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東北大学病院

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総合外科 乳腺・内分泌グループ

科長あいさつ

教授 石田 孝宣

乳腺・内分泌外科は、乳腺と内分泌(甲状腺、上皮小体 [副甲状腺])、副腎および一般外科を対象とした診療科です。
1918年開設の教室の伝統を引き継ぎ、がんに関する研究・教育および診療に取り組んでいます。がんの研究・診療では、国立がんセンターなどの「がん拠点病院」を始めとする多くの診療機関や米国立がん研究所(NIH) を初めとする国内外の研究機関と連携しながら、科学的根拠に基づいた診療体系の確立をめざしています。
診療に関しては、まず、乳がんが挙げられます。 今、乳がんは、日本人女性のがんの中では最も多く、毎年増え続けています。 私たちの診療科では、乳がんの早期診断・早期治療に努めています。 最新の画像診断(3Dマンモグラフィ、造影超音波検査、MRI、CT)をうまく組み合せることによって、触ってもわからないようながんも、診断が可能になっています。
乳がんの治療においては、がんの根治性と整容性を兼ね備えた新たな「乳房温存療法」を確立し、優れた成績を挙げています。当院における「乳房温存療法」の実施率は約80%で、手術前の薬物療法でがんが縮小した患者さんにも行っています。また、乳房全摘後の乳房形成も保険適応の認定施設となっており、多くの患者さんがQOL (quality of life:生活の質)の高い治療法を選択されています。一方で、進行して発見された乳がんの患者さん、または再発された患者さんには、それぞれの病状に応じて、化学療法(抗がん剤)、内分泌療法、分子標的療法や放射線治療をうまく組合せることにより、治療効果を高めています。
次に、甲状腺疾患についてです。甲状腺にはいろいろな病気がありますが、結節(しこり)が問題になるもの、機能(ホルモン量)が問題になるものに分けられます。結節の多くは手術の必要がない良性ですが、手術を必要とする悪性(がん)もあります。悪性であってもその多くは、進行のゆっくりした治りやすいタイプに属します。したがって結節の治療においては良悪の診断と適切な手術が重要であり、私たちは長年にわたりこれらに留意して診療してきました。一方、「機能」の病気ではバセドウ病(甲状腺機能亢進症)があります。この病気では手術以外にも、内服薬、放射線(ヨード剤)による治療があり、それぞれに長所と短所がありますので、患者さんが適した方法を選択していただけるよう留意しています。上皮小体 [副甲状腺]が病気の患者さんは甲状腺ほど多くはありませんが、その多くが手術の適応となります。また、診療以外にも国内外で甲状腺の検診を行うなど、長い間、甲状腺・内分泌疾患の診療・研究に貢献してきました。
最近の動きで特にご紹介すべき点として、2006年度からスタートした厚生労働省「がん対策のための戦略研究」があります。がんは我が国の死亡原因の第1位であり、第3次対がん総合戦略でもがん罹患率と死亡率の減少を目指しており、「がん戦略研究」はこれを実現するための国家プロジェクトです。東北大学が中心となって全国展開しているJ-STARTは、この「がん戦略研究」の1つで、40歳代女性を対象として、マンモグラフィに超音波検査を併用した検診で、乳がんによる死亡率が減少するかを検証する研究です。この最初の研究結果を論文化して世界に向けて発信いたしましたところ、世界中から賞賛の言葉が届いています。乳がんによる死亡率を下げるための方策を確立するために、本研究を質の高いレベルで継続して行きたいと考えています。
私たちの診療科は、日本外科学会、日本乳癌学会、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会、日本癌学会、日本癌治療学会、ASCO(米国癌治療学会議)等の国内外の学会活動を通して、質の高い医療を実践しています。一方では、宮城県、仙台市、県医師会、市医師会等との連携を深め、地域医療にも積極的に貢献しております。これからも、あらゆる診療の局面において、患者さんのQOLを重視しながら、最適な治療を行うよう、努めてまいります。

総合外科 独自webサイト(乳腺・内分泌グループ)

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