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第11回 星陵落語 福寄席〜笑いで健康をひきよせる〜

2017.06.05

【開催概要】

■日 時:2017年6月4日(日) 10:00〜11:30

■場 所:東北大学病院外来診療棟待合ホール(仙台市青葉区星陵町1-1)

■参加者:約90名

■参加費:無料

■演目:

[学生落語]東北大学学友会落語研究部 宿栄家 じゃんぷ

[東北弁落語]落語家 六華亭 遊花

[掛け合い]「笑いは健康に良い!?」落語家 六華亭 遊花 × 東北大学病院副病院長/血液・免疫科科長 張替 秀郎

■主 催:東北大学病院

■協 力:東北大学学友会落語研究部

 

【イベントレポート】

6月4日(日)、第11回「星陵落語 福寄席〜笑いで健康をひきよせる〜」を開催しました。

一般市民のみなさま、入院患者さんあわせて約90名にお越しいただき、会場となった当院の待合ホールが寄席会場に大変身しました。


  • 会場の様子

第一部は、落語の演目です。前座で登場したのは、東北大学学友会落語研究部の宿栄家(すくえあ)じゃんぷさん。大阪出身の東北大学理学部3年生です。息もつかせぬ上方落語の独特のリズムと、学生落語とは思えない饒舌さで会場のみなさんの心をグッと掴みます。


  • 宿栄家じゃんぷさんによる学生落語

続いて登場したのは、落語家の六華亭遊花(ろっかていゆうか)さんです。岩手県遠野市出身の落語家で、東北弁での古典落語や民話を得意とされています。東日本大震災後の2012年に改めた名前には、「六華亭」は東北六県がいつか花開くように、「遊花」は名前だけで女性落語家だと分かるようにとの意味が込められているそうです。現在は、東方落語に入門し魅知国(みちのく)仙台寄席への出演や、ラジオのパーソナリティとして幅広く活躍されています。遊花さんの登場に、会場からは待ってました!と言わんばかりの大きな拍手が。
落語は、「まくら」と呼ばれる演目へ入る際の導入部分と、「本題」と「落ち」で構成されています。特に「まくら」はお客さんをほぐしながら、その反応を確認し、さらに本題への伏線にもなっているというとても重要な部分。この日の遊花さんのまくらは、田舎のおばあちゃんたちの「お茶っこ飲み(お茶会)」のお話。バリバリの東北弁で田舎のおばあちゃんの様子を身振り手振りも交えて生き生きと演じます。会場は一斉に大爆笑に包まれました。


  • 六華亭遊花さんによる東北弁落語

いつの間にか話は本題に。田舎の母親にまだ学生であると偽っているが、実はとっくに結婚し、子供が5人いるトシオという男の話。家族を養うお金が足りず、両親に嘘をつき仕送りをもらっています。そのトシオの母親が急に田舎から訪ねてくるというところから物語は始まります。声色や身振りを変え何役も演じ分ける姿に、トシオと母親との滑稽なやり取りの情景がありありと浮かんできます。ぐいぐいと引き込まれ、あっという間の40分間でした。
第二部では、当院の張替秀郎副病院長と遊花さんのトークセッションです。「笑いは健康に良い!?」と題し、笑いが健康にもたらす効果を会場のみなさんと一緒に考えました。落語鑑賞が趣味の張替副病院長、今日は着物姿で登場です。
「笑うと健康に良い、からだに良いって本当ですか?」遊花さんが初っ端から張替副病院長に切り込みます。「笑うと痛みを出す物質の数値が下がるという報告があるんです」と張替副病院長。リウマチなどの症状を扱う血液・免疫科の科長でもある張替副病院長によると、笑う前と後の数値を計測し、笑いがからだに与える影響を研究している医師もいるのだそう。さらに、「心に与える影響も大きそうだよね」と指摘する遊花さん。気持ちがふさぎ込んでいる時、イライラしている時は行動まで制限されてしまうため、「落語を聞きに行こう、外に出てみよう」と思うだけで気持ちも前向きになり、外に出て行くきっかけになるのではないか、と話します。また、無理にでも声に出して笑うことも、とても大事なのだそう。そこで遊花さんが音頭を取り、参加者のみなさんと一緒に「ラフターヨガ」を体験しました。手を大きく上下で叩きながら、「ハッハッ、ホホホ!」と声を出します。思いっきり声を出すとなんだか気持ちがすっきりとし、思わず笑いもこぼれます。


  • トークセッションの様子

  • みんなで「ラフターヨガ」を体験!

「イライラしたり、ムッとしているよりも、面白い事を考えていた方が人生楽しいよ。妄想だっていいんだから。怒りジワより笑いジワ!」と遊花さんが締めくくり、「星陵落語 福寄席」は閉幕しました。

医師と落語家という全く異なる立場のお二人と一緒に「笑いと健康」について考えた今回のからだの教室。会場を後にする参加者のみなさんは、元気な笑顔で溢れていました。