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第17回 星陵落語 福寄席~笑いで健康をひきよせる~

2019.02.13

【開催概要】

■日 時:2019年2月2日(土) 10:00〜11:30

■場 所:東北大学病院外来診療棟待合ホール

■参加者:約80名

■参加費:無料

■演 目:

[学生落語]東北大学学友会落語研究部 走励家 メロス

[東北弁落語]落語家 六華亭 遊花

[掛け合い]「笑いと健康」落語家 六華亭 遊花 × 東北大学病院副病院長、血液・免疫科科長 張替 秀郎

■主 催:東北大学病院

■協 力:東北大学学友会落語研究部

 

【イベントレポート】

2月2日(土)、第17回「星陵落語 福寄席~笑いで健康をひきよせる~」を開催しました。2019年最初のからだの教室は、新春のおめでたい時季に、前回大好評の星陵落語福寄席を再演しました。ゲストに六華亭遊花さんをお招きし、一般市民の皆さま、入院患者さんあわせて約80名にお越しいただきました。会場となった当院の待合ホールは寄席会場に大変身しました。


  • 会場の様子

第一部は、落語の演目です。前座で登場したのは、東北大学学友会落語研究部の走励家(はしれや)メロスさん。東北大学医学部の2年生です。演目は「茶の湯」。

家督を息子に譲った大店(おおだな)のご隠居と小僧が侘び住まいで暇つぶしの『茶の湯』をはじめるというお話。

見様見真似の独学ではじめた『茶の湯』に呼ばれた客人たちを医学の道を志すメロスさんならではの言葉で表現されており、テンポの良い語りに会場の皆さんはどんどん引き込まれていました。


  • 走励家メロスさんによる学生落語

続いて、落語家の六華亭遊花(ろっかていゆうか)さんが登場です。遊花さんの登場に、会場からは割れんばかりの大きな拍手が。

遊花さんは、岩手県遠野市出身の落語家で、東北弁での古典落語や民話を得意とされています。大震災があった東北六県が花開くように、との願いを込め、2012年4月に六華亭遊花と改名されました。「遊花」は名前だけで女性落語家だと分かるようにとの意味が込められているそうです。

現在は、東方落語から落語芸術協会・三遊亭遊三一門となり、魅知国(みちのく)仙台寄席の演出や、ラジオのパーソナリティとして幅広く活躍されています。

落語は、「まくら」と呼ばれる演目へ入る際の導入部分と、「本題」と「落ち」で構成されています。特に「まくら」はお客さんをほぐしながら、その反応を確認し、さらに本題への伏線にもなっているというとても重要な部分。この日の遊花さんのまくらは、田舎あるある。あ、わかる!そうそう!うちのおじいちゃんも!おばあちゃんも!と言うお話がたくさん。会場は爆笑の渦に包まれました。


  • 六華亭遊花さんによる東北弁落語

さて、いつの間にか本題のとある夫婦のお話へ。仕事から帰って来た夫は、開けっぱなしの戸口を不思議に思い、閉めようとしたところに奥さんがやってきた。その奥さん、閉じられそうになっている戸口を見て「いたましい!」と一言。どうやら戸口を何回も開けたり閉めたりすることで擦れて傷んでしまうのが気になるとのことで、戸口は一日1回、朝に開けて夜に閉めるようにと言う奥さん。帰って来た夫の着物も傷んでしまうからと早々に着替えさせようとします。そう、この奥さん、昔から「いたましい」が口癖のとてもケチな性格。この日も「温かくなるための汗をかく方法」「扇子を長持ちさせる方法」「ご飯のおかず」「お布団」といった様々な場面でその徹底したケチぶりを発揮させます。遊花さんの巧みな話術で会場の皆さんはお話の中にぐいぐいと引き込まれ、夫婦のやり取りに終始大笑いでした。

第二部は、当院の張替秀郎副病院長と遊花さんのトークセッションです。落語鑑賞が趣味の張替副病院長、昨年とはまた違う着物姿で登場し、笑いが健康にもたらす効果を会場のみなさんと一緒に考えました。張替副病院によると、診療中に「笑い」を取り込むことは難しいながらも、患者さんとの対話の際は、落語のような「間」を大切にしているそうです。また、笑うことは心を和ませる効果があり、からだに良い影響があると言われているとのこと。遊花さんも大きな口で「あはは、あはは」と笑うことは自分のためだけではなく、周りの人のためにもなると言い、笑いはインフルエンザ以上の感染力があり、その感染はたくさんの人たちのからだにも良い影響を与えると言います。


  • トークセッションの様子

最後は参加者の皆さんからの質問に張替副病院と遊花さんが答えるコーナー。「なぜそんなにみんなを笑わせることができるんですか?」という質問に、「話している自分が一番楽しんでいるから。」と答える遊花さん。大きな声ではっきりと思い切って話すことが良いよと締めくくり、「星陵落語 福寄席」は閉幕しました。

医師と落語家という全く異なる立場のお二人と一緒に「笑いと健康」について考えた今回のからだの教室。会場を後にする参加者のみなさんは、病院でこんなに大笑いするなんて貴重な体験でしたと笑顔で帰られました。