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第20回 CHRISTMAS TALKING with ○・△・□

2019.12.12

【開催概要】
日時:2018年12月5日(金)18:30〜20:00
会場:東北大学病院 図書コーナー
講師:赤羽 美和さん(グラフィックデザイナー)
主催:東北大学病院
協力:株式会社白木屋

【イベントレポート】
12月5日、東北大学病院内図書コーナーにて第20回からだの教室「CHRISTMAS TALKING with ○・△・□」を開催しました。今回のテーマは「ホスピタルアート」です。

講師には東京を拠点に活動するグラフィックデザイナーの赤羽美和さんをお招きしました。赤羽さんはデザイナーとして企業で多数の広告制作に携わったあと、スウェーデン国立芸術工芸デザイン大学に留学。テキスタイル学科修士課程を修了しました。帰国した後もデザイナーとして活動する傍ら、パターン模様を通して人と人、状況をつなぐ様々なプロジェクトを展開されています。


  • 講師の赤羽美和さん

第一部は赤羽さんによるおはなしです。
スウェーデンに2年間留学していた赤羽さん。スウェーデンには「1%ルール」というものがあり、公共建築物の新設や改築の際に、全体予算の1%をアートにあてることが法律で定められています。病院においては2%だそうです。
2013年、ストックホルムにあるセント・ヨーラン病院の救急病棟の改築にあたって、ホスピタルアートの作品コンペが開催されました。そのコンペで選ばれたのが赤羽さんの作品です。作品を作る過程で、病院の職員がワークショップに参加することも高く評価されたとのこと。「JAM」と名付けられたそのワークショップは、まる・さんかく・しかくの3つの図形を言葉に見立て、集まった人同士が対話するように描きます。赤羽さんはこれを対話のドローイングと呼んでいます。お互いの視点を交換することで、新たな視点や視点の違いが見つかることが狙いだそうです。実際にセント・ヨーラン病院で開催した時の映像では、医療スタッフたちが色とりどりのまる・さんかく・しかくを自由に描く様子が紹介されました。
他にも、現地の子ども病院を視察した際の写真の紹介では、まるで美術館のような遊び心いっぱいの空間に、参加者もスタッフも刺激を受けていました。
おはなしを通して、病院の中にアートを取り込もうとする北欧の姿勢を学びました。

第二部はみなさんお待ちかねのクリスマスワークショップです。今回赤羽さんはJAMワークショップをクリスマス版にアレンジし、企画してくださいました。
はじめに、二人一組になってまる・さんかく・しかくの形をした画用紙にまる・さんかく・しかくの図形をクリスマスカラーのペンやスタンプを使って自由に描きます。目をつぶって描いたり、利き手と反対の手で描いたり、出来るだけ早く描いたり・・・。折り紙やスタンプ、大判のマスキングテープやシールなど、大人になってからはあまり触れる機会のない画材に、参加者のみなさんもわくわくしている様子です。


  • ワークショップの画材

  • 二人一組になって描きます

参加者同士だいぶ打ち解けてきたところで、次はグループワークに入ります。テーブル目一杯の大きな紙に、グループ全員で一緒にまる・さんかく・しかくを描きます。協力してテープを貼ったり、相手が描いた図形を見てスタンプを押す位置を考えたりと参加者のみなさんは和気あいあいとドローイングを楽しんでいました。当院の医師や看護師などの医療スタッフも参加し、地域のみなさんとワークショップを通して交流を深めました。


  • 大きい紙に全員で描きます

  • どこを切り抜こうかな

最後に、完成したアートのお気に入りの場所を切り抜いて、缶バッジを作ります。「誰かにプレゼントする気持ちで切り抜く場所を決めてくださいね」と赤羽さん。クリスマスらしく、全員で輪になって音楽に合わせて順に缶バッジを渡していき、参加者同士プレゼント交換をしました。


  • プレゼント交換の様子

  • 思い思いの場所を切り抜いて作った缶バッジ

さらに後日、この日制作したアートを利用して、素敵なクリスマスモビールを赤羽さんが作ってくださいました。このモビールを当院のホスピタルモールに吊るし、クリスマスデコレーションとして展示しました。クリスマスカラーのカードがゆらゆらと揺れる様子に心が躍ります。患者さんやお見舞いの方はもちろん、スタッフも足を止めて見入っていました。


  • ホスピタルモールの展示風景

  • 参加者のアートが素敵なモビールに

地域のみなさんも当院のスタッフも一緒になって「ホスピタルアート」について学んだ今回のからだの教室。実際にワークショップで手を動かしたり、ホスピタルモールの展示を眺めたりすることによって、ホスピタルアートを身近に感じることができたのではないでしょうか。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。(広報室)