療センター、宮城県立こども病院などの市内関連基幹施設において各分野の指導医を有しています。

研修期間

大学院進学コース、臨床専従プログラムとも6年、専門医取得後のサブスペシャリティプログラム選択の場合は全過程で8年を原則とします。

研修内容
大学院進学コース

専門教育プログラム前期(1年目=卒後3年目:東北大学病院・広南病院)

神経学的診察法、救急蘇生法、神経画像診断法、脳血管撮影法、穿頭術の習得、開閉頭の基礎、脳腫瘍患者に対する放射線化学療法、脳卒中急性期ならびにくも膜下出血患者の周術期管理等を習得。
さらに神経麻酔(約2ヶ月)、各種神経モニタリング法を習得。症例報告を学会発表及び投稿論文にて行います。

専門医教育プログラム前期(2年目=卒後4年目、関連病院・大学院入学)

開閉頭の習得、顕微鏡手術助手として独立、さらに術者として基礎的顕微鏡手術を開始。
神経救急患者の適切な対応と処置を習得

研究プログラム(3、4年目=卒後5、6年目:国内外の研究室)

基礎研究に専従(週末・時間外の脳神経外科施設での業務による経済的保障あり)。
プログラム期間中に国内外の協力施設にて研究を行う場合もあります。
(これまでの海外研究施設はカリフォルニア大学サンフランシスコ校スタンダード大学、カロリンスカ研究所などです)

専門医教育プログラム後期(5、6年目=卒後7、8年目:大学病院・広南病院その他の関連基幹病院:大学院卒業)

チーフレジデントとして術前診断、手術プランニング、手術への参加。術後管理のすべてを統括し病棟の全患者に対する責任者として専門医としての資質を身につけます。
経験症例の学術報告を優先的に行うことができます。博士号を取得します。

サブスペシャリティプログラム(7、8年目=卒後9、10年目)

専門医取得後、希望に応じて脳神経外科分野の専門領域の研究を行うことが可能です。
血管内治療プログラム、脳卒中プログラム、神経膠腫プログラム、脊髄・脊椎プログラム、神経救急プログラム、小児脳神経外科プログラム、てんかん・機能的脳外科プログラム、定位放射線外科プログラムなどがあります。
脳卒中専門医、救急専門医など各種専門医が取得可能なプログラムが含まれています。
当コースでは全員プログラム5年目に学位の取得を必須としています。神経血管内治療の専門医資格を取得する場合には、脳神経外科専門医資格取得後、当院脳血管内治療科および広南病院にて1年間研修することにより、専門医申請に必要な症例数を経験することができます。

臨床専従コース

専門教育プログラム前期(1年目=卒後3年目:東北大学病院・広南病院)

脳神経外科的医療面接法、神経学的診察法、救急蘇生法、神経画像診断法、脳血管撮影法、穿頭術の習得、開閉頭の基礎のみならず、脳腫瘍患者に対する放射線化学療法、脳卒中急性期ならびにくも膜下出血患者の周術期管理等を習得。
さらに神経麻酔(約2ヶ月)、各種神経モニタリング法を習得。

専門医教育プログラム中期(2、3、4年目=卒後4、5、6年目、関連病院)

開閉頭の習得、顕微鏡手術助手からはじめ、脳腫瘍、脳内出血、脳動脈瘤など手術の基本を習得。

専門医教育プログラム後期(5、6年目=卒後7、8年目:大学病院、広南病院そのほかの関連基幹病院)

チーフレジデントとして術前診断、手術プランニング、手術への参加、術後管理のすべてを統括し病棟の全患者に対する責任者として専門医としての資質を身につけます。
経験症例の学術報告を優先的に行うことができます。

サブスペシャリティプログラム(7、8年目=卒後9、10年目)

専門医取得後、希望に応じて脳神経外科分野の専門領域の研究を行うことが可能です。
脳卒中プログラム、神経膠腫プログラム、脊髄・脊椎プログラム、神経救急プログラム、小児脳神経外科プログラム、てんかん・機能的脳外科プログラム、定位放射線外科プログラムなどがあります。
脳卒中専門医、救急専門医など各種専門医が取得可能なプログラムが含まれています。

