東北大学病院

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診療受付:8:30-11:00 再診受付機 8:00-11:00

休診日:土・日・祝・年末年始12/29-1/3

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お問い合わせ:022-717-7000 [ 時間外・休診日 022-717-7024 ]

歯内療法科

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【病棟】東病棟 10F 【外来】外来診療棟C 5F 【外来受付電話番号】022-717-8337

科長あいさつ

 私たちは歯周病科と歯内療法科の2つの専門科を担当しております。そのうちこのページでは歯内療法科について紹介をします。むし歯が進行すると冷たいものや熱いものがしみたりしてくるようになってきます。やがてその痛みは次第に強くなり、何もしなくてもズキズキした痛みを感じる、あるいは夜寝ようとすると痛みが出て来るということがあります。なぜこのようなことが生じるのでしょうか。歯は非常に硬い組織ですが、その内部には神経や血管の通っている空間(歯髄)があります。さてむし歯は口の中の細菌によって歯が溶かされる病気ですが、次第に細菌が歯の内部に侵入するという現象が生じます。その結果、侵入した細菌によって歯の中にある神経が炎症を起こして、痛みが生じるという訳です(歯髄疾患)。また歯髄に炎症を生じて非常に痛みが強いのに、むし歯をそのまま放置しておくと、ある時から痛みが消えたという患者さんもいます。実はこれは自然に治癒したわけではなくて、歯の中の神経(歯髄)が死んだために痛みが消えただけです。同時にこれは別の病気の始まりで、今度は歯髄のあった空間で細菌が増殖して、歯の根の先の組織に炎症を起こして周囲の骨を破壊していきます(根尖性歯周組織疾患)。やがてまた鈍い痛みやズキズキした痛み、あるいは咬んだとろの痛みなどを感じるようになり、場合によっては歯の根の周囲に膿を形成して大きく腫れることもあります(歯槽膿瘍)。

 私たちはこのように主にむし歯が原因で生じる歯の痛みの原因の診断を行って、その治療を行う専門家です。口の中、特に歯が原因で生じた痛みは非常に様々な症状を呈することが多く、場合によっては原因となる歯すら分かりにくいことがあります。このようなときも、私たちは患者さんの症状を丁寧にお聞きし、専門家としての知識や経験から様々な可能性を想定して検査を行って診断し、痛みを効果的に除去できて、かつその歯を口の中で長く保存できる治療法を選択します。

 私たちは、“歯の痛み”という悩みを理解して、痛みを適切にコントロールして患者さんに優しい歯科医療を目指して診療を行っています。また本歯科医療センターは歯科における高次医療機関でありますので、麻酔時に注意を払わなければならない高血圧や心疾患などの全身疾患をお持ちの患者さんあるいは歯科治療恐症の方の治療にも、専門科(歯科麻酔科)と連携しつつ対応しています。また通常の治療では痛みの取れない難治性の根尖性歯周組織疾患に対する歯の根の先の外科手術など専門的治療も実施していますので、歯の痛みでお悩みがある場合には私たちの歯内療法科を受診してください。

教授 山田 聡

対象疾患と診療内容

 主な対象疾患は、むし歯などで生じた歯の痛みや炎症の治療、むし歯ではないのにしみる歯、破折歯、変色歯です。

歯髄疾患(歯の神経の病気)

 むし歯などで、歯がしみたり、ずきずき痛む歯を治療します。歯の中には、神経(歯髄)や血管が入っていますが、むし歯や外傷により、これらの組織が炎症を起こすと、歯がずきずきと痛みます。そのような場合、炎症をやわらげたり、炎症を起こしている神経などを除去する治療を行います。


むし歯が原因で歯髄炎を起こした左下の奥歯の症例

根尖性歯周組織疾患(歯根の先端周囲の病気)

 むし歯により神経が死んで、根の先の骨や歯肉に広がった炎症や黒ずんだ歯を治療します。
 虫歯を放置すると、神経が死んで炎症が根の先の方に広がり、化膿して歯の根元の歯肉が腫れたり、歯が黒ずんできたり、咬んだときに痛みを強く感じるようになります。このような場合、根の中の腐敗した神経や汚れた組織を清掃して消毒して空洞になった根の部分に樹脂を詰めます。


根尖性歯周組織疾患で根の先に溜まった膿が歯ぐきから出てきた症例(瘻孔)

象牙質知覚過敏症

 むし歯ではないが、歯肉が下がって、歯の象牙質が露出したときなどに、冷たい水などで一過性に鋭い痛みを感じる歯に対して、痛みを抑える治療をします。

歯の破折

 歯を失う原因として、むし歯、歯周病に次いで多いのが歯の破折です。歯の破折に対して、精密な診査をして診断し、歯の保存が可能な場合は、口腔外で接着し、再び元の位置に戻す外科的処置(意図的再植術:左の写真)を行っています。

変色歯

 歯の表面に付着した色素のみを落とすのではなく、歯の中にある色素を分解して歯の明るさを上げて白くしていきます。診療室で行うオフィスホワイトニング、自宅でホワイトニングを行う2つの方法があります。

