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東北大学病院

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心療内科

科長あいさつ

教授 福土 審

現代の社会生活は便利な半面、しばしば大きなストレスを伴っています。その中で生活する現代人も、その大きなストレスに対処しながら暮らしています。しかし、過剰なストレスが加わったとき、あるいは、ストレスを受けとめる身体そのものが弱っている時にストレスがのしかかると、心身に変調を起こし、それが長引くことがあります。心療内科はそのようなストレスによる身体の変調である「心身症」に苦しむ患者さんを主な診療の対象にしています。

沿革

東北大学第3内科第三代教授の山形敞一は、学生時代から心身相関に深い関心を持っていました。1968年(昭和43年)、当時の東北大学医学部附属病院長町分院院長を務めていた九嶋勝司(産婦人科学教授)も心身医学に大きな関心を持っており、山形教授とともに長町分院に心身医学の拠点を作ることを協議し、第3内科で循環器の研究をしていた鈴木仁一を助教授として派遣しました。これが東北大学病院心療内科の始まりです。1961年(昭和36年)九州大学、1972年(昭和47年)東京大学のちょうど中間の時期に日本で2番に開設されたものです。1975年(昭和50年)長町分院内科は正式に心療内科と名前を改め、1980年(昭和55年)、長町分院の本院統合により東北大学医学部附属病院心療内科となっています。鈴木は1990年(平成2年)に定年退官するまで、国内外の心身医療および心身医学研究の推進者として活躍を続けました。鈴木の業績のひとつに世界的に独創的な絶食療法があります。1996年(平成8年)から2011年(平成23年)まで本郷道夫教授が科長として心療内科を率いました。本郷は消化管機能の専門の立場から、消化管機能障害を中心に科を大いに発展させました。東北大学病院心療内科からは、鈴木のもとで片腕として活躍した山内祐一が東北大学人間行動学(現・行動医学)分野の教授に就任しました。鈴木のもとで育ち、本郷の片腕として活躍した福土審は、山内の後に行動医学分野の教授に昇進しました。そして、2011年(平成23年)より、東北大学病院心療内科長となり、現在に至っています。

診療に対する姿勢

心療内科は、ストレスを基盤にした身体機能の変調に悩む患者さんを対象に診療しています。しかし、ストレスが自分では自覚できない患者さんも少なくありません。一般的な診療で、症状や病態の原因がわからないものを機能性疾患と呼びます。その背後には自分では自覚していないストレスがあったり、原因不明の自律神経機能異常があったりします。ことに消化管(食道から大腸まで)は機能性の障害がおこりやすいところです。そこで、東北大学病院心療内科では、機能性消化管障害に力を入れて診療を行っています。当然ながら、ストレスからくる病気として、摂食障害、パニック障害、抑うつ反応、そして原因がわからない身体症状に苦しむ患者さんの診療にもあたっています。
疾病はヒトのもつストレスへの反応性と、外界からくる様々な刺激(ストレッサー)とが、相互に作用しあって作りだされるものと心療内科では考えています。その問題となるポイントを探しだすことで治療の道標を引き出し、治療します。家庭や職場での人間関係、社会がもたらす影響、自然環境などは外的な問題です。一方、個人がもつ体質や気質は、遺伝子によって規定されているものから、生育や人生経験の過程で学習されたものの相乗作用の結果であると考えられています(遺伝子x環境相関)。その人が持つ世界観、人生観、社会観もそのように形成され、ストレスへの反応性を左右します。ですから、心療内科の診療は生物学的であると同時に人間的なものになります。このようにして、外界からの刺激があると、それを受ける個々人の特質と相俟って、生体の変調が生じて来ます。最近では、このような外界からの刺激だけでなく、身体内部の信号も強力なストレス反応をもたらすことも解明されています。心療内科では、これらの原因を探り、問題の解決可能部分にアプローチすることで治療を行います。
近年医療現場では、「全人的医療」や「生活の質(クォリティ・オブ・ライフ)の評価」の必要性が強調されています。「疾患」を扱うというよりも、「病をもった人間」を<こころ>と<からだ>の両面から全体的にとらえ、より質の高い生活を支援していくことが心身医療の本質です。

東北大学病院心療内科には、次のような特色があります。

  1. 一般的な消化器の検査法のみならず、消化管の働きや知覚をとらえる特殊検査の技法を豊富に持っており、ストレスに関連した消化管機能、脳機能の診療・研究が国際的に高く評価されています。そうした生理学的検査の結果を踏まえて治療を行っています。
  2. ストレスは自律神経系や内分泌系を介して、からだの働きに影響を及ぼします。これらの自律神経機能やホルモン測定の結果に基づいた病態の評価、治療を行います。
  3. 心身医学療法(自律訓練法など)、認知行動療法、絶食療法など、チーム医療のメリットを活かした、きめ細やかな集学的医療を実践しています。

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