脳血管内治療科との合同コース

上記大学院進学コースに準じたプログラムですが、東北大学大学院病態制御学分野(脳血管内治療科)の大学院に進学して博士号を取得します。そのほかのプログラムは脳神経外科のプログラムに従い脳神経外科専門医取得後、血管内治療科にて神経血管内治療専門医を目指します。

取得できる資格
  • (1) 日本脳神経外科学会専門医
    全員が取得することを前提としています。最近7年間の当施設からの合格率は100%です。
  • (2) 日本脳血管内治療学会専門医
    脳神経外科専門医取得後当院血管内治療科にて取得可能です(1名の指導医を有しています)。
  • (3) 日本脳卒中学会専門医(選択)
    脳神経外科専門医取得後、取得可能です。サブスペシャリティプログラムで脳卒中プログラムの選択は必須ではありません(どのコースでも可能)。
  • (4) その他
    日本脊髄外科学会専門医、日本救急医学会、日本リハビリテーション医学会専門医など各種資格の取得が可能です。
処遇
  • (1) 専門教育プログラム前期 (1年目=卒後3年目)
    大学病院では原則として医員、広南病院では常勤医師
  • (2) 専門医教育プログラム前期 (2年目=卒後4年目:関連病院)
    常勤医師(大学院生の場合は病院側の規定により非常勤医師となる場合があります)
  • (3) 研究プログラム (3、4年目=卒後5、6年目:国内外の研究室)
    大学院生
  • (4) 専門医教育プログラム後期 (5、6年目=卒後7、8年目:大学病院・広南病院その他の関連基幹病院)
    大学病院では医員または助手(大学院卒業後)、関連病院では常勤医師。
  • (5) サブスペシャリティプログラム (7、8年目=卒後9、10年目)
    原則として常勤医師
関連病院(研修プログラム協力施設)
関連基幹病院

財団法人広南会広南病院(仙台市)、国立病院機構仙台医療センター(仙台市)、仙台市立病院(仙台市)、宮城県立こども病院(仙台市)、古川星陵病院ガンマハウス(宮城県古川市)、国立病院機構宮城病院(宮城県山元町)

関連病院
<北海道> 帯広第一病院
<青森県> 青森県立中央病院、八戸市民病院
<岩手県> 岩手県立中央病院、岩手県立胆沢病院、岩手県立磐井病院
<山形県> 米沢市立病院
<宮城県> 財団法人広南会広南病院、国立病院機構仙台医療センター、仙台市立病院、宮城県立こども病院、古川星陵病院ガンマハウス、国立病院機構宮城病院、気仙沼市立病院、石巻赤十字病院、仙石病院、古川星陵病院、大崎市民病院、宮城県立がんセンター、みやぎ県南中核病院、総合南東北病院(岩沼)、坂総合病院
<福島県> 大原医療センター、いわき市立総合磐城共立病院、白河厚生総合病院
<埼玉県> さいたま赤十字病院
<東京都> 国立精神・神経センター武蔵病院、NTT東日本関東病院
<千葉県> 国立国際医療センター国府台病院
<京都府> 京都第一赤十字病院
後期研修後の進路

サブスペシャリティを確立した後に大学病院や関連基幹病院のスタッフ、関連病院など当教室の関連施設の常勤医師として就職する場合、海外留学する場合、脳神経に関連する様々な分野で活動するなど多様です。

大学病院の活動状況
週間スケジュール:表示(回診、カンファランス、セミナー等)

臨床カンファレンス

毎週火曜日・木曜日・金曜日に術前・術後症例検討、入院患者の臨床経過・神経所見・画像診断の検討が行われます。
また2週間毎に東北大学脳血管内治療科、広南病院脳神経外科および血管内脳神経外科、仙台医療センター、仙台市立病院、宮城県立こども病院、宮城病院などの県内の関連病院と合同の合同臨床カンファレンスを行っています。
同カンファレンスにおいて開頭手術チーム、血管内治療チーム、放射線外科チームが集結しAVM boardなどmulti-modality treatment(集学的治療)を症例毎に検討しています。この合同カンファレンスの一環として定期的に国内の各専門分野の指導的脳神経外科医を招き「仙台脳神経外科セミナー」を開催しています。