難治性の根尖性歯周組織疾患

 根の先の骨に大きな炎症があり、通常の根の治療だけでは治らない場合は、根の先を切除する歯根端切除術を行ったり、意図的に抜歯して根の先の病巣を除去して根を植え直す意図的再植術などを行います。

処置・診断の困難な症例などに対する当科の特徴的な手法・機器

 狭い部位での処置や原因が明確でない症例の診査においては、必要に応じて顕微鏡下で処置しています。(顕微鏡下で行う外科処置はマイクロサージェリーと呼ばれます)。原因病巣の確実な除去、欠損部の緊密な充填処置、根管の見落としを防止できることから、処置の成功率が高まります。

  • 通常の治療を適切に行ったのにも関わらず、痛みが消失せず、長期間に渡って痛みを訴える「慢性疼痛」に対する処置も積極的に行っています。必要に応じて、根管内の細菌学検査(培養法、PCR法)を実施します。
  • 歯科恐怖症、嘔吐反射の強い患者に対しては、麻酔科の協力のもと、静脈鎮静療法や全身麻酔を施して治療しています。
  • 希望により、歯髄処置や根管治療の予後を、歯髄血流脈波を用いて診査しています。
  • 希望により、レーザーを用いた根管治療も行っています。
  • 希望により、実際の口腔内状態の圧力集中部位を、圧力に反応する模型で再現し、歯および歯周組織へのストレス解析をして、歯の破折に関する診査を行っています。

歯髄血流脈波検査

 外傷を受けて歯根の先端で血管や神経が切断されることがあります。その際、予後が良ければ血管が再生し、血液循環が回復し、歯髄組織が回復します。その判別は通常の方法では難しいので、このように歯髄血流脈波で判定します。


上:歯髄の血流脈波 下:同じ人の心電図

光弾性応力解析模型

 実際の口腔内状態を圧力に反応する模型で再現し、圧力の集中部位を検索しています。

Er:YAGレーザー治療器(アーウイン・アドベール)

 Er:YAGレーザーは、う蝕などを治療するだけでなく、根管の罹患象牙質を非接触で除去することが可能で、同時に殺菌を行います。当科はこのレーザーを用いて、歯の根の根管を拡大するという治験を日本で最初に行ったという実績があります。

診療の特色

 歯科を受診する患者の大多数の主訴である「痛み」を中心に診療を行っております。痛みの原因としては、一般の方々が言っておられる歯の根の病気、学問的な表現では歯の神経をふくんでいる歯髄の炎症(歯髄炎)や、歯髄が死んだ後に腐敗した刺激物質や根管内の細菌が原因で根尖部歯周組織に炎症が生じる(根尖性歯周炎)があります。いずれの病気であっても、通常の怪我と同様に、病気の原因を除去し感染の広がりを防げば、完全な治癒に導け、歯を一生使うことが出来ますので、歯を保存し残すことを主眼とする診療科です。
 ただ、多くの患者さんの中には、通常の治療を適切に行ったにも関わらず、痛みが消失せず、長期間に渡って痛みを訴える患者さんがおられます。このような痛みを「慢性疼痛」と呼ぶのですが、一般の開業医の先生では治療が困難であるため、東北地方だけでなく多くの地域から本科に治療のために紹介され来院されております。
 慢性疼痛の主な原因としては、ニューロパシック・ペインと呼ばれる神経そのもの治癒不全が考えられています。神経組織が何らかの障害を受けた場合の治癒能力は、患者さん毎に異なりますので、どうしても、治癒しにくい、完全な治癒に至らない、あるいは、精神的な面が問題になって痛みが消失しない方もおられます。当科ではこのような症状を訴える患者さんの治療に努めております。
 また当科は日本歯科保存学会認定研修施設であり、多くの同学会認定保存治療専門医が治療に当たっております。

年間症例数

(2015年度)

年間外来患者数 13,141人

診療科より皆さまへ

 私ども東北大学病院歯内歯周科は、最高水準の歯内疾患の診断と治療を目指して日夜努力しております。歯の痛み等にお悩みで診療を希望される方はどうぞ歯周病科の新患を受診なさってください。またすでにかかりつけの先生がおられる場合は、紹介状をお持ちになってご来院ください。

東北大学大学院で歯内疾患の臨床・基礎研究を行うことに興味を持つ研修医の皆さまへ

 私たちは、1)歯内疾患の病態形成と治癒機構の分子生物学的解明、2)MEを用いた歯内疾患の診断及び治療法の開発という2つを研究テーマとして、細菌学、免疫学、分子生物学、生体材料学や電子工学といった広い領域で研究を展開しております。また同時に保存治療専門医の取得を目指した歯内治療の研鑽を大学院の期間を通じて積むことにより、研究のみならず臨床面においても将来の歯内治療学を担うリーダーを育成することを目指して日々、努力しております。現在、大学院生は15名で、出身大学は多様で非常によい雰囲気で臨床および研究に毎日励んでいます。歯内治療学に興味を持つ歯科医師の皆さまの大学院生としての新たな入局を歓迎いたします。

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