手術

月曜日・火曜日・金曜日が手術日で毎週3~5件の脳外科予定手術が行われます(2008 年度手術件数は309件)。
特に神経膠腫、頭蓋底腫瘍の手術件数が多いのが特徴です。脳血管障害、脊髄脊椎疾患、てんかんの外科治療に関してはプログラムを通じて関連基幹病院である広南病院脳神経外科での経験が必須のものとなっています。

院内合同カンファレンス

放射線画像カンファレンス(手術ビデオと画像所見の術後検討)、病理カンファレンス、放射線治療カンファレンス、各科と合同で行っています。

主たる診療対象疾患

対象とする疾患は脳腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫、神経膠腫、転移性脳腫瘍 等)、脳血管障害(脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳出血、もやもや病、脳梗塞 等)、機能脳神経外科(難治てんかん、顔面痙攣、三叉神経痛 等)、脊椎脊髄および外傷性疾患(慢性・急性硬膜下血腫、脳挫傷 等)であり、当プログラムにより偏りがない疾患群を広く深く学ぶことができます。

研究内容

大学院における研究テーマは基本的に大学院生の希望と教室における研究状況から選択します。国内外を通じてどのような研究分野に対しても対応可能です。現在行われている研究は以下のとおりです。

神経膠腫

新たなdrug delivery systemとしてconvection-enhanced delivery systemの臨床応用を目指した基礎的をカリフォルニア大学サンフランシスコ校との協力により推進しています。脳腫瘍の遺伝子研究においてもカリフォルニア大学との共同研究を進めています。また神経膠腫においてメチレーションによってmistatch repair gene の変異が起き、癌化に結びついてることを明らかにしました。

脳虚血

脳血管障害、頭部外傷などの中枢神経疾患における分子細胞生物学的な研究をスタンフォード大学医学部と共同で行っています。
特に酸化ストレスのこれら病態における役割については free radical scavenger であるSODのtransgenic knockout 動物を用いて常に最新の知見を一流誌に報告しています。

もやもや病

本疾患は当教室で1969年に発見・発表されました。
以来の豊富な症例数を生かし、未だ不明な点が多い血行再建術急性期の脳循環代謝(SPECT、MRI)と高次機能も含めた長期予後を解明すべく臨床研究を行っています。
また原因不明と言われている本疾患を解明すべく遺伝子研究、生化学的基礎研究を行っています。

衝撃派ジェットの脳神経外科領域への応用

「医工連携」の一環として東北大学流体科学研究所との共同研究により脳神経外科領域における衝撃波および衝撃波ジェットを応用した手術支援、血栓破砕、骨新生促進、細胞内への薬剤・遺伝子導入等の研究を行ってきました。
基礎研究として衝撃波の脳損傷閾値の生化学的検討も行っています。

脳機能マッピング

脳磁図、脳波、脳表電気刺激、機能的MRIなどの手法を組み合わせ、脳機能地図の作成とその臨床応用研究を展開しています。特に脳磁図研究では、1993年のヘルメット型脳磁計導入以来、1000例を超える臨床経験を有しています。
てんかん外科支援と術前機能マッピングを主たるテーマとしていますが、他講座や学外の研究者と共同で多数の基礎神経生理学的プロジェクトを展開しています。

機能的脳神経外科学

パーキンソン病や本態振戦を中心に不随意運動一般に対し、治療を行っている。
学内外における内科のグループや様々な脳機能の研究グループとの共同体制により術前術後における内科学的検討はもちろんPETによる脳機能の評価、大脳生理学的検査、大脳高次機能検査なども行い、その病態を多角的に検討することで、各々の病態に即した最新の治療を行っている。脳深部刺激療法の治療成績も向上し、更なる発展を目指している。神経幹細胞を用いたパーキンソン病に対する移植療法の確立を視野に基礎研究を展開している。

神経再生

神経再生に関する研究を、細胞組織学分野と共同で行っています。特に脊椎損傷における骨髄幹細胞由来の神経前駆細胞を用いた神経再生、神経機能回復に関する基礎研究を展開しています。

お問合せ
  • 研修医教育担当
    岩崎  真樹
    TEL:022-717-7230
    FAX:022-717-7233
    E-mail:iwa*nsg.med.tohoku.ac.jp
    メールを送信する際は、*を@に変換してください。